【ビル管過去問】令和6年度 問題164|産業廃棄物管理票(マニフェスト制度)の仕組みと管理方法を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和6年度(2024年)|清掃第164問

問題

産業廃棄物管理票(紙マニフェスト)に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

(1) マニフェストA票は、排出事業者保存用である。

(2) マニフェストB1票は、収集運搬業者保存用である。

(3) 中間処理が終了すると排出事業者に処分業者からD票が返却される。

(4) 排出事業者は処理の依頼から180日経過してもE票が返却されない場合、業者に対して処分状況を問い合わせる。

(5) 排出事業者は、引渡時のA票と返却された伝票を照合し、A票、B2票、D票、E票を3年間保存する。

ビル管過去問|産業廃棄物管理票(マニフェスト制度)の仕組みと管理方法を解説

この問題は、紙マニフェストの票の流れ、各票の役割、返送期限後に排出事業者が取るべき対応、そして保存期間を正しく理解しているかを問う問題です。結論からいうと、最も不適当なのは(5)です。A票、B2票、D票、E票を保存する点まではよいのですが、保存期間を3年間としているのが誤りです。紙マニフェストは5年間の保存が必要です。環境省の通知でも、排出事業者はA票と返却されたB2票、D票、E票を照合して適正処理を確認し、これらを5年間保管すると整理されています。さらに、E票が180日以内に返送されない場合は、単なる問い合わせだけで終わりではなく、速やかな処理状況の把握と必要措置、報告書提出まで求められます。

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(1) マニフェストA票は、排出事業者保存用である。

適切です。紙マニフェストでは、A票は排出事業者が引渡し時点の控えとして保管する票です。排出事業者は、このA票を基準にして、後日返送されるB2票、D票、E票と照合し、委託した産業廃棄物が収集運搬、中間処理、最終処分まで適正に実施されたかを確認します。つまりA票は、単なる控えではなく、委託後の確認作業の起点になる重要な票です。

(2) マニフェストB1票は、収集運搬業者保存用である。

適切です。紙マニフェストでは、収集運搬業者が自らの控えとして保存する票がB1票です。マニフェスト制度では、誰がどの段階の責任を負い、どの票を保存するかが明確に分かれています。票の名称が似ているため混同しやすいですが、収集運搬が終了して排出事業者に返されるのはB2票であり、B1票は収集運搬業者側の保存用として扱います。

(3) 中間処理が終了すると排出事業者に処分業者からD票が返却される。

適切です。D票は処分終了票であり、中間処理業者などの処分業者が処分を終えた事実を示して排出事業者へ返送する票です。環境省の通知では、処分業者はD票を10日以内に排出事業者へ返送するとされています。ここでいうD票は「中間処理が終了したこと」の確認に使う票であり、最終処分まで終わったことを示すのはE票です。この区別ができると、票の流れを整理しやすくなります。

(4) 排出事業者は処理の依頼から180日経過してもE票が返却されない場合、業者に対して処分状況を問い合わせる。

おおむね適切です。E票は最終処分終了を確認するための票であり、180日以内に返送されない場合、排出事業者は処理状況を速やかに把握しなければなりません。実務上、まず業者に問い合わせて状況確認を行うのは自然な流れです。ただし、法的には単なる問い合わせだけでは足りず、生活環境保全上必要な措置を講じたうえで、措置内容等報告書を都道府県知事等へ提出することまで求められます。試験では、この「問い合わせる」という表現だけを見ると軽く見えますが、趣旨としては「放置せず確認行動を取る」点で正しい方向です。

(5) 排出事業者は、引渡時のA票と返却された伝票を照合し、A票、B2票、D票、E票を3年間保存する。

不適切です。誤りは保存期間です。排出事業者は、A票、B2票、D票、E票を照合して適正処理を確認したうえで保存しますが、その保存期間は3年間ではなく5年間です。ここは試験で非常によく狙われる数字です。3年という数字は他の法令や帳票管理の感覚と混同しやすいため、つい選んでしまう受験者が多いですが、紙マニフェストについては5年間保存と覚えてください。票の種類だけでなく、保存年数までセットで押さえることが大切です。

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この問題で覚えるポイント

紙マニフェストでは、排出事業者がA票を手元に残し、収集運搬終了後にB2票、処分終了後にD票、最終処分終了後にE票の返送を受けて照合確認します。収集運搬業者の保存用はB1票です。処分終了を示すD票と、最終処分終了まで完了したことを示すE票は役割が異なるため、ここを混同しないことが重要です。 返送期限では、B2票またはD票は交付日から90日以内、特別管理産業廃棄物では60日以内、E票は180日以内が基準です。返送がない場合、排出事業者は速やかに処理状況を把握し、必要な措置を講じ、措置内容等報告書を都道府県知事等へ提出します。つまり、「返ってこないときは確認する」で終わらず、「確認し、必要措置を取り、報告する」までが制度上の要求です。 保存期間は排出事業者のA票、B2票、D票、E票が5年間です。数字問題として出やすいので、90日、180日、5年をひとまとまりで覚えると得点しやすくなります。また、D票は中間処理終了、E票は最終処分終了と、処理段階の違いまで整理しておくと、マニフェスト制度全体の理解が安定します。

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ひっかけポイント

この問題の典型的なひっかけは、票の名称が似ていて流れを混同しやすい点です。特にB1票とB2票、D票とE票は混ざりやすく、何を示す票なのかではなく、語感だけで判断すると誤ります。試験作成者は「収集運搬が終わった票か」「処分が終わった票か」「最終処分まで終わった票か」を曖昧に覚えている受験者を狙っています。 もう一つの罠は、保存年数や返送期限の数字を他制度の知識と混同させることです。3年保存という数字は日常的にはもっともらしく見えますが、紙マニフェストは5年間保存です。また、180日以内にE票が返ってこないときも、「問い合わせればよい」程度に軽く考えると危険です。実際には、処理状況の把握、必要措置、報告まで含まれます。数字と行為義務をセットで覚えることが、同テーマの問題を安定して解くコツです。

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