【ビル管過去問】令和4年度 問題137|浄化槽処理法 生物膜法と活性汚泥法の分類を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和4年度(2022年)|清掃第137問

問題

浄化槽に採用されている処理法のうち、生物膜法に分類されないものは次のうちどれか。

(1) 長時間ばっ気法

(2) 回転板接触法

(3) 接触ばっ気法

(4) 散水ろ床法

(5) 担体流動法

ビル管過去問|浄化槽処理法 生物膜法と活性汚泥法の分類を解説

この問題は、浄化槽に用いられる代表的な処理法が、生物膜法と活性汚泥法のどちらに分類されるかを正しく見分けられるかを問う問題です。正しい選択肢は(1)長時間ばっ気法です。長時間ばっ気法は、ばっ気槽内に浮遊している微生物群で有機物を分解する活性汚泥法に分類されます。一方で、回転板接触法、接触ばっ気法、散水ろ床法、担体流動法は、いずれも微生物が担体やろ材の表面に付着して働く生物膜法です。試験では、微生物が水中を浮遊しているのか、表面に付着しているのかという基本構造を押さえることが正誤判断の決め手になります。

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(1) 長時間ばっ気法

不適切です。これは生物膜法ではなく、活性汚泥法に分類されるためです。長時間ばっ気法は、ばっ気槽の中で空気を送り込みながら、槽内に浮遊している活性汚泥と汚水を十分に接触させて有機物を分解する方法です。微生物が水中に懸濁して存在し、沈殿分離と組み合わせて処理する点が特徴です。名称に「ばっ気」とあるため、接触ばっ気法と似て見えますが、長時間ばっ気法はあくまで活性汚泥法です。この違いを押さえることが重要です。

(2) 回転板接触法

適切です。回転板接触法は生物膜法に分類されます。円板の表面に微生物の膜を形成し、その円板を回転させながら汚水と空気に交互に接触させることで、有機物を分解する仕組みです。微生物が円板表面に付着して働くため、生物膜法の典型例です。装置の構造を思い浮かべると、微生物が槽内を漂うのではなく、板の表面に定着していることが理解しやすくなります。

(3) 接触ばっ気法

適切です。接触ばっ気法は生物膜法に分類されます。槽内に接触材を設け、その表面に付着した微生物によって汚水中の有機物を分解する方法です。ばっ気を行うため、名称だけ見ると活性汚泥法のように感じるかもしれませんが、判断のポイントは接触材の表面に生物膜が形成されることです。つまり、微生物が付着して処理する方式なので、生物膜法に該当します。名称ではなく、微生物の存在状態で見分けることが大切です。

(4) 散水ろ床法

適切です。散水ろ床法は生物膜法に分類されます。ろ材を充填したろ床の上から汚水を散水し、ろ材表面に形成された生物膜によって有機物を分解する方法です。ろ材表面に付着した微生物が処理の主体となるため、生物膜法に位置づけられます。古典的な処理法ですが、試験では生物膜法の代表例としてよく扱われますので、ろ材に付着した微生物が働く方式であることをしっかり覚えておくと有効です。

(5) 担体流動法

適切です。担体流動法は生物膜法に分類されます。槽内に投入した小さな担体の表面に微生物が付着し、その担体を水流やばっ気によって流動させながら処理を行う方法です。担体自体は槽内を動きますが、微生物はその表面に付着しているため、生物膜法です。浮遊しているように見えることから活性汚泥法と混同しやすいですが、処理の主体が担体表面の生物膜である以上、分類は生物膜法となります。

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この問題で覚えるポイント

浄化槽の処理法は、微生物がどこに存在しているかで分類すると整理しやすくなります。水中に浮遊している活性汚泥が有機物を分解する方式は活性汚泥法です。これに対して、ろ材、接触材、円板、担体などの表面に微生物が付着して膜をつくり、その膜で処理する方式は生物膜法です。 活性汚泥法の代表例としては、標準活性汚泥法や長時間ばっ気法があります。長時間ばっ気法は、小規模施設や浄化槽でも用いられる代表的な方式で、試験でも頻出です。長時間ばっ気法は、ばっ気時間が長く、安定した処理を行いやすい一方で、基本分類はあくまで活性汚泥法です。 生物膜法の代表例としては、散水ろ床法、回転板接触法、接触ばっ気法、担体流動法があります。これらは名称や装置の形は異なりますが、いずれも微生物が何らかの媒体の表面に付着して働くという点で共通しています。試験では個別の名称を丸暗記するだけでなく、付着しているか、浮遊しているかという原理で理解しておくことが重要です。 また、ばっ気という言葉が入っていても、それだけで活性汚泥法とは限りません。接触ばっ気法のように、生物膜法でも空気を送る工程はあります。反対に、担体が槽内を流動していても、微生物が担体表面に付着していれば生物膜法です。名称よりも、微生物の保持のされ方を見ることが、同テーマの問題に対応するための基本になります。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、名称の似ている処理法を並べて、処理原理の理解が曖昧な受験者を迷わせる点にあります。特に「長時間ばっ気法」と「接触ばっ気法」は、どちらも「ばっ気」という言葉が入っているため、同じ分類だと誤解しやすいです。しかし、試験作成者は名称ではなく、微生物が浮遊しているのか付着しているのかを理解しているかを見ています。 また、「担体流動法」は担体が槽内を動くため、見た目の印象だけで活性汚泥法のように感じることがあります。ここで引っかかる原因は、担体が動いていることと、微生物自体が浮遊していることを混同してしまうことです。動いているのは担体であり、微生物はその表面に付着しているので、生物膜法です。 さらに、散水ろ床法や回転板接触法のような古典的な名称に対して、最近の方式らしく見える担体流動法を別分類だと誤認することもあります。しかし、試験では新旧の名称に惑わされず、微生物の存在様式という共通原理で整理できるかが問われます。今後も、名前の印象ではなく、処理の本質で判断する習慣をつけることが重要です。

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