【ビル管過去問】令和6年度 問題162|建築物内廃棄物の分別方法(事前分別事後分別)を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和6年度(2024年)|清掃第162問

問題

建築物内廃棄物に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

(1) 事後分別とは、ごみ発生時点以降に分別を行うことである。

(2) 事前分別の基本は、収集運搬用具を廃棄物の種類ごとに用意することである。

(3) 建築物内の収集時に廃棄物かどうか不明な書類などは、確認するまで処理しない。

(4) ビルメンテナンス事業者は、建築物内廃棄物の管理責任者を選任する。

(5) 事後分別の留意点は、廃棄物と資源化物を大別し詳細に分別することである。

ビル管過去問|建築物内廃棄物の分別方法(事前分別事後分別)を解説

この問題は、建築物内で発生する廃棄物の分別方法について、事前分別と事後分別の違い、さらに廃棄物管理の責任体制を正しく理解しているかを問う問題です。分別方法そのものは覚えやすい分野ですが、管理責任者を誰が担うのかという点で混同しやすく、そこがこの問題の重要なポイントです。結論として、最も不適当なのは「ビルメンテナンス事業者が管理責任者を選任する」とする記述です。建築物内廃棄物の管理責任は、原則として建物の所有者や管理者、または占有者など排出事業者側にあります。

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(1) 事後分別とは、ごみ発生時点以降に分別を行うことである。

適切です。事後分別とは、廃棄物が発生した時点では細かく分けず、その後の収集時や集積場所、処理工程などで分別する方法です。たとえば、執務室や共用部で一旦まとめて回収し、後から紙類、プラスチック類、可燃ごみなどに仕分ける方法がこれに当たります。事前分別と対比して理解することが大切で、発生したその場で分けるのが事前分別、発生後に分けるのが事後分別です。この定義は基本事項として確実に押さえてください。

(2) 事前分別の基本は、収集運搬用具を廃棄物の種類ごとに用意することである。

適切です。事前分別では、排出者がごみを出す時点で種類ごとに分けやすい環境を整えることが重要です。そのためには、可燃物用、不燃物用、古紙用、びん缶用など、用途を明確にした容器や収集運搬用具をあらかじめ用意する必要があります。分別表示が不十分であったり、同じ容器に複数種類を入れられる状態になっていたりすると、分別精度は大きく下がります。つまり、事前分別の成否は、排出する人の意識だけでなく、分別しやすい設備や用具の整備にかかっているのです。

(3) 建築物内の収集時に廃棄物かどうか不明な書類などは、確認するまで処理しない。

適切です。建築物内では、不要書類に見えても、まだ業務上必要な文書や個人情報を含む重要書類である可能性があります。そのため、廃棄物かどうか判断できないものを清掃作業者や収集担当者の独断で処分してはいけません。確認が取れるまで保留し、必要に応じて建物管理者や使用者に照会することが適切です。これは単なる慎重さの問題ではなく、情報漏えいや誤廃棄による重大なトラブルを防ぐための実務上きわめて重要な対応です。

(4) ビルメンテナンス事業者は、建築物内廃棄物の管理責任者を選任する。

不適切です。建築物内廃棄物の管理責任は、原則としてその廃棄物を排出する側、すなわち建築物の所有者、管理者、占有者、または事業活動を行う事業者側にあります。ビルメンテナンス事業者は、委託を受けて清掃や収集補助を行う立場であり、排出事業者そのものではありません。したがって、廃棄物管理の最終的な責任主体として管理責任者を選任する立場ではないのです。ここは実務でも非常に大切で、清掃会社が現場作業を担っていても、廃棄物処理の責任まで自動的に移るわけではありません。責任主体と作業受託者を区別して覚えることが重要です。

(5) 事後分別の留意点は、廃棄物と資源化物を大別し詳細に分別することである。

適切です。事後分別では、まず大きく「廃棄物」と「資源化物」に分け、その後さらに詳細な分類を進めることが基本です。たとえば、資源化物の中でも古紙、金属、びん、缶、ペットボトルなどに細分化することで、再資源化の効率が高まります。一方で、廃棄物と資源化物が混在すると、資源として再利用できるものまで廃棄物扱いとなり、処理コストの増加や資源ロスにつながります。事後分別は、ただ後から分ければよいのではなく、再資源化を意識した段階的な分別が求められる点を理解しておきましょう。

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この問題で覚えるポイント

建築物内廃棄物の分別では、まず事前分別と事後分別の定義を明確に区別することが重要です。事前分別は、廃棄物の発生時点で分ける方法であり、分別容器の設置や表示の明確化が基本になります。事後分別は、発生後にまとめて回収したものを、後の工程で分ける方法です。 実務上は、事前分別のほうが分別精度を高めやすく、資源化にも有利です。一方、事後分別は分別作業を集中的に行える利点がありますが、異物混入や資源物の汚損が起こりやすくなります。そのため、どちらの方法でも、資源化物と廃棄物を区別する視点が欠かせません。 また、試験では責任主体も頻出です。建築物内廃棄物の管理責任は、原則として排出事業者側にあります。清掃や回収を委託していても、責任そのものがビルメンテナンス事業者へ移るわけではありません。この「排出者責任」と「委託された作業者」の違いは、廃棄物管理分野で繰り返し問われる重要テーマです。 さらに、書類や物品が本当に廃棄対象か不明な場合には、確認するまで処理しないことも重要です。これは情報管理や所有権の問題とも関わるため、単なる現場判断で処分しない姿勢を覚えておくと、関連問題にも対応しやすくなります。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、現場で実際にごみを扱っているのがビルメンテナンス事業者であるため、「管理責任者もその会社が選ぶのではないか」と思わせる点にあります。受験者は、実際に作業している人と、法的管理的な責任を負う人を混同しやすいのです。 また、事前分別と事後分別は言葉が似ているため、発生時点で分けるのか、発生後に分けるのかが曖昧なまま覚えてしまうと誤答しやすくなります。試験では、このような基本用語の定義をそのまま問う形がよく出ます。 さらに、「一見もっともらしいが、責任主体だけがずれている文章」も典型的な出題パターンです。文章全体は自然に読めても、主語が誰なのかを厳密に確認しないと見抜けません。廃棄物管理の問題では、所有者、占有者、管理者、排出事業者、委託業者の役割の違いに常に注意することが、安定して得点するコツです。

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