出典:建築物衛生管理技術者試験令和4年度(2022年)|給水および排水の管理第117問
問題
給水設備の保守管理に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
(1) 飲料用貯水槽の点検は、1か月に1回程度、定期に行う。
(2) 第2種圧力容器に該当する圧力水槽は、2年以内ごとに1回、定期自主検査を行う。
(3) 飲料用貯水槽の清掃の作業に従事する者は、おおむね6か月ごとに健康診断を受ける必要がある。
(4) 防錆(せい)剤を使用する場合は、定常時においては2か月以内ごとに1回、防錆剤の濃度の検査を行う。
(5) 給水栓における残留塩素の測定は、7日以内ごとに1回、定期に行う。
ビル管過去問|給水設備の点検頻度 貯水槽点検・圧力水槽検査・残留塩素測定を解説
この問題は、給水設備の保守管理に関する点検頻度や検査間隔について問うものです。ビル管試験では、設備の名称や管理項目だけでなく、何をどのくらいの頻度で実施するかという数値基準がよく問われます。正答は(2)で、第2種圧力容器に該当する圧力水槽の定期自主検査の頻度を誤っている点がポイントです。ほかの選択肢は、飲料用貯水槽の点検頻度、清掃作業従事者の健康診断、防錆剤濃度検査、残留塩素測定の頻度として適切です。数字を暗記するだけでなく、どの管理項目が衛生管理上重要なのかを理解しておくと、似た問題にも対応しやすくなります。
(1) 飲料用貯水槽の点検は、1か月に1回程度、定期に行う。
適切です。飲料用貯水槽は、水の汚染や異物混入、設備の劣化などを早期に発見するため、1か月に1回程度の定期点検を行うことが求められます。貯水槽は建物内の飲料水の安全性を支える重要設備であり、ふたの破損や通気管・オーバーフロー管の防虫網の異常、槽内外の汚れ、水漏れなどを放置すると水質事故につながるおそれがあります。そのため、比較的短い間隔で継続的に確認することが大切です。
(2) 第2種圧力容器に該当する圧力水槽は、2年以内ごとに1回、定期自主検査を行う。
不適切です。第2種圧力容器に該当する圧力水槽の定期自主検査は、2年以内ごとではなく、1年以内ごとに1回行う必要があります。この選択肢は、検査間隔を実際より長くしている点が誤りです。圧力水槽は内部に圧力を保持する設備であり、腐食や損傷、機能低下を見落とすと事故につながる危険があります。したがって、法令に基づき、より短い周期で自主検査を行うことが求められます。試験では、このように「年1回」と「2年に1回」を入れ替えた数値のひっかけが非常に多いです。
(3) 飲料用貯水槽の清掃の作業に従事する者は、おおむね6か月ごとに健康診断を受ける必要がある。
適切です。飲料用貯水槽の清掃作業に従事する者は、水の衛生に直接関わるため、おおむね6か月ごとに健康診断を受けることが必要です。これは、作業者を介した病原体の持込みや衛生上のリスクを防ぐためです。貯水槽清掃は単なる設備清掃ではなく、飲料水の安全を守る衛生管理業務の一つです。そのため、作業手順だけでなく、作業者自身の健康状態の確認も管理の一部として位置づけられています。
(4) 防錆(せい)剤を使用する場合は、定常時においては2か月以内ごとに1回、防錆剤の濃度の検査を行う。
適切です。防錆剤を使用する場合は、その濃度が適正範囲に保たれているかを定常時に2か月以内ごとに1回検査します。防錆剤は、配管や設備の腐食防止に役立ちますが、濃度が低すぎれば防錆効果が不足し、高すぎれば水質への影響や管理上の問題が生じるおそれがあります。したがって、投入して終わりではなく、継続して濃度を確認することが重要です。薬剤管理は、設備保全と水質管理の両方に関わる分野として理解しておくと整理しやすいです。
(5) 給水栓における残留塩素の測定は、7日以内ごとに1回、定期に行う。
適切です。給水栓における残留塩素の測定は、7日以内ごとに1回、定期に実施します。残留塩素は、給水された水が消毒効果を維持しているかを確認する重要な指標です。水道水は消毒されていても、受水槽や高置水槽、配管を経由する間に塩素が減少することがあるため、実際に使用者が水を使う給水栓で確認することに意味があります。残留塩素が不足すると、微生物汚染のリスクが高まるため、短い周期での測定が必要です。
この問題で覚えるポイント
給水設備の保守管理では、管理項目ごとに実施頻度が定められており、その数字を正確に整理して覚えることが大切です。飲料用貯水槽の点検は1か月に1回程度、給水栓における残留塩素の測定は7日以内ごとに1回、飲料用貯水槽清掃作業従事者の健康診断はおおむね6か月ごと、防錆剤濃度の検査は定常時に2か月以内ごとに1回という組合せは、試験でそのまま問われやすい重要事項です。さらに、圧力水槽のように法令上の検査義務がある設備は、単なる日常点検とは区別して整理することが必要です。特に第2種圧力容器に該当する圧力水槽の定期自主検査は1年以内ごとに1回であり、ここは頻出です。日常点検、衛生管理、薬剤管理、法定検査という4つの分類で整理すると、数値を混同しにくくなります。
ひっかけポイント
この問題のひっかけは、どの選択肢ももっともらしい頻度に見えるため、うろ覚えだと誤答しやすい点にあります。特に危険なのは、法定検査の頻度を「1年」と「2年」であいまいに記憶してしまうことです。受験者は、設備点検は年単位のものも多いという印象から、2年以内ごとでも違和感を持ちにくくなります。また、残留塩素測定や貯水槽点検のような比較的短い周期の管理項目と、圧力容器の法定検査のような制度的管理項目が同じ問題に並ぶことで、頭の中で基準が混ざりやすくなっています。つまり、「設備の種類ごとに管理の性質が違う」という整理ができていないと、数字だけで判断してしまい、ひっかかります。今後も、頻度の数字だけを丸暗記するのではなく、その管理が衛生管理なのか、薬剤管理なのか、法定検査なのかまで結び付けて覚えることが大切です。
