出典:建築物衛生管理技術者試験令和6年度(2024年)|清掃第157問
問題
次の廃棄物のうち、安定型最終処分場には埋め立てられない産業廃棄物はどれか。
(1) 廃プラスチック類
(2) がれき類
(3) 木くず
(4) ゴムくず
(5) 金属くず
ビル管過去問|産業廃棄物 安定型最終処分場の対象を解説
この問題は、産業廃棄物の最終処分場の種類と、どの廃棄物がどの処分場に埋立可能かを問う問題です。結論として、安定型最終処分場に埋め立てられないのは木くずです。安定型最終処分場は、腐敗したり、分解して汚水を出したりしにくい、性状が安定した産業廃棄物を対象とする処分場です。そのため、有機物であり腐敗や分解のおそれがある木くずは対象外となります。処分場の名称に引っ張られて「見た目が固そうなもの」を選ぶのではなく、「埋め立て後に性状が変化しにくいか」という観点で判断することが大切です。正しい選択肢は(3)です。
(1) 廃プラスチック類
適切です。廃プラスチック類は、安定型最終処分場の対象となる代表的な産業廃棄物です。安定型最終処分場は、埋立後に腐敗、分解、発酵などを起こしにくく、生活環境への影響が比較的小さいものを受け入れる処分場です。廃プラスチック類は有機物ではありますが、木くずや紙くずのように微生物によって容易に分解される性質ではなく、腐敗しにくいものとして扱われます。そのため、安定型最終処分場に埋め立てることができます。ただし、すべてのプラスチックが無条件に安全という意味ではなく、付着物や混入物の有無には注意が必要です。試験対策としては、廃プラスチック類は安定型の対象に含まれると整理して覚えることが重要です。
(2) がれき類
適切です。がれき類も、安定型最終処分場の対象となる産業廃棄物です。がれき類とは、工作物の新築、改築、除去などに伴って生じたコンクリート片、アスファルト片、レンガ片などを指します。これらは一般に無機質で、腐敗や分解を起こしにくく、埋立後の性状変化が小さいため、安定型最終処分場の対象として扱われます。見た目にも硬く安定しているため覚えやすい分類ですが、試験では木くずなどと並べて出題されると迷いやすいところです。安定型の考え方は「固いかどうか」だけでなく、「水質汚濁や腐敗の原因になりにくいかどうか」で判断すると整理しやすくなります。
(3) 木くず
不適切です。木くずは、安定型最終処分場には埋め立てられない産業廃棄物です。木くずは有機物であり、埋立後に腐敗や分解が進む可能性があります。すると、浸出水の性状が悪化したり、衛生上環境上の問題を生じたりするおそれがあります。安定型最終処分場は、このような変質しやすい廃棄物を受け入れる構造にはなっていません。そのため、木くずは安定型ではなく、管理型最終処分場などで適切に処分する必要があります。この問題の正答はこれです。試験では、木くずは見た目が「自然由来で害が少なそう」と感じて選びやすいのですが、処分場区分では「腐敗分解する有機物」である点が重要です。日常感覚ではなく、処分後の性状変化で判断することがポイントです。
(4) ゴムくず
適切です。ゴムくずは、安定型最終処分場の対象に含まれます。ゴムくずは、木くずのように容易に腐敗分解する性質を持たず、埋立後の変化が比較的小さいためです。そのため、安定型最終処分場で処分可能な産業廃棄物として整理されます。ただし、ここでも重要なのは、純粋なゴムくずとしての性状です。ほかの有害物質や汚泥状のものが付着していれば話は別です。試験ではそこまで細かい実務条件よりも、基本分類としてゴムくずが安定型の対象であることを押さえることが求められます。安定型の代表例として、廃プラスチック類、ゴムくず、金属くず、ガラスくずコンクリートくず及び陶磁器くず、がれき類をまとめて覚えると得点しやすくなります。
(5) 金属くず
適切です。金属くずも、安定型最終処分場の対象です。金属くずは腐敗や分解を起こしにくく、埋立後の性状変化が小さいため、安定型最終処分場で処分できる産業廃棄物に分類されます。受験対策では、金属くずは安定型の典型例として非常に重要です。木くずや紙くずのような可燃性有機性の廃棄物と混同しないようにしましょう。名称だけで覚えるよりも、「金属くずは腐敗しない」「木くずは腐敗する」という対比で理解すると、問題文の形が変わっても対応しやすくなります。
この問題で覚えるポイント
安定型最終処分場は、性状が安定していて、埋立後に腐敗、分解、発酵などを起こしにくい産業廃棄物を対象とする処分場です。代表例としては、廃プラスチック類、ゴムくず、金属くず、がれき類、ガラスくずコンクリートくず及び陶磁器くずがあります。これらは「安定5品目」として整理すると覚えやすいです。 一方で、木くず、紙くず、繊維くず、汚泥、廃油などのように、腐敗や分解のおそれがあるもの、あるいは浸出水対策が必要なものは、安定型最終処分場には埋め立てできません。これらは管理型最終処分場の対象となるのが基本です。 試験では、安定型最終処分場の対象を丸暗記するだけでなく、その理由まで理解することが大切です。判断基準は「固そうかどうか」ではなく、「埋立後に性状が安定しているかどうか」です。有機物で分解しやすいものは安定型に向きません。逆に、無機質または分解しにくいものは安定型に分類されやすいです。この原則を押さえることで、選択肢の並びが変わっても対応できます。 また、最終処分場には大きく分けて安定型、管理型、遮断型があります。安定型は安定した廃棄物、管理型は浸出水対策が必要な一般的な産業廃棄物、遮断型は有害性の高い特別な廃棄物に対応するものです。この区別まで整理しておくと、関連問題にも強くなります。
ひっかけポイント
この問題のひっかけは、「自然素材だから安全そう」という日常感覚を利用している点にあります。木くずは自然物なので、一見すると安定型最終処分場でも問題なさそうに見えます。しかし、試験で問われているのは自然か人工かではなく、埋立後に腐敗分解しにくいかどうかです。木くずは有機物であり、分解しうるため安定型には入れられません。 また、廃プラスチック類やゴムくずは人工物なので、環境負荷が高そうに感じて除外したくなりますが、分類上は「腐敗しにくく性状が安定している」ため、安定型の対象です。ここで「環境に悪そう」という印象で判断すると誤答しやすくなります。 さらに、このテーマでは「安定型」という名称に引っ張られて、見た目が硬いもの、自然由来のもの、危険が少なそうなものを感覚的に選ぶミスが起こりやすいです。しかし、試験では名称のイメージではなく、法令上の分類基準で判断することが求められます。このパターンは今後も繰り返し出ますので、「処分場の種類はイメージでなく、受入対象の基準で覚える」という姿勢を徹底すると安定して得点できるようになります。
