【ビル管過去問】令和5年度 問題80|室内空気測定法|一酸化炭素・二酸化炭素・窒素酸化物・オゾンの測定原理を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和5年度(2023年)|空気環境の調整第80問

問題

室内空気環境の測定に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

(1) 一酸化炭素の測定には、定電位電解法がある。

(2) 二酸化炭素の測定には、非分散型紫外線吸収法がある。

(3) 窒素酸化物の測定には、吸光光度法がある。

(4) イオウ酸化物の測定には、紫外線蛍光法がある。

(5) オゾンの測定には、紫外線吸収法がある。

ビル管過去問|室内空気測定法|一酸化炭素・二酸化炭素・窒素酸化物・オゾンの測定原理を解説

この問題は、室内空気中の代表的な汚染物質について、どの測定対象にどの測定原理が対応するかを問う問題です。単に物質名を覚えるだけでなく、それぞれのガスがどのような物理的・化学的性質を利用して測定されているかを理解しておくことが重要です。正解は(2)です。二酸化炭素の測定で一般的なのは非分散型赤外線吸収法であり、紫外線吸収法ではありません。ほかの選択肢は、いずれも代表的な測定法として適切です。試験では、赤外線と紫外線、電気化学式と光学式など、似た言葉の入れ替えで問われやすいため、対象物質と測定原理をセットで整理して覚えることが大切です。

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(1) 一酸化炭素の測定には、定電位電解法がある。

適切です。一酸化炭素の測定には、定電位電解法が用いられます。これは電気化学式の測定法の一つで、センサー内の電極に一定の電位をかけた状態で、一酸化炭素が酸化または還元されるときに生じる電流を測定する方法です。発生する電流の大きさはガス濃度に対応するため、一酸化炭素濃度を求めることができます。室内空気環境の測定では、比較的低濃度の一酸化炭素を連続的に測定したい場面があり、この方法はその用途に適しています。一酸化炭素は無色無臭で人体に有害なため、測定原理を含めて確実に覚えておきたい項目です。

(2) 二酸化炭素の測定には、非分散型紫外線吸収法がある。

不適切です。二酸化炭素の測定に一般的に用いられるのは、非分散型赤外線吸収法です。二酸化炭素は赤外線の特定波長を吸収する性質があるため、その吸収量から濃度を測定します。ここで重要なのは、紫外線ではなく赤外線であるという点です。非分散型というのは、プリズムなどで細かく波長分解せず、特定の吸収波長帯を利用して測定する方式を指します。二酸化炭素測定といえば非分散型赤外線吸収法という組合せは、建築物環境衛生管理で非常によく出る基本事項です。今回の誤りは「赤外線」を「紫外線」にすり替えた典型的なひっかけです。

(3) 窒素酸化物の測定には、吸光光度法がある。

適切です。窒素酸化物の測定には、吸光光度法が用いられます。吸光光度法は、対象物質を試薬と反応させて発色させ、その色の濃さを光の吸収の程度として測定する方法です。窒素酸化物のうち二酸化窒素などは、化学反応によって測定可能な形にし、その吸光度から濃度を求めます。この方法は大気や室内空気中のガス状物質の測定で古くから用いられており、試験でも基本的な測定原理として押さえておくべき内容です。ガスそのものを直接見るのではなく、反応後の色の変化を利用するという点を理解すると覚えやすくなります。

(4) イオウ酸化物の測定には、紫外線蛍光法がある。

適切です。イオウ酸化物、特に二酸化硫黄の測定には、紫外線蛍光法が用いられます。この方法は、二酸化硫黄に紫外線を当てたときに生じる蛍光の強さを測定することで濃度を求めるものです。対象物質が受けたエネルギーを別の光として放出する性質を利用しており、感度が高く、連続測定にも適しています。イオウ酸化物は燃焼排ガスなどと関係が深く、大気汚染や室内空気環境の評価でも重要な項目です。紫外線を使う測定法には吸収法と蛍光法があり、混同しやすいですが、イオウ酸化物では紫外線蛍光法が代表的です。

(5) オゾンの測定には、紫外線吸収法がある。

適切です。オゾンの測定には、紫外線吸収法が用いられます。オゾンは紫外線の特定波長を吸収する性質があるため、その吸収量から濃度を測定できます。オゾンは強い酸化力を持つ気体で、外気由来だけでなく、一部の機器や放電現象などに関連して室内でも問題になることがあります。測定法としては、物質が光を吸収する性質を利用するという点で二酸化炭素の赤外線吸収法と似ていますが、オゾンは紫外線、二酸化炭素は赤外線という違いがあります。この対応関係を整理して覚えることが得点につながります。

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この問題で覚えるポイント

室内空気中のガス状物質は、それぞれの物質が持つ固有の性質を利用して測定します。一酸化炭素は電気化学的に反応させて電流として捉える定電位電解法が代表的です。二酸化炭素は赤外線を吸収する性質を利用する非分散型赤外線吸収法が基本です。窒素酸化物は試薬との反応で発色させ、その色の濃さを測る吸光光度法が代表的です。イオウ酸化物は紫外線蛍光法、オゾンは紫外線吸収法で整理すると覚えやすくなります。

試験対策として重要なのは、物質名と測定法名を一対一で結びつけて覚えることです。特に、二酸化炭素は赤外線、オゾンは紫外線という違いが頻出です。また、吸収法と蛍光法、電解法と光学法の違いも整理しておくと、似た問題にも対応しやすくなります。測定法の名称だけでなく、なぜその方法で測れるのかという原理まで理解しておくと、言い換え問題にも強くなります。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、測定法の名称がどれももっともらしく見えることにあります。受験者は「光を使って測るらしい」「電気で測るらしい」と大まかに覚えているだけだと、赤外線と紫外線、吸収法と蛍光法を取り違えやすくなります。特に二酸化炭素とオゾンは、どちらも光学的手法で測るため混同しやすいですが、実際には二酸化炭素は赤外線、オゾンは紫外線です。

また、選択肢の文章が一部だけ正しい場合にも注意が必要です。「非分散型」という語が正しいため、全体も正しそうに見えてしまいます。しかし、試験ではこのように一語だけを入れ替えて誤りにする出題がよくあります。正誤判断では、測定法の一部分だけでなく、対象物質と波長域や原理まで含めてセットで確認する習慣を持つことが大切です。

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