出典:建築物衛生管理技術者試験令和4年度(2022年)|清掃第156問
問題
平成25年以降の廃棄物の排出傾向に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
(1) ごみ総排出量のうち、事業系のごみの排出割合は約30%となっている。
(2) ごみの総資源化(再生)量は、ごみの総排出量の約20%となっている。
(3) し尿及び浄化槽汚泥の年間処理計画量のうち、約90%が、し尿処理施設で処理されている。
(4) 産業廃棄物の総排出量のうち、種類別では、がれき類が約40%で最も多い。
(5) 産業廃棄物の総排出量のうち、約50%が再生利用されている。
ビル管過去問|廃棄物の排出傾向 一般廃棄物・産業廃棄物・資源化率を解説
この問題は、一般廃棄物と産業廃棄物の排出状況や資源化率、し尿処理の内訳など、廃棄物行政に関する基本的な統計傾向を問う問題です。細かい数値を丸暗記するというよりも、どの廃棄物が多いのか、どの程度資源化されているのか、し尿処理施設の役割がどのくらい大きいのかを大まかに整理しておくことが大切です。正解は(4)で、産業廃棄物の中で最も多いのはがれき類ではなく、汚泥です。がれき類も多い廃棄物ですが、最も多いという記述が誤りです。他の選択肢は、平成25年以降の代表的な排出傾向としておおむね適切です。
(1) ごみ総排出量のうち、事業系のごみの排出割合は約30%となっている。
適切です。一般廃棄物の総排出量は、家庭から出る生活系ごみと、事業活動に伴って出る事業系ごみに大きく分けられます。全体として見ると、事業系ごみはおおむね3割前後を占めており、この記述は統計的な傾向と合っています。受験対策としては、一般廃棄物は家庭ごみが中心であるが、事業系も一定割合を占めている、という感覚を持っておくと判断しやすくなります。
(2) ごみの総資源化(再生)量は、ごみの総排出量の約20%となっている。
適切です。一般廃棄物では、分別回収や再資源化の取り組みにより、一定割合が資源として再利用されています。総資源化量は総排出量のおおむね2割程度と整理されることが多く、この選択肢の内容は妥当です。ここでは、資源化率が非常に高いわけではないが、無視できない割合で再生利用されている、という中間的な数値感覚を押さえておくことが重要です。
(3) し尿及び浄化槽汚泥の年間処理計画量のうち、約90%が、し尿処理施設で処理されている。
適切です。し尿や浄化槽汚泥の処理は、し尿処理施設が中心的な役割を果たしています。そのため、年間処理計画量の大部分がし尿処理施設で処理されるという理解は正しく、約90%という表現も代表的な傾向として適切です。試験では、下水道処理とし尿処理施設の役割を混同しないことが大切です。し尿や浄化槽汚泥は、専用の処理系統で扱われる比重が大きい点を押さえてください。
(4) 産業廃棄物の総排出量のうち、種類別では、がれき類が約40%で最も多い。
不適切です。産業廃棄物の総排出量で最も多い種類は、一般に汚泥です。がれき類も建設業に伴って大量に発生するため割合は大きいのですが、最も多いとはいえません。この選択肢は、建設現場の印象から「産業廃棄物といえばがれき類が最も多い」と思わせるひっかけです。実際には、上下水処理や製造業などさまざまな業種から発生する汚泥が大きな割合を占めています。したがって、この記述が最も不適当です。
(5) 産業廃棄物の総排出量のうち、約50%が再生利用されている。
適切です。産業廃棄物は、一般廃棄物と比べて再生利用が進んでいるものが多く、全体としておおむね半分程度が再生利用されているという傾向があります。特に、金属くず、がれき類、鉱さいなどは再資源化しやすいものが多いため、再生利用率が比較的高くなります。このため、約50%という記述はおおむね適切です。一般廃棄物の資源化率と混同せず、産業廃棄物のほうが再生利用率は高めであると覚えると整理しやすいです。
この問題で覚えるポイント
廃棄物の排出傾向では、一般廃棄物と産業廃棄物を分けて整理することが重要です。一般廃棄物では、事業系ごみは全体の約30%、総資源化量は総排出量の約20%という水準が基本です。一方で、産業廃棄物では再生利用率が一般廃棄物より高く、約50%程度が再生利用されています。また、産業廃棄物の種類別排出量で最も多いのは汚泥であり、がれき類ではない点が重要です。さらに、し尿及び浄化槽汚泥は、年間処理計画量の大部分がし尿処理施設で処理されるという流れもよく問われます。試験では、一般廃棄物は資源化率が比較的低く、産業廃棄物は再生利用が進んでいること、そして産業廃棄物の最多品目は汚泥であることを軸に覚えると、同テーマの問題に対応しやすくなります。
ひっかけポイント
この問題のひっかけは、日常的なイメージと実際の統計をずらしている点にあります。産業廃棄物という言葉から、工事現場で目立つがれき類を真っ先に思い浮かべる受験者は多いですが、統計上で最も多いのは汚泥です。つまり、見た目に印象の強いものと、実際に排出量が最大のものが一致しないところが罠です。また、一般廃棄物の資源化率と産業廃棄物の再生利用率も混同しやすいポイントです。どちらも「資源化」「再生利用」という似た表現が使われるため、同じくらいの割合だと錯覚しやすいですが、一般廃棄物は約20%、産業廃棄物は約50%という差があります。このように、似た用語や印象に引っ張られず、対象ごとの代表的な数値を大づかみで整理しておくことが、ひっかけを避けるコツです。
