【ビル管過去問】令和7年度 問題37|電磁波の人体影響を解説

問題

電場、磁場、電磁波に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

(1) 電磁波の周波数が高くなると波長が短くなり、周波数が低くなると波長が長くなる。

(2) 電離放射線のうち、α線やβ線は電磁波に含まれない。

(3) 電磁波の波長のうち、長いものは1kmを超える。

(4) 家庭用電化製品や送電線から発生する磁場を、静磁場と呼ぶ。

(5) 電磁波の発がん性評価の代表的なものとして、国際がん研究機関の発がん分類がある。

ビル管過去問|電磁波の人体影響を解説

この問題は、電場、磁場、電磁波の基本的な性質と、人体影響に関する基礎知識を問う問題です。正しい選択肢ではなく、最も不適当なものを選ぶ必要があります。ポイントは、電磁波の基本法則、電離放射線の分類、磁場の種類の違いを正確に理解しているかどうかです。特に正しい選択肢および理由を整理すると、(1)は周波数と波長の関係として正しく、(2)はα線やβ線が粒子線であり電磁波ではないため正しく、(3)も長波では1kmを超えるものがあるため正しく、(5)もIARCの発がん分類に関する説明として適切です。したがって、最も不適当なのは、交流によって生じる磁場を静磁場としている(4)です。

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(1) 電磁波の周波数が高くなると波長が短くなり、周波数が低くなると波長が長くなる。

適切です。電磁波は、周波数と波長が反比例の関係にあります。つまり、1秒間に波が振動する回数である周波数が大きいほど、1つの波の長さである波長は短くなります。反対に、周波数が小さいほど波長は長くなります。これは電磁波の基本的な性質であり、ラジオ波、赤外線、可視光線、X線などを理解するうえでも土台になる知識です。

(2) 電離放射線のうち、α線やβ線は電磁波に含まれない。

適切です。α線やβ線は、どちらも粒子として放出される放射線であり、電磁波ではありません。α線はヘリウム原子核、β線は電子または陽電子として放出されます。一方で、X線やγ線は電磁波に分類されます。このように、電離放射線には粒子線と電磁波の両方が含まれるため、α線やβ線は電磁波ではないという記述は正しいです。

(3) 電磁波の波長のうち、長いものは1kmを超える。

適切です。電磁波には非常に広い波長の範囲があり、長波や超長波のように波長が1kmを超えるものも存在します。電磁波というと可視光やX線のような短い波長をイメージしがちですが、実際にはラジオ波のように非常に長い波長をもつものも含まれています。そのため、この記述は電磁波全体の性質として正しいです。

(4) 家庭用電化製品や送電線から発生する磁場を、静磁場と呼ぶ。

不適切です。家庭用電化製品や送電線から発生する磁場の多くは、電流が時間とともに変化することによって生じる交流磁場です。日本の商用電源は50Hzまたは60Hzの交流であるため、そこで生じる磁場も時間的に変化しています。これに対して静磁場とは、時間的に変化しない一定の磁場のことをいいます。代表例は永久磁石やMRI装置の主磁場などです。したがって、家庭用電化製品や送電線から発生する磁場を静磁場と呼ぶのは誤りです。

(5) 電磁波の発がん性評価の代表的なものとして、国際がん研究機関の発がん分類がある。

適切です。電磁波や化学物質などの発がん性については、国際がん研究機関(IARC)の分類がよく用いられます。IARCは、対象物質や要因について、人に対する発がん性の証拠の強さをもとに区分しています。電磁波に関する健康影響を考える際にも、この分類は代表的な評価枠組みの一つとして扱われています。そのため、この記述は適切です。

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この問題で覚えるポイント

電磁波は、周波数が高くなるほど波長が短くなります。 電離放射線には、電磁波であるX線やγ線と、粒子線であるα線やβ線があります。 電磁波には、1kmを超えるような非常に長い波長のものも含まれます。 静磁場は時間的に変化しない磁場であり、交流電源に由来する磁場とは区別して理解することが重要です。 電磁波の発がん性評価では、IARCの発がん分類が代表的な基準の一つです。

ひっかけポイント

磁場という言葉が出てくると、すべて同じ種類の磁場と考えてしまいやすい点がひっかけです。 送電線や家電製品は身近な存在なので、そこから出る磁場も静かな一定の磁場だと誤認しやすいですが、実際は交流によって変化する磁場です。 電離放射線という言葉だけで、すべて電磁波だと思い込まないことが大切です。 可視光やX線の印象に引っ張られて、電磁波の波長はそこまで長くないと思ってしまう点にも注意が必要です。

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