【ビル管過去問】令和6年度 問題163|建築物内廃棄物の中間処理の目的と方法を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和6年度(2024年)|清掃第163問

問題

建築物内廃棄物の中間処理に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

(1) 中間処理の目的には、廃棄物の減量化がある。

(2) 建築物に導入されている中間処理設備は、比較的小規模なものが多い。

(3) 溶融固化装置は、厨(ちゅう)芥の中間処理のために用いられる。

(4) 段ボールの中間処理方法として、梱(こん)包がある。

(5) プラスチック類の中間処理方法として、圧縮がある。

ビル管過去問|建築物内廃棄物の中間処理の目的と方法を解説

この問題は、建築物内廃棄物に対して行う中間処理の目的と、廃棄物の種類ごとに適した処理方法を理解しているかを問う問題です。中間処理は、廃棄物をそのまま搬出するのではなく、減量化、保管や運搬の効率化、再資源化のしやすさの向上などを目的として行われます。正解は、厨芥に対する処理方法の理解を誤らせる内容である(3)です。建築物内の中間処理では、廃棄物の性状に応じて、圧縮、梱包、破砕などを使い分けることが重要です。

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(1) 中間処理の目的には、廃棄物の減量化がある。

適切です。中間処理の代表的な目的の一つは、廃棄物の減量化です。廃棄物は、排出されたままの状態ではかさばるものが多く、そのままでは保管場所を圧迫し、運搬効率も悪くなります。そのため、圧縮、破砕、脱水などを行って体積や重量を減らし、取り扱いやすい状態にします。特に建築物内では保管スペースに限りがあるため、減量化は実務上きわめて重要です。また、減量化によって運搬回数を減らせるため、コスト削減や作業負担の軽減にもつながります。

(2) 建築物に導入されている中間処理設備は、比較的小規模なものが多い。

適切です。建築物内に設置される中間処理設備は、処理施設そのものではなく、建物内で発生する廃棄物を一時的に扱いやすくするための設備であることが多いため、一般に小規模です。たとえば、段ボール圧縮梱包機、厨芥処理機、簡易な減容機などがこれにあたります。大規模な焼却設備や本格的な再資源化設備は、建築物内ではなく、外部の中間処理施設やリサイクル施設に設けられるのが通常です。建築物衛生管理技術者としては、建築物内で行う処理の限界を理解し、外部委託との役割分担を整理しておくことが大切です。

(3) 溶融固化装置は、厨(ちゅう)芥の中間処理のために用いられる。

不適切です。溶融固化装置は、一般に高温で廃棄物を溶融し、スラグ状などに固化するための装置であり、建築物内で日常的に発生する厨芥の処理に用いられるものではありません。厨芥は水分を多く含む生ごみであり、処理方法としては、脱水、乾燥、発酵、粉砕などが中心になります。厨芥は腐敗しやすく悪臭や衛生害虫の発生源にもなるため、できるだけ早く水分を減らしたり、密閉して保管しやすくしたりする処理が実務では重要です。溶融固化は性質上、金属や焼却灰など特定の廃棄物に関係するイメージが強く、厨芥とは結び付きません。ここを正確に区別できることが正答のポイントです。

(4) 段ボールの中間処理方法として、梱(こん)包がある。

適切です。段ボールは再資源化しやすい代表的な廃棄物であり、建築物内では保管や搬出をしやすくするために、結束や梱包が行われます。段ボールは軽い一方で体積が大きくなりやすいため、そのままでは保管スペースを多く必要とします。そこで、折りたたみ、ひも掛け、圧縮梱包などにより、まとまりのある形にして搬出効率を高めます。古紙類は分別と整形が資源化の前提になるため、梱包は中間処理として実務上きわめて重要です。

(5) プラスチック類の中間処理方法として、圧縮がある。

適切です。プラスチック類は種類によって性状が異なりますが、かさばりやすいものが多いため、中間処理として圧縮がよく用いられます。圧縮することで体積を減らし、保管や運搬を効率化できます。特に容器包装系のプラスチックや発泡系の素材は、重量の割に容積が大きいため、圧縮の効果が大きいです。ただし、再資源化を前提とする場合は、異物混入や材質の混合を避けるため、事前の適切な分別が必要です。つまり、圧縮は便利な方法ですが、分別が不十分なまま行うと、かえってリサイクルしにくくなることもあります。

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この問題で覚えるポイント

建築物内廃棄物の中間処理とは、最終処分や再資源化の前段階で、廃棄物を扱いやすい形にする処理です。主な目的は、減量化、保管効率の向上、運搬効率の向上、衛生性の確保、再資源化の促進です。建築物内で用いられる設備は、スペースや安全面の制約から比較的小規模なものが中心です。 廃棄物ごとの典型的な処理方法を整理して覚えることが重要です。段ボールや古紙は、結束、梱包、圧縮梱包が基本です。プラスチック類は、圧縮や減容が中心です。厨芥は、水分が多く腐敗しやすいため、脱水、乾燥、粉砕、発酵などが中心であり、衛生管理上は悪臭防止や害虫防止も重要になります。 試験対策としては、処理方法を単独で覚えるのではなく、なぜその方法が適しているのかまでセットで理解することが大切です。たとえば、段ボールは「資源化しやすいが、かさばるから梱包する」、プラスチック類は「軽いが容積が大きいから圧縮する」、厨芥は「水分が多く腐敗しやすいから脱水や乾燥を行う」というように、性状と処理方法を対応させて覚えると正誤判断に直結します。 また、建築物内処理と外部の中間処理施設で行う処理の違いも重要です。建築物内では簡易で小規模な減容や衛生対策が中心であり、焼却、溶融、化学処理のような大規模高負荷の処理は通常外部施設で行われます。この切り分けを理解しておくと、応用問題にも対応しやすくなります。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、処理方法の名称だけを見るともっともらしく感じてしまう点にあります。特に「溶融固化」という言葉は、何となく廃棄物処理らしく見えるため、詳しく知らないと正しいように思いやすいです。しかし、試験では「その廃棄物の性状に対して、その処理方法が本当に適しているか」が問われます。名称の難しさや専門用語の強さに引っ張られないことが大切です。 また、段ボールの梱包やプラスチックの圧縮のように、日常感覚でも理解しやすいものと、厨芥処理のように衛生管理の知識が必要なものが混在している点も罠です。受験者は、知っている選択肢だけを基準に判断すると、知らない選択肢を深く検討せずに流してしまいがちです。ですが、実際には「水分が多いものに高温溶融は向かない」という性質の理解ができれば、誤りを見抜けます。 今後も同じパターンとして、廃棄物の種類と中間処理方法の対応関係を崩して出題する問題には注意してください。用語を丸暗記するのではなく、廃棄物の性状、目的、設備規模、衛生面まで含めて体系的に押さえることが、安定して得点するための近道です。

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