【ビル管過去問】令和7年度 問題56|VOC(揮発性有機化合物)と発生源を解説

問題

揮発性有機化合物とその発生源との組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。

(1) ホルムアルデヒド-加熱式たばこ

(2) トルエン-溶剤

(3) パラジクロロベンゼン-防虫剤

(4) テトラデカン-プラスチックの可塑剤

(5) ダイアジノン-防蟻剤

ビル管過去問|VOC(揮発性有機化合物)と発生源を解説

この問題は、代表的なVOC(揮発性有機化合物)や化学物質が、どのような製品や建材、生活用品から発生しやすいかを問う問題です。ビル管試験では、化学物質の名称そのものだけでなく、「何に使われているか」「どこから発生しやすいか」を結び付けて覚えているかが重要です。正しい選択肢の組合せを知っているだけでなく、似た用途の物質との違いも理解しておく必要があります。正しい答えは(4)です。テトラデカンはプラスチックの可塑剤として代表的な物質ではなく、主として石油系成分や溶剤系物質に関連してみられるため、この組合せが最も不適当です。

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(1) ホルムアルデヒド-加熱式たばこ

適切です。ホルムアルデヒドは刺激性のある揮発性有機化合物で、建材や接着剤だけでなく、たばこ煙や加熱式たばこ由来のエアロゾル中にも含まれることがあります。室内空気汚染の観点では、喫煙や加熱式たばこの使用も化学物質発生源の一つとして理解しておくことが大切です。ホルムアルデヒドというと、内装材や家具から放散されるイメージが強いですが、喫煙関連でも発生し得る点がこの問題のポイントです。

(2) トルエン-溶剤

適切です。トルエンは代表的な有機溶剤で、塗料、接着剤、印刷インキ、洗浄剤などに含まれることがあります。そのため、改装工事後の室内や、塗装・接着作業を行った空間では、トルエン濃度が上がることがあります。VOCの発生源として「溶剤」は非常に典型的であり、トルエンとの組合せは基本事項として押さえておくべき内容です。

(3) パラジクロロベンゼン-防虫剤

適切です。パラジクロロベンゼンは、防虫剤や防臭剤として使われてきた物質です。衣類用防虫剤やトイレ用の芳香・防臭製品などに関連して登場することがあり、独特のにおいを持つ物質として知られています。室内で使用された場合には空気中に揮散し、VOCとして問題になることがあります。そのため、防虫剤との組合せは正しいです。

(4) テトラデカン-プラスチックの可塑剤

不適切です。テトラデカンは炭化水素の一種で、石油系の成分として存在する物質です。一方、プラスチックの可塑剤として代表的なのは、一般にフタル酸エステル類などです。可塑剤とは、プラスチックを柔らかくしたり加工しやすくしたりするために加える物質ですが、テトラデカンはその代表例ではありません。つまり、「テトラデカン」と「プラスチックの可塑剤」という組合せは結び付きが弱く、この問題では最も不適当な選択肢になります。化学物質名だけを見て何となく工業製品に使われそうだと判断すると、こうした問題で誤りやすくなります。

(5) ダイアジノン-防蟻剤

適切です。ダイアジノンは有機リン系殺虫剤として知られ、過去には防蟻剤や害虫防除用途で使用されてきました。建物のシロアリ対策などに関連する化学物質として扱われることがあり、室内環境や建築物衛生の分野でも発生源との関係を問われることがあります。したがって、防蟻剤との組合せは適切です。

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この問題で覚えるポイント

VOCは、建材、接着剤、塗料、溶剤、防虫剤、農薬・殺虫剤、喫煙関連製品など、室内のさまざまなものから発生します。ホルムアルデヒドは建材や接着剤だけでなく喫煙関連でも発生し得ます。トルエンは溶剤、パラジクロロベンゼンは防虫剤、ダイアジノンは防蟻剤という対応は基本事項として覚えておくと得点しやすくなります。可塑剤として代表的なのはフタル酸エステル類であり、テトラデカンとは結び付けないことが重要です。

ひっかけポイント

化学物質名に馴染みがないと、「工業製品に使われそう」という曖昧な印象で判断してしまいがちです。とくにテトラデカンのような炭化水素系物質は、何となくプラスチック関連に見えてしまうため注意が必要です。ホルムアルデヒドを建材だけの物質と思い込むと、加熱式たばことの組合せを誤りと判断しやすくなります。物質名だけでなく、用途や発生源をセットで整理して覚えることが大切です。

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