【ビル管過去問】令和4年度 問題159|建築物内廃棄物 発生量の原単位と算定方法を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和4年度(2022年)|清掃第159問

問題

建築物内廃棄物の発生量に関する次の文章の(   )内に入る原単位として、最も不適当なものはどれか。 建築物における廃棄物の発生量を把握する際に使用される一般的な原単位は、( a )が用いられる。 なお、発生量が多い場合は、( b )又は、重量の代わりに容量で示す( c )が用いられる。 その他、人の利用者数で廃棄物発生量が左右される図書館は( d )が使用される。 また、廃棄物の質を表す単位は、「単位容積質量値」であり( e )が用いられる。

(1) a:kg/(m2・年)

(2) b:kg/(m2・日)

(3) c:L/(m2・日)

(4) d:kg/(人・年)

(5) e:m3/kg

ビル管過去問|建築物内廃棄物 発生量の原単位と算定方法を解説

この問題は、建築物内で発生する廃棄物量を評価するときに用いる「原単位」の考え方と、その代表的な単位表記を正しく理解しているかを問う問題です。床面積当たり、利用者当たり、日単位・年単位、重量単位・容量単位といった組合せを整理できているかがポイントになります。正解は、単位容積質量値の単位として不適切なものを選ばせる選択肢で、m3/kgとする記述が誤りです。単位容積質量値は、一定の体積当たりの質量を表すため、正しくはkg/m3で表します。

下に移動する

(1) a:kg/(m2・年)

適切です。建築物における廃棄物発生量の一般的な原単位は、床面積と時間を基準にした「kg/(m2・年)」がよく用いられます。これは、建物全体の床面積1平方メートル当たり、1年間にどれだけの廃棄物が発生したかを示す指標です。この単位を用いることで、建物の規模が異なっても、廃棄物発生量を比較しやすくなります。そのため、一般的な原単位としてこの表記は適切です。

(2) b:kg/(m2・日)

適切です。廃棄物発生量が多い場合や、より短い期間での発生状況を把握したい場合には、「kg/(m2・日)」のように日単位で表すことがあります。これは、床面積1平方メートル当たり、1日あたりに発生する廃棄物の質量を示す単位です。年単位よりも細かい時間スケールで管理したいときに有効であり、発生量が多い場合に用いる原単位として適切です。

(3) c:L/(m2・日)

適切です。廃棄物の発生量を重量ではなく容量で把握したい場合には、「L/(m2・日)」のように体積単位を用いることがあります。特に、軽量でかさばる廃棄物や、容器の容量で管理する場合には、リットル単位での管理が実務的です。床面積1平方メートル当たり、1日あたりに発生する廃棄物の容量を示す単位として、この表記は妥当であり、問題文の文脈にも合致しています。

(4) d:kg/(人・年)

適切です。図書館のように、廃棄物発生量が利用者数に大きく左右される施設では、「kg/(人・年)」のように人を基準とした原単位を用いることがあります。これは、1人の利用者当たり、1年間にどれだけの廃棄物が発生したかを示す単位です。利用者数が変動する施設では、床面積だけでなく人基準の原単位を用いることで、より実態に即した評価ができます。そのため、図書館に対してこの単位を用いるという記述は適切です。

(5) e:m3/kg

不適切です。単位容積質量値は、一定の体積当たりの質量、つまり「どれだけ詰まっているか」を表す指標です。一般的には「kg/m3」のように、分子に質量、分母に体積を置いた単位で表します。これに対して「m3/kg」は、1kgあたりの体積、すなわち比容積を表す単位であり、単位容積質量値とは逆の概念になります。問題文では「廃棄物の質を表す単位は、『単位容積質量値』」と明記されているため、ここで用いるべき単位はkg/m3であり、m3/kgとする記述は不適切です。この点が、この選択肢が最も不適当となる理由です。

下に移動する

この問題で覚えるポイント

建築物内廃棄物の管理では、発生量を「どの基準で割るか」と「どの時間スケールで見るか」が重要です。一般的な原単位は床面積と年を基準にしたkg/(m2・年)で、建物規模が違っても比較しやすい形になっています。発生量が多い場合や、より細かく管理したい場合には、日単位のkg/(m2・日)や、容量で管理するL/(m2・日)といった表現も用いられます。また、利用者数が発生量に強く影響する施設では、kg/(人・年)のように人基準の原単位を使うこともあります。さらに、廃棄物の「質」を表す単位容積質量値は、質量を体積で割ったkg/m3であり、逆のm3/kgは比容積を表す別の概念であることを区別して覚えることが、正誤判断に直結します。

下に移動する

ひっかけポイント

この問題のひっかけは、単位容積質量値の単位を、あえて逆転させて提示している点にあります。m3/kgという表記は、一見すると「体積と質量の組合せ」という意味でそれらしく見えるため、深く考えずに受け入れてしまいやすいです。しかし、単位容積質量値は「体積当たりの質量」であり、必ずkg/m3の形になるという定義に立ち返れば、逆数になっていることに気づけます。また、他の選択肢はすべて、日か年か、床面積か人か、重量か容量かという違いだけで、いずれも実務で使われる自然な原単位です。そのため、「どれもありそうだ」と感じてしまい、最後の一つも流れで正しいと見なしてしまう思考の罠にはまりがちです。同様の問題では、単位の分子と分母が何を意味しているか、定義に照らして一度立ち止まって確認することで、数字や記号の並びに惑わされずに正しい判断ができるようになります。

次の問題へ