【ビル管過去問】令和5年度 問題43|感染症の分類|ウイルス・細菌・真菌・原虫による感染症の違いを解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和5年度(2023年)|建築物の環境衛生第43問

問題

次の感染症のうち、ウイルスによって引き起こされるものはどれか。

(1) 発しんチフス

(2) カンジダ症

(3) マラリア

(4) 日本脳炎

(5) レプトスピラ症

ビル管過去問|感染症の分類|ウイルス・細菌・真菌・原虫による感染症の違いを解説

この問題は、感染症を「何が原因で起こる病気か」で分類できるかを問う問題です。感染症は、ウイルス、細菌、真菌、原虫など原因となる病原体が異なり、それぞれ特徴も違います。正しい選択肢は日本脳炎です。日本脳炎はウイルス感染症であり、ほかの選択肢はそれぞれ細菌、真菌、原虫による感染症です。感染症名だけを暗記するのではなく、どの病原体によるものかまで結びつけて覚えることが大切です。

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(1) 発しんチフス

不適切です。発しんチフスはウイルスではなく、細菌によって起こる感染症です。原因はリケッチアと呼ばれる微生物で、具体的には発疹チフスリケッチアが関与します。リケッチアは細菌に分類され、宿主の細胞内で増殖するという特徴があります。そのため、名前だけを見るとウイルス感染症のように感じるかもしれませんが、分類としては細菌性の感染症です。試験では、このように「細胞内で増える」という性質からウイルスと混同しやすいものが出題されるため注意が必要です。

(2) カンジダ症

不適切です。カンジダ症はウイルスではなく、真菌によって起こる感染症です。カンジダはカビや酵母の仲間であり、細菌ともウイルスとも異なります。口腔内、消化管、皮膚、女性の膣内などに常在することもありますが、体の抵抗力が落ちたときなどに増殖して症状を起こします。真菌は細胞構造をもつ生物であり、ウイルスのように単独で増殖できない存在とは大きく異なります。感染症の分類問題では、カンジダ症は真菌症の代表例として覚えておくと役立ちます。

(3) マラリア

不適切です。マラリアはウイルスではなく、原虫によって起こる感染症です。原因はマラリア原虫で、ハマダラカによって媒介されます。原虫は単細胞の寄生生物であり、細菌や真菌とも別の分類です。マラリアは発熱を繰り返すことが特徴で、熱帯・亜熱帯地域で重要な感染症として知られています。感染症の学習では、マラリアは「蚊が媒介する感染症」という点ばかりが印象に残りやすいですが、試験では媒介昆虫ではなく原因病原体の分類が問われることがありますので、原虫感染症であることを明確にしておくことが大切です。

(4) 日本脳炎

適切です。日本脳炎はウイルスによって引き起こされる感染症です。原因は日本脳炎ウイルスで、主にコガタアカイエカなどの蚊が媒介します。ウイルスは細菌や真菌と異なり、自分だけでは増殖できず、生きた細胞の中に入って増えるという特徴があります。日本脳炎はその代表的なウイルス感染症の一つです。脳炎という名前から症状の重さに意識が向きやすいですが、この問題では症状ではなく病原体の種類が判断のポイントです。病名と原因病原体をセットで覚えておけば、落ち着いて正答できます。

(5) レプトスピラ症

不適切です。レプトスピラ症はウイルスではなく、細菌によって起こる感染症です。原因はレプトスピラというらせん状の細菌で、病原性レプトスピラに汚染された水や土壌、あるいは動物の尿などを介して感染します。形が特殊であるため、一般的な細菌のイメージと違って見えるかもしれませんが、分類上は細菌です。試験では、病名に聞きなじみがないと「特殊な病気だからウイルスかもしれない」と考えてしまいやすいですが、病原体の分類は名称の印象ではなく、知識として整理しておく必要があります。

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この問題で覚えるポイント

感染症は、原因となる病原体の違いで整理すると覚えやすくなります。ウイルスは細胞をもたないため、自力で増殖できず、生きた細胞の中でのみ増殖します。日本脳炎、インフルエンザ、麻しんなどはウイルス感染症です。細菌は単細胞の微生物で、自力で増殖でき、発しんチフスやレプトスピラ症などがこれに当たります。真菌はカビや酵母の仲間で、カンジダ症などが代表例です。原虫は寄生性の単細胞生物で、マラリアが代表例です。試験では、症状や媒介動物ではなく「原因病原体は何か」を直接問われることがあるため、病名と病原体の組合せで覚えることが重要です。また、蚊が媒介する病気であっても、原因がウイルスの場合もあれば原虫の場合もあるので、媒介者と病原体を混同しないように整理しておくことが得点につながります。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、病名の印象や感染経路のイメージだけで判断すると誤りやすい点にあります。たとえば、蚊が媒介する感染症という共通点だけで考えると、日本脳炎とマラリアを同じ種類だと思ってしまいがちですが、実際には前者はウイルス、後者は原虫です。また、発しんチフスやレプトスピラ症のように名称だけでは病原体の分類が分かりにくい感染症も、受験者を迷わせるためによく使われます。さらに、カンジダ症は日常的にも耳にする機会がありますが、細菌感染と誤認しやすい点が落とし穴です。このような問題では、病名の雰囲気や聞いたことがあるかどうかで判断せず、「ウイルス、細菌、真菌、原虫のどれか」を一つずつ冷静に仕分けることが大切です。

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