出典:建築物衛生管理技術者試験令和7年度(2025年)|建築物の構造概論第93問
問題
建築物の建築計画及び建築士法に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
(1) 一級建築士は、建築士法に基づき、国土交通大臣の免許を受けて得られる資格である。
(2) 二級建築士は、建築士法に基づき、都道府県知事の免許を受けて得られる資格である。
(3) 建築設備士は、建築基準法の適合チェックが義務付けられている建築物に関与しなければならない。
(4) 貸事務所における収益部分の床面積を延べ面積で除したものを、レンタブル比という。
(5) 工事監理とは、その者の責任において、工事を設計図書と照合し確認することである。
ビル管過去問|建築士制度と建築計画(レンタブル比・工事監理)を解説
この問題は、建築士法に基づく資格制度、建築設備士の位置付け、貸事務所のレンタブル比、工事監理の定義について問う問題です。正しい選択肢は(3)です。建築設備士は建築設備に関する専門的な知識を持ち、建築士に対して助言を行う資格ですが、すべての建築物について建築基準法の適合チェックに関与することが義務付けられているわけではありません。
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(1) 一級建築士は、建築士法に基づき、国土交通大臣の免許を受けて得られる資格である。
適切です。一級建築士は、建築士法に基づく国家資格であり、国土交通大臣の免許を受けて業務を行う資格です。大規模建築物や高度な構造・設備を持つ建築物の設計、工事監理に関わることができるため、二級建築士や木造建築士よりも扱える建築物の範囲が広い点が特徴です。
(2) 二級建築士は、建築士法に基づき、都道府県知事の免許を受けて得られる資格である。
適切です。二級建築士は、建築士法に基づき、都道府県知事の免許を受けて得られる資格です。一級建築士が国土交通大臣免許であるのに対し、二級建築士は都道府県知事免許である点がよく問われます。試験では、免許権者の違いを正確に区別して覚えることが大切です。
(3) 建築設備士は、建築基準法の適合チェックが義務付けられている建築物に関与しなければならない。
不適切です。建築設備士は、空調、給排水、電気などの建築設備について専門的な知識を持ち、建築士に対して助言できる資格です。しかし、建築基準法の適合チェックが必要な建築物に必ず関与しなければならない、という制度ではありません。建築確認における法適合の確認は、建築主事や指定確認検査機関などが行うものであり、建築設備士の関与が常に義務付けられているわけではないため、この記述が最も不適当です。
(4) 貸事務所における収益部分の床面積を延べ面積で除したものを、レンタブル比という。
適切です。レンタブル比とは、貸事務所などにおいて、賃貸して収益を生む部分の床面積が、建物全体の延べ面積に占める割合を示す指標です。エントランス、廊下、階段、機械室などの共用部分が多いほどレンタブル比は低くなります。貸事務所では、収益性を判断するうえで重要な建築計画上の指標です。
(5) 工事監理とは、その者の責任において、工事を設計図書と照合し確認することである。
適切です。工事監理とは、工事が設計図書のとおりに実施されているかを、工事監理者が自らの責任で確認する業務です。ここでいう設計図書には、設計図、仕様書などが含まれます。工事監理は、施工そのものを行う工事管理とは異なり、設計内容と実際の工事内容が合っているかを確認する役割です。
この問題で覚えるポイント
建築士制度では、一級建築士は国土交通大臣免許、二級建築士と木造建築士は都道府県知事免許という区別が重要です。建築士は、建築物の設計や工事監理を行う資格であり、扱える建築物の規模や構造に違いがあります。建築設備士は、建築設備に関する専門家として建築士に助言を行う立場ですが、建築確認の法適合チェックを必ず担当する資格ではありません。レンタブル比は、貸せる面積を延べ面積で割った割合であり、貸事務所の収益性を示す指標です。工事監理は、工事が設計図書どおりに行われているかを確認する業務であり、工程や人員、原価などを管理する施工側の工事管理とは区別して覚える必要があります。
ひっかけポイント
この問題では、建築設備士という専門的な名称から、建築設備に関する法適合チェックへ必ず関与する資格だと考えてしまう点が大きなひっかけです。資格名に「設備」と入っているため、設備関係の確認業務を義務的に担当するように見えますが、実際には建築士への助言を行う専門資格という位置付けです。また、一級建築士と二級建築士の免許権者の違い、工事監理と工事管理の違いも混同しやすい部分です。試験では、用語の雰囲気で判断せず、誰が免許を与えるのか、誰が確認するのか、何を対象にした定義なのかを一つずつ整理して判断することが大切です。