【ビル管過去問】令和6年度 問題9|建築物環境衛生管理基準の管理内容(清掃防除など)を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験 令和6年度(2024年)|建築物衛生行政概論 第9問

問題

建築物環境衛生管理基準に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1) 防除を行う動物は、ねずみ、昆虫その他の人の健康を損なう事態を生じさせるおそれのある動物である。

(2) 掃除は、日常行うもののほか、大掃除を、6月以内ごとに1回、定期に、統一的に行う。

(3) 特定建築物維持管理権原者は、排水に関する設備の掃除を、1年以内ごとに1回、定期に行わなければならない。

(4) 特定建築物維持管理権原者は、厚生労働大臣が別に定める技術上の基準に従い、排水に関する設備の補修、掃除その他当該設備の維持管理に努めなければならない。

(5) 冷却塔、冷却水の水管及び加湿装置の清掃を、それぞれ1年以内ごとに1回、定期に行う。

ビル管過去問|建築物環境衛生管理基準の管理内容(清掃防除など)を解説

この問題は、建築物環境衛生管理基準における清掃、防除、排水設備、冷却塔や加湿装置の維持管理頻度について問うものです。条文や基準を大づかみに覚えているだけでは解きにくく、どの設備を、どの頻度で、どのように管理するかを正確に整理しておく必要があります。正しい選択肢は(3)排水に関する設備の掃除の頻度を「1年以内ごとに1回」としている記述です。排水に関する設備の掃除は、より短い周期で行う必要があります。

下に移動する

(1) 防除を行う動物は、ねずみ、昆虫その他の人の健康を損なう事態を生じさせるおそれのある動物である。

適切です。建築物環境衛生管理基準でいう防除の対象は、単に見た目が不快な生物ではなく、人の健康を損なうおそれのある動物です。代表例として、ねずみや衛生害虫が挙げられますが、基準はそれらに限定しておらず、「その他の人の健康を損なう事態を生じさせるおそれのある動物」まで含めて考えます。つまり、防除の対象は名称の暗記ではなく、健康被害との関係で捉えることが重要です。

(2) 掃除は、日常行うもののほか、大掃除を、6月以内ごとに1回、定期に、統一的に行う。

適切です。建築物の清掃は、毎日行う日常清掃だけで完結するものではありません。日常清掃では手が届きにくい箇所や、汚れが蓄積しやすい場所については、定期的にまとめて実施する大掃除が必要です。その頻度は、6月以内ごとに1回です。「定期に、統一的に行う」という点も大切で、場当たり的に一部だけ行うのではなく、建築物全体の衛生水準を保つために計画的に実施することが求められます。

(3) 特定建築物維持管理権原者は、排水に関する設備の掃除を、1年以内ごとに1回、定期に行わなければならない。

不適切です。誤りは、排水に関する設備の掃除の頻度です。排水設備は汚れやぬめり、沈殿物がたまりやすく、悪臭や害虫発生、排水不良の原因になりやすいため、清掃はもっと短い周期で行う必要があります。基準では、排水に関する設備の掃除は6月以内ごとに1回、定期に行うこととされています。ここを「1年」としてしまうと、空気環境や給水設備の点検頻度と混同している可能性があります。排水設備は汚れの蓄積が早いので、半年に1回という感覚で覚えると整理しやすいです。

(4) 特定建築物維持管理権原者は、厚生労働大臣が別に定める技術上の基準に従い、排水に関する設備の補修、掃除その他当該設備の維持管理に努めなければならない。

適切です。排水設備については、単に定期清掃を行えばよいわけではなく、設備全体を適切に維持管理することが求められます。つまり、補修、掃除、その他必要な維持管理を、技術上の基準に従って行うことが重要です。排水設備は目に見えにくい部分が多いため、不具合の発見が遅れやすい設備です。そのため、異常が出てから対処するのではなく、日頃から状態を見ながら維持管理に努めるという考え方が基準の根底にあります。

(5) 冷却塔、冷却水の水管及び加湿装置の清掃を、それぞれ1年以内ごとに1回、定期に行う。

適切です。冷却塔、冷却水管、加湿装置は、水を扱う設備であり、汚れや微生物の繁殖が衛生上の問題につながりやすい箇所です。そのため、これらの設備は定期的な清掃が必要であり、基準ではそれぞれ1年以内ごとに1回、定期に行うこととされています。特に冷却塔や加湿装置は、レジオネラ属菌などの衛生リスクとも関係するため、清掃の必要性を設備衛生の観点から理解しておくことが大切です。

下に移動する

この問題で覚えるポイント

建築物環境衛生管理基準では、清掃や防除、設備管理の頻度を正確に区別して覚えることが大切です。まず、日常清掃とは別に、大掃除は6月以内ごとに1回、定期に、統一的に行います。排水に関する設備の掃除も6月以内ごとに1回であり、ここは出題されやすい頻度です。排水設備は汚れがたまりやすく、悪臭や害虫発生にもつながるため、半年ごとの管理が原則です。一方で、冷却塔、冷却水の水管、加湿装置の清掃は1年以内ごとに1回です。つまり、清掃関係では「大掃除と排水設備は半年以内ごと」「冷却塔冷却水管加湿装置は1年以内ごと」と整理すると覚えやすいです。また、防除の対象は、ねずみや昆虫に限らず、人の健康を損なう事態を生じさせるおそれのある動物まで含まれます。さらに、排水設備については、単なる清掃義務だけでなく、補修やその他の維持管理も技術上の基準に従って行うという考え方も押さえておくと、応用問題にも対応しやすくなります。

下に移動する

ひっかけポイント

この問題のひっかけは、「設備ごとの管理頻度の混同」です。受験者は、冷却塔や加湿装置のような水を扱う設備が1年以内ごとであることを覚えていると、排水設備も同じように1年でよいと錯覚しやすいです。しかし、排水設備は汚れや閉塞、悪臭の原因になりやすく、より短い周期での管理が必要です。つまり、見た目の設備分類ではなく、汚れのたまりやすさや衛生リスクの性質で整理しないと引っかかります。また、「一部は正しいが、数値だけが違う」選択肢は非常に典型的な出題パターンです。文章全体がもっともらしいため流して読んでしまいがちですが、試験ではこの数値のズレが正誤を分けます。今後も、対象設備そのものは正しくても、周期だけをずらしてくる問題には注意してください。

次の問題へ