【ビル管過去問】令和6年度 問題8|飲料水の水質検査項目と管理基準(建築物環境衛生管理基準)を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験|令和6年度(2024年)第8問

問題

建築物環境衛生管理基準に基づく飲料水に関する衛生上必要な措置等における次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

(1) 6か月以内ごとに行う定期の水質検査項目のうち、鉛及びその化合物、亜鉛及びその化合物、鉄及びその化合物、銅及びその化合物、蒸発残留物については、水質検査の結果、基準に適合している場合は、次回の水質検査において省略することができる。

(2) 貯水槽の清掃は、1年以内ごとに1回、定期に実施する。

(3) 遊離残留塩素の検査は、給水栓末端で7日以内ごとに1回、定期に実施する。

(4) 総トリハロメタン等の消毒副生成物の検査は、毎年、6月1日から9月30日の期間内に実施する。

(5) 原水として水道水以外の地下水等を使用する場合は、3年以内ごとに1回、水質基準項目のすべての項目(51項目)の検査を実施する。

ビル管過去問|飲料水の水質検査項目と管理基準を解説

この問題は、特定建築物における飲料水管理のうち、水質検査の頻度、残留塩素の検査、貯水槽清掃の実施間隔について問う問題です。正しい知識を整理すると、貯水槽清掃は1年以内ごとに1回、遊離残留塩素の検査は7日以内ごとに1回、総トリハロメタンなど一部の項目は毎年6月1日から9月30日までの間に1回実施します。また、地下水等を原水とする場合でも、3年以内ごとに実施するのは全51項目ではなく、定められた一部項目です。したがって、最も不適当なのは(5)です。

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(1) 6か月以内ごとに行う定期の水質検査項目のうち、鉛及びその化合物、亜鉛及びその化合物、鉄及びその化合物、銅及びその化合物、蒸発残留物については、水質検査の結果、基準に適合している場合は、次回の水質検査において省略することができる。

適切です。6か月以内ごとに行う定期水質検査項目のうち、鉛、亜鉛、鉄、銅、蒸発残留物のように、基準適合が確認された場合に次回検査で省略可能とされる項目があります。ここは単純暗記ではなく、「すべての6か月検査項目が毎回必須ではない」という制度の例外を押さえることが大切です。問題文は細かい項目名を並べて受験者を圧迫していますが、実際には省略可能な項目として整理されているため、記述は正しいです。

(2) 貯水槽の清掃は、1年以内ごとに1回、定期に実施する。

適切です。貯水槽は飲料水を一時的にためておく設備であり、内部に汚れや沈殿物が蓄積すると、水質悪化や衛生上の問題につながります。そのため、建築物環境衛生管理基準では、1年以内ごとに1回、定期に清掃することが求められています。ここは非常によく出る基本事項で、点検と清掃を混同しないことが重要です。清掃の頻度として「年1回」が基本だと覚えておくと得点につながります。

(3) 遊離残留塩素の検査は、給水栓末端で7日以内ごとに1回、定期に実施する。

適切です。遊離残留塩素は、給水された水が消毒効果を維持しているかを確認するための重要な指標です。建築物内の給水設備では、末端の給水栓で7日以内ごとに1回、定期に検査することとされています。これは「消毒しているはずだから大丈夫」と感覚的に判断するのではなく、実測で確認するという考え方です。特にビル管試験では、残留塩素の検査場所が「給水栓末端」である点と、頻度が「7日以内ごと」である点が定番の出題ポイントです。

(4) 総トリハロメタン等の消毒副生成物の検査は、毎年、6月1日から9月30日の期間内に実施する。

適切です。総トリハロメタンなどの消毒副生成物は、水温が高くなりやすい時期に生成しやすくなるため、毎年1回、6月1日から9月30日までの期間内に検査することとされています。この設問は、単に「年1回」と覚えているだけでは不十分で、実施時期まで含めて正確に理解しているかを問うています。夏期を中心とした期間指定がある点が重要です。

(5) 原水として水道水以外の地下水等を使用する場合は、3年以内ごとに1回、水質基準項目のすべての項目(51項目)の検査を実施する。

不適切です。ここがこの問題の誤りです。地下水等を原水として使用する場合に、3年以内ごとに1回実施するのは、水質基準項目の全51項目ではありません。3年以内ごとの定期検査として実施するのは、地下水等で定められた一部の項目です。一方で、全51項目の検査が必要になるのは、給水設備の使用開始前です。つまり、「地下水だから3年ごとに全項目検査」と理解してしまうのは誤りであり、「3年ごとに一部項目」「開始前に全51項目」と分けて覚える必要があります。試験では、この2つをわざと入れ替えて出題することが非常に多いです。

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この問題で覚えるポイント

飲料水の管理では、遊離残留塩素の検査は給水栓末端で7日以内ごとに1回です。残留塩素の保持基準は、通常は遊離残留塩素0.1mg/L以上、結合残留塩素なら0.4mg/L以上です。 貯水槽の清掃は1年以内ごとに1回です。点検と清掃を混同せず、頻度をセットで覚えることが重要です。 水質検査は一律ではなく、6か月以内ごとに1回行う項目、毎年1回で6月1日から9月30日までに行う項目、地下水等で3年以内ごとに1回行う項目に分かれています。 6か月以内ごとの検査項目のうち、鉛、亜鉛、鉄、銅、蒸発残留物は、前回適合していれば次回検査で省略できる場合があります。 地下水等を原水とする場合は、給水設備の使用開始前に水質基準項目の全51項目検査が必要です。これと、3年以内ごとの一部項目検査は別制度です。 試験では、「いつ」「どこで」「何を」「何項目」実施するかを入れ替えて問うことが多いので、頻度と対象項目を表で整理して覚えると強いです。

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ひっかけポイント

この問題の最大のひっかけは、「地下水等を使う場合は厳しく管理されるはずだから、3年ごとに全51項目検査をするだろう」という受験者のもっともらしい思い込みを利用している点です。実際には、全51項目検査は給水開始前であり、3年以内ごとに行うのは一部項目です。つまり、厳しさの方向性は合っていても、実施するタイミングと対象範囲が違います。 また、年1回の検査と、6月1日から9月30日までの期間指定がある年1回検査を混同しやすいのも典型的な罠です。単に「年1回」とだけ覚えると、総トリハロメタンなどの消毒副生成物の問題で失点します。 さらに、6か月以内ごとの検査項目についても、「定期検査なのだから毎回全部やるはずだ」と考えると、省略可能項目を見落とします。ビル管では、「原則」と「省略できる例外」、「定期検査」と「使用開始前検査」の区別が非常に重要です。このパターンは今後も繰り返し出るため、頻度、時期、対象項目、例外規定を切り分けて覚えることが合格への近道です。

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