【ビル管過去問】令和4年度 問題90|水平面照度の計算 太陽高度と直射日光照度を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和4年度(2022年)|空気環境の調整第90問

問題

地表における直射日光による法線面照度が100,000 lxのとき、直射日光による水平面照度として、最も近いものは次のうちどれか。ただし、このときの太陽高度は60度とする。

(1) 35,000 lx

(2) 43,000 lx

(3) 50,000 lx

(4) 65,000 lx

(5) 87,000 lx

ビル管過去問|水平面照度の計算 太陽高度と直射日光照度を解説

この問題は、太陽光が水平面にどれだけ当たるかを、太陽高度を使って計算できるかを問う問題です。法線面照度は太陽光に直角な面で受ける照度であり、水平面照度は地面のような水平な面で受ける照度です。太陽が真上に近いほど水平面照度は大きくなり、低い位置にあるほど小さくなります。計算式は、水平面照度=法線面照度×sin太陽高度です。したがって、100,000×sin60°で求めると約86,600 lxとなり、最も近いのは87,000 lxです。正しい選択肢は(5)です。

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(1) 35,000 lx

不適切です。水平面照度は、法線面照度に太陽高度の正弦を掛けて求めます。今回の条件では、100,000×sin60°です。sin60°は約0.866なので、水平面照度は約86,600 lxとなります。35,000 lxでは実際の値よりかなり小さく、太陽高度60度という比較的高い位置にある太陽光の条件と合いません。太陽高度がかなり低い場合なら小さい値になりやすいですが、本問の条件では当てはまりません。

(2) 43,000 lx

不適切です。43,000 lxは約86,600 lxの半分程度であり、計算結果と大きくずれています。このような誤答は、sin60°を正しく使えなかった場合や、太陽高度と別の角度を取り違えた場合に出やすいです。照度計算では、どの面に対する照度なのかを整理し、法線面照度から水平面照度へ変換するときはsin太陽高度を用いることを確実に覚えておく必要があります。

(3) 50,000 lx

不適切です。50,000 lxは100,000 lxの半分なので、一見すると計算しやすく見えますが、太陽高度60度に対して用いるべき値は0.5ではありません。0.5はsin30°の値です。本問では太陽高度が60度ですから、sin60°である約0.866を使う必要があります。角度に対する三角比を取り違えると、このようなもっともらしい誤答に引っかかります。

(4) 65,000 lx

不適切です。65,000 lxも計算結果の約86,600 lxとは一致しません。これは、sin60°のおおよその値を曖昧に記憶していたり、計算途中で丸めすぎたりしたときに選びやすい数値です。照度計算では、sin30°=0.5、sin45°≒0.707、sin60°≒0.866という基本値を押さえておくと、選択肢の妥当性をすばやく判断できます。60度で65,000 lx程度では低すぎます。

(5) 87,000 lx

適切です。水平面照度は、法線面照度にsin太陽高度を掛けて求めます。したがって、100,000×sin60°=100,000×0.866…となり、約86,600 lxです。選択肢の中で最も近いのは87,000 lxです。法線面照度は太陽光に直角な面で受ける最大の照度であり、水平面では太陽高度に応じてその一部を受ける形になるため、このような換算が必要になります。式の意味まで理解しておくと、暗記だけでなく応用問題にも対応しやすくなります。

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この問題で覚えるポイント

直射日光による水平面照度は、法線面照度にsin太陽高度を掛けて求めます。法線面照度とは太陽光に直角な面で受ける照度で、直射光を最も効率よく受ける面の照度です。これに対し、水平面照度は地面や机の上のような水平な面で受ける照度です。太陽高度が高いほど水平面照度は大きくなり、太陽高度90度ではsin90°=1となるため、水平面照度は法線面照度と一致します。逆に太陽高度が低いほどsinの値は小さくなり、水平面照度も小さくなります。試験では、sin30°=0.5、sin45°≒0.707、sin60°≒0.866を使う計算が頻出です。特に30度と60度は混同しやすいため、角度と値をセットで覚えることが重要です。また、法線面と水平面という面の向きの違いを理解しておくと、どちらの照度が大きいかも判断しやすくなります。法線面照度のほうが基準となる大きな値であり、水平面照度はそれを太陽高度に応じて換算した値になる、という関係を押さえることが正誤判断に直結します。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、太陽高度60度という条件を見ても、三角比を正しく使えない受験者を狙っている点にあります。特に多いのは、sin60°ではなくsin30°の0.5を使ってしまうミスです。60度という数字に引っぱられても、三角比の値が曖昧だと50,000 lxのような選択肢を選びやすくなります。また、法線面照度と水平面照度の意味を理解せずに、単純に数値を減らせばよいと考えてしまうと、43,000 lxや65,000 lxのような中途半端な値にも迷いやすくなります。問題作成者は、計算式を丸暗記しているだけの受験者ではなく、照度の定義と面の向きの関係まで理解しているかを見ています。今後も、角度条件が出たらまず使う三角比を確認し、どの面の照度を求めるのかを整理する習慣をつけることが大切です。

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