問題
情報機器作業と健康に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
(1) 情報機器作業とは、パソコン等情報機器を使用して行う作業をいう。
(2) パソコンを使用する際の姿勢は、頭の位置と手の位置が極端に制限され、これを「拘束性」という。
(3) 情報機器作業者が訴える自覚症状で、最も多いのは首や肩のこりである。
(4) 情報機器作業において、最も重要な健康障害因子は作業時間である。
(5) ディスプレイを用いる場合の書類上及びキーボード上における照度は、300lx以上とする。
ビル管過去問|VDT作業と健康障害を解説
この問題は、情報機器作業(VDT作業)に伴う健康障害や作業環境に関する基本事項を問う問題です。情報機器作業では、長時間の同一姿勢、視線移動の少なさ、反復作業、作業時間の長さなどが心身に負担を与えます。各選択肢はおおむね基本事項に沿っていますが、(3)は内容が不適切です。情報機器作業者の自覚症状として多いのは、一般に眼の疲れや視覚に関する症状であり、「最も多いのは首や肩のこりである」と断定するのは適切ではありません。したがって、正しい答えは(3)です。
(1) 情報機器作業とは、パソコン等情報機器を使用して行う作業をいう。
適切です。その理由は、情報機器作業とは、パーソナルコンピュータ、ディスプレイ、キーボード、マウスなどの情報機器を用いて行う作業全般を指すためです。以前はVDT作業という言い方が一般的でしたが、現在はより広く「情報機器作業」という表現が用いられます。事務作業、入力作業、設計、監視、データ処理など、情報機器を介して行う作業はこれに含まれます。
(2) パソコンを使用する際の姿勢は、頭の位置と手の位置が極端に制限され、これを「拘束性」という。
適切です。その理由は、情報機器作業では、画面を見るために頭の向きや視線がある程度固定され、さらにキーボードやマウス操作のために手の位置も限られやすいからです。このように身体の一部の位置や動きが制限される性質を、作業姿勢の拘束性といいます。拘束性が強いほど、首、肩、腕、腰などに負担が蓄積しやすくなります。
(3) 情報機器作業者が訴える自覚症状で、最も多いのは首や肩のこりである。
不適切です。その理由は、情報機器作業者に多くみられる自覚症状として代表的なのは、まず眼の疲れ、見えにくさ、かすみ、まぶしさなどの視覚症状だからです。もちろん首や肩のこりも非常に多い症状ですが、「最も多いのは首や肩のこりである」と言い切るのは不適切です。この分野では、情報機器作業による健康影響として、眼の負担が特に重要なポイントとして扱われます。
(4) 情報機器作業において、最も重要な健康障害因子は作業時間である。
適切です。その理由は、情報機器作業による健康障害は、作業内容そのものだけでなく、どれだけ長時間続けて行うかに大きく左右されるためです。たとえ姿勢や照明が適切でも、連続して長時間作業を続ければ、眼精疲労、肩こり、腰痛、精神的疲労などが起こりやすくなります。そのため、作業時間の管理、適切な休止、連続作業時間の短縮が健康管理上きわめて重要です。
(5) ディスプレイを用いる場合の書類上及びキーボード上における照度は、300lx以上とする。
適切です。その理由は、情報機器作業では、画面だけでなく、手元の書類やキーボードも無理なく見えることが必要だからです。照度が不足すると、書類を見るたびに目が負担を受け、眼精疲労や作業効率の低下につながります。そのため、書類面やキーボード面の照度は一定以上確保することが求められ、300lx以上という基準はその基本事項として押さえておくべき内容です。
この問題で覚えるポイント
情報機器作業では、眼の疲れや見えにくさなどの視覚症状が重要な自覚症状として扱われます。
長時間作業は健康障害の大きな原因であり、作業時間の管理が非常に重要です。
情報機器作業には、姿勢の拘束性があり、首、肩、腕、腰などに負担がかかりやすいです。
書類面やキーボード面の照度は、画面環境とあわせて整える必要があります。
「VDT作業」は現在「情報機器作業」と表現されることが多いですが、意味としては同じ流れで理解してよいです。
ひっかけポイント
首や肩のこりは確かに多い症状ですが、「最も多い」と断定されると誤りになりやすいです。
健康障害因子として、姿勢や照明ばかりに目が向きやすいですが、試験では作業時間の重要性がよく問われます。
照度はディスプレイそのものだけではなく、書類面やキーボード面も対象になる点を見落としやすいです。
「拘束性」という用語はやや抽象的ですが、頭や手の位置が固定されやすい性質を指すと理解すると判断しやすいです。
