【ビル管過去問】令和7年度 問題41|脱水と体内水分バランスを解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和7年度(2025年)|建築物の環境衛生第41問

問題

水分の欠乏率(対体重)と脱水症状に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

(1) 1%の欠乏で、のどの渴きが出現する。

(2) 4%の欠乏で、体温上昇が起こる。

(3) 6%の欠乏で、呼吸数が増加する。

(4) 10~12%の欠乏で、筋けいれんが起こる。

(5) 18%の欠乏で、尿生成が停止する。

ビル管過去問|脱水と体内水分バランスを解説

この問題は、体重に対してどの程度の水分が失われたときに、どのような脱水症状が現れるかを問う問題です。脱水は軽度ではのどの渇きや不快感にとどまりますが、進行すると体温調節、循環機能、呼吸、筋肉、腎機能に影響が及びます。正しい選択肢は(2)です。4%程度の水分欠乏では、疲労感や不快感などがみられる段階であり、体温上昇は一般にさらに脱水が進んだ段階で起こるためです。

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(1) 1%の欠乏で、のどの渴きが出現する。

適切です。体重の約1%程度の水分が失われると、まずのどの渇きが出現します。これは体内の水分量が減少し、血液や体液の濃度が高くなることで、身体が水分補給を促すためです。脱水の初期症状として、のどの渇きは非常に重要なサインです。

(2) 4%の欠乏で、体温上昇が起こる。

不適切です。4%程度の水分欠乏では、疲労感、不快感、動きの鈍さなどがみられる段階とされます。体温上昇は、発汗による熱放散がうまくできなくなることで起こりますが、一般に6%程度の水分欠乏でみられる症状です。そのため、4%で体温上昇が起こるとする記述は、脱水症状の進行段階として早すぎます。

(3) 6%の欠乏で、呼吸数が増加する。

適切です。水分欠乏が6%程度まで進行すると、体温上昇や呼吸数の増加などが起こります。脱水により循環血液量が減少し、体温調節も乱れるため、身体は呼吸や循環を変化させて状態を保とうとします。呼吸数の増加は、脱水が軽度を超えて全身に影響し始めているサインです。

(4) 10~12%の欠乏で、筋けいれんが起こる。

適切です。体重の10~12%程度の水分が失われると、かなり重い脱水状態となり、筋けいれんなどが起こることがあります。水分だけでなくナトリウムなどの電解質バランスも乱れるため、筋肉の収縮が正常に行われにくくなります。この段階では、生命に関わる危険な状態に近づいていると考える必要があります。

(5) 18%の欠乏で、尿生成が停止する。

適切です。18%程度の水分欠乏は、極めて重篤な脱水状態です。体内の水分が大きく失われると、腎臓へ送られる血液量が低下し、尿を作る機能が著しく低下します。その結果、尿生成が停止することがあります。ここまで進行すると、循環不全や腎機能障害を伴う危険な状態です。

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この問題で覚えるポイント

脱水症状は、水分欠乏率が高くなるほど重症化します。1%ではのどの渇き、2%では強い渇きや食欲低下、4%では疲労感や不快感、6%では体温上昇や呼吸数増加、10~12%では筋けいれんや循環障害、18%程度では尿生成停止という流れで整理すると覚えやすいです。試験では、数値と症状の組合せが問われやすいため、「軽度はのどの渇き」「中等度は体温上昇や呼吸変化」「重度は筋けいれんや尿生成停止」という段階で押さえることが重要です。特に4%と6%の違いは正誤判断に直結します。体温上昇は4%ではなく、より進行した6%程度の脱水で起こると覚えておくと対応しやすくなります。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、脱水症状そのものはどれも実際に起こり得る症状である点です。つまり、症状名だけを見て正しいと判断すると誤答しやすくなります。重要なのは、「その症状がどの水分欠乏率で起こるか」という数値との対応です。特に体温上昇は、脱水によって汗が出にくくなり熱がこもるため、日常感覚では早い段階から起こりそうに感じます。しかし、試験上は4%ではなく6%程度の症状として整理されます。このように、症状の有無ではなく、発生する段階のズレを見抜くことがポイントです。

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