出典:建築物衛生管理技術者試験令和7年度(2025年)|建築物の環境衛生第36問
問題
情報機器作業と健康に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
(1) 情報機器作業とは、パソコン等情報機器を使用して行う作業をいう。
(2) パソコンを使用する際の姿勢は、頭の位置と手の位置が極端に制限され、これを「拘束性」という。
(3) 情報機器作業者が訴える自覚症状で、最も多いのは首や肩のこりである。
(4) 情報機器作業において、最も重要な健康障害因子は作業時間である。
(5) ディスプレイを用いる場合の書類上及びキーボード上における照度は、300lx以上とする。
ビル管過去問|VDT作業と健康障害を解説
この問題は、パソコンなどの情報機器を使う作業に伴う健康障害について、作業姿勢、作業時間、照明環境、自覚症状の特徴を問う問題です。不適切な選択肢は(3)です。情報機器作業では、目の疲れ、首や肩のこり、腰痛、精神的疲労などが問題になりますが、自覚症状として最も多いものを正確に押さえることが重要です。

(1) 情報機器作業とは、パソコン等情報機器を使用して行う作業をいう。
適切です。情報機器作業とは、パソコン、タブレット端末、ディスプレイ、キーボード、マウスなどの情報機器を使用して行う作業を指します。以前はVDT作業と呼ばれることが多く、ディスプレイを見ながら入力や確認を行う作業が代表例です。現在は、パソコン以外にも多様な情報機器が使われるため、情報機器作業という表現が用いられます。
(2) パソコンを使用する際の姿勢は、頭の位置と手の位置が極端に制限され、これを「拘束性」という。
適切です。情報機器作業では、画面を見るために頭部や視線の位置が一定になりやすく、キーボードやマウスを操作するために手や腕の位置も固定されやすくなります。このように身体の一部が長時間同じ姿勢に制限される性質を拘束性といいます。拘束性が高い作業では、筋肉の緊張が続き、首、肩、腕、腰などに負担がかかりやすくなります。
(3) 情報機器作業者が訴える自覚症状で、最も多いのは首や肩のこりである。
不適切です。情報機器作業で多くみられる自覚症状には、目の疲れ、首や肩のこり、腰痛、手や腕の疲れなどがありますが、最も代表的に多い症状として押さえるべきなのは眼精疲労などの視覚系の症状です。ディスプレイを長時間見続けることで、まばたきの減少、ピント調節の負担、画面の明るさや反射の影響などが重なり、目の疲れや乾燥感が起こりやすくなります。首や肩のこりも重要な症状ですが、「最も多い」とする点が不適切です。
(4) 情報機器作業において、最も重要な健康障害因子は作業時間である。
適切です。情報機器作業による健康障害は、作業姿勢、照明、机や椅子の高さ、休憩の取り方などにも影響されますが、特に重要なのは作業時間です。長時間連続してディスプレイを見たり、同じ姿勢で入力作業を続けたりすると、目や筋肉への負担が蓄積します。そのため、作業時間の管理、適切な休憩、作業姿勢の調整が健康障害予防の基本になります。
(5) ディスプレイを用いる場合の書類上及びキーボード上における照度は、300lx以上とする。
適切です。情報機器作業では、書類やキーボードが見えにくいと、目に余計な負担がかかります。そのため、書類上やキーボード上の照度は300lx以上とすることが基準とされています。ただし、単に明るければよいわけではなく、画面への映り込みやまぶしさを避けることも重要です。照度不足とグレアの両方に注意する必要があります。
この問題で覚えるポイント
情報機器作業とは、パソコンなどの情報機器を使用して行う作業を指します。旧来のVDT作業とほぼ同じ内容として理解してよいですが、現在はパソコン以外の情報機器も含めて考える点がポイントです。情報機器作業では、目の疲れなどの視覚系症状、首や肩のこり、腰痛、手や腕の疲労、精神的疲労が起こりやすくなります。特に試験では、最も代表的な自覚症状として眼精疲労などの視覚系症状が問われやすいです。また、健康障害に大きく関係する因子として作業時間を押さえることが重要です。長時間作業は、目の負担だけでなく、同じ姿勢を続けることによる筋骨格系の負担にもつながります。さらに、書類上及びキーボード上の照度は300lx以上とされており、数値問題として出題されやすい基準です。作業環境では、照度、まぶしさ、画面への映り込み、机や椅子の高さ、休憩の取り方を総合的に管理することが大切です。
ひっかけポイント
この問題のひっかけは、首や肩のこりが実際によく起こる症状であるため、「最も多い」と書かれていても正しいように見えてしまう点です。情報機器作業では、首や肩のこりは確かに重要な健康問題ですが、最も代表的に多い自覚症状としては目の疲れなどの視覚系症状を優先して覚える必要があります。一部だけ正しい文章は試験で特に注意が必要です。また、拘束性という言葉も、身体全体が固定されるという意味ではなく、頭、目、手、腕などの位置が作業によって制限されることを指します。日常感覚では「肩こりが一番つらい」と感じやすいため、実感だけで判断すると誤答につながります。試験では、よくある症状と最も多い症状を区別して読むことが重要です。
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