出典:建築物衛生管理技術者試験令和6年度(2024年)|清掃第158問
問題
廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「廃棄物処理法」という。)における一般廃棄物の定義として、正しいものは次のうちどれか。
(1) 家庭からのみ排出される廃棄物
(2) 放射性廃棄物以外の廃棄物
(3) 固形状又は液状の廃棄物
(4) 産業廃棄物以外の廃棄物
(5) 事業活動に伴って発生する廃棄物
ビル管過去問|廃棄物処理法 一般廃棄物の定義を解説
この問題は、廃棄物処理法における「一般廃棄物」と「産業廃棄物」の区別を正しく理解しているかを問う問題です。結論として、正しい選択肢は「産業廃棄物以外の廃棄物」です。廃棄物処理法では、まず「廃棄物」の大きな枠組みがあり、その中で「産業廃棄物」と「一般廃棄物」に分けて整理します。そのため、一般廃棄物は家庭ごみに限られるわけではなく、事業活動から出るものでも産業廃棄物に当たらなければ一般廃棄物になります。この整理を押さえることが正答への近道です。なお、環境省の通知では、廃棄物処理法は固形状液状の廃棄物を対象とし、放射性のものを除くとされていますが、これは「廃棄物」全体の説明であって、「一般廃棄物」だけの定義ではありません。
(1) 家庭からのみ排出される廃棄物
不適切です。一般廃棄物には、家庭から出るいわゆる家庭ごみが含まれますが、それだけではありません。事業所から出る廃棄物のうち、法律上の産業廃棄物に当たらないものも一般廃棄物に含まれます。つまり、「家庭からのみ」と限定してしまうと範囲を狭くしすぎています。日常感覚では一般廃棄物イコール家庭ごみと考えやすいですが、試験ではこの思い込みを外して、産業廃棄物に該当するかどうかで判断することが重要です。
(2) 放射性廃棄物以外の廃棄物
不適切です。これは一般廃棄物の定義ではなく、廃棄物処理法が対象とする「廃棄物」全体の説明に近い表現です。環境省の通知では、廃棄物処理法は固形状および液状の廃棄物についての一般法であり、放射能を有する物を除くとされています。しかし、その中には産業廃棄物も含まれます。したがって、「放射性廃棄物以外の廃棄物」としてしまうと一般廃棄物だけを示したことにはなりません。
(3) 固形状又は液状の廃棄物
不適切です。これも一般廃棄物の定義ではなく、法律上の「廃棄物」全体の対象範囲を示す説明です。固形状か液状かという区分は、一般廃棄物と産業廃棄物を分ける基準ではありません。試験では、対象物の状態に目が向きやすいですが、実際に問われているのは処理区分です。つまり、「何の状態か」ではなく、「産業廃棄物に当たるか、当たらないか」で見分ける必要があります。
(4) 産業廃棄物以外の廃棄物
適切です。廃棄物処理法において、一般廃棄物は「産業廃棄物以外の廃棄物」と整理されます。ここが最重要ポイントです。法律上、まず廃棄物という大きな概念があり、そのうち事業活動に伴って生じた廃棄物の中で、政令等で定めるものが産業廃棄物です。そして、それ以外が一般廃棄物になります。したがって、家庭ごみだけでなく、事業所から出ても産業廃棄物に該当しないものは一般廃棄物として扱われます。試験ではこの「産業廃棄物以外」という引き算の定義をそのまま覚えておくと、類題にも強くなります。
(5) 事業活動に伴って発生する廃棄物
不適切です。事業活動に伴って発生する廃棄物の中には、産業廃棄物もあれば、事業系一般廃棄物もあります。したがって、この表現だけでは一般廃棄物の定義にはなりません。しかも、事業活動に伴うという条件だけでは、むしろ産業廃棄物を連想しやすく、定義としては不十分です。試験では「事業活動に伴って発生する」という文言が出ると、産業廃棄物の説明として読んでしまいがちですが、実際にはその後に種類や法的区分まで確認しないと正誤判断はできません。
この問題で覚えるポイント
廃棄物処理法では、まず「廃棄物」という大きな概念があり、その中に一般廃棄物と産業廃棄物があります。環境省通知では、廃棄物処理法の対象は固形状液状の廃棄物で、放射能を有する物は除かれると整理されています。ここは「廃棄物」全体の説明です。 一般廃棄物は、法律上は「産業廃棄物以外の廃棄物」と覚えるのが最短です。家庭から出るごみは代表例ですが、それだけではありません。事業所から出るごみでも、産業廃棄物に当たらなければ一般廃棄物になります。つまり、「家庭系か事業系か」で一次判断するのではなく、「産業廃棄物に該当するかどうか」で判断するのが原則です。 試験でよく出る比較は、「一般廃棄物=家庭ごみ」ではないことと、「事業活動に伴う廃棄物=すべて産業廃棄物」でもないことです。この二つは非常に混同しやすいです。家庭系一般廃棄物、事業系一般廃棄物、産業廃棄物という整理を頭の中で分けておくと、定義問題に対応しやすくなります。
ひっかけポイント
この問題のひっかけは、「一般廃棄物」という言葉から日常的な家庭ごみのイメージを強く連想させる点にあります。そのため、「家庭からのみ排出される廃棄物」を選びたくなりますが、法律上はそこまで狭い定義ではありません。日常感覚で読むと外しやすい典型です。 また、「放射性廃棄物以外の廃棄物」や「固形状又は液状の廃棄物」は、一見すると法律っぽい表現なので正しそうに見えます。しかし、これらは一般廃棄物ではなく、廃棄物全体の説明です。このように、上位概念の説明を下位概念の定義にすり替えるのは、法令問題でよくある罠です。 さらに、「事業活動に伴って発生する廃棄物」は、一部だけ正しいため迷いやすい表現です。事業活動に伴って発生する廃棄物の中には産業廃棄物も一般廃棄物もあるので、この文だけでは定義になりません。「一部は正しいが、定義としては足りない」というパターンは今後も繰り返し出ますので、言葉の一部ではなく、定義として過不足がないかまで確認する癖をつけることが大切です。
