【ビル管過去問】令和4年度 問題7|建築物環境衛生管理基準 空気環境測定方法・測定回数を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和4年度(2022年)|建築物衛生行政概論第7問

問題

建築物環境衛生管理基準に基づく空気環境の測定に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1) 2か月以内ごとに1回定期に行う測定が、年間を通して基準値以下であれば、冷暖房期とその中間期の年4回の測定に回数を軽減できる。

(2) 温度、相対湿度、気流は、使用時間中、常に基準に適合しているか否かにより判定する。

(3) 浮遊粉じん、一酸化炭素、二酸化炭素は、1日の使用時間中の平均値によって判定するが、実務上は、使用時間中の適切な二時点における測定の平均値によって判定することで差し支えない。

(4) 測定は床上75cm以上150cm以下の位置において実施する。

(5) 各階ごとに1か所以上、居室の中央部で実施する。

ビル管過去問|建築物環境衛生管理基準 空気環境測定方法・測定回数を解説

この問題は、空気環境測定の頻度、判定方法、測定位置、測定地点について正確に理解しているかを問う問題です。正解は(1)です。建築物環境衛生管理基準では、空気環境の測定は原則として2か月以内ごとに1回行いますが、年間を通じて良好だからといって年4回へ軽減できる制度はありません。一方で、温度、相対湿度、気流は使用時間中に常時基準適合が求められ、浮遊粉じん、一酸化炭素、二酸化炭素は使用時間中の平均的な状態で評価します。また、測定は各階ごとに1か所以上、適当な居室の中央部で、床上75cm以上150cm以下の位置で行うのが原則です。ここは試験で繰り返し問われる基本事項なので、頻度と判定方法の違いを整理して覚えることが大切です。

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(1) 2か月以内ごとに1回定期に行う測定が、年間を通して基準値以下であれば、冷暖房期とその中間期の年4回の測定に回数を軽減できる。

不適切です。空気環境測定は、空気調和設備を設けている場合、原則として2か月以内ごとに1回行う必要があります。年間を通じて測定結果が良好であっても、そのことを理由に年4回へ軽減できるというルールはありません。この選択肢は、冷暖房期や中間期という季節区分がもっともらしく見えるため迷いやすいですが、法令上の正式な測定回数の軽減制度としては定められていません。試験では「基準に適合していれば回数を減らせるのではないか」という実務感覚を利用したひっかけがよく出ますが、まずは原則の「2か月以内ごとに1回」を確実に押さえることが大切です。

(2) 温度、相対湿度、気流は、使用時間中、常に基準に適合しているか否かにより判定する。

適切です。温度、相対湿度、気流は、建築物内で人が実際に利用している時間帯において、常に基準に適合していることが求められる項目です。これは、その時その場の快適性や健康影響に直結するためです。たとえば、温度や湿度が一時的でも大きく外れると、不快感だけでなく乾燥や結露、微生物の繁殖などの問題につながります。そのため、これらは単純な平均値ではなく、使用時間中を通じて基準内かどうかという考え方で判定されます。数値だけ暗記するのではなく、「空間の快適さを支える項目だから常時適合でみる」と理解すると覚えやすくなります。

(3) 浮遊粉じん、一酸化炭素、二酸化炭素は、1日の使用時間中の平均値によって判定するが、実務上は、使用時間中の適切な二時点における測定の平均値によって判定することで差し支えない。

適切です。浮遊粉じん、一酸化炭素、二酸化炭素は、1日の使用時間中の平均値によって判定する考え方が基本です。ただし、実務では使用時間中の適切な二時点で測定し、その平均値を用いて評価する取り扱いが認められています。これは、これらの項目が時間帯による変動はあるものの、温度や湿度のように「常にその瞬間ごとに基準内か」をみるのではなく、建物全体の換気や空気の清浄度の状態を平均的に把握する性格が強いためです。試験では、常時判定する項目と平均値で判定する項目を入れ替えて出題されやすいので、ここはきちんと分けて覚えましょう。

(4) 測定は床上75cm以上150cm以下の位置において実施する。

適切です。空気環境の測定は、人が実際に呼吸して生活している空間を代表する位置で行う必要があるため、床上75cm以上150cm以下の範囲で実施します。この高さは、座っている人や立っている人の呼吸域をおおむね反映できる実務的な範囲です。床に近すぎると空気の滞留や温度差の影響を受けやすくなり、逆に高すぎると実際の在室者の環境を正確に表しにくくなります。したがって、この高さの指定は単なる形式ではなく、人が受ける空気環境を適切に評価するための重要な条件です。

(5) 各階ごとに1か所以上、居室の中央部で実施する。

適切です。測定地点は、各階ごとに1か所以上、適当な居室を選び、その中央部で行うのが原則です。これは、建物内の空気環境が階によって異なることがあり、また壁際や吹出口付近など局所的な影響を避けて、その部屋を代表する値を得る必要があるためです。中央部で測ることで、局所的な偏りの少ない空気環境を把握しやすくなります。「どこで測ってもよい」と考えてしまうと誤りやすいところですが、測定地点は再現性と代表性の両方を意識して定められています。

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この問題で覚えるポイント

空気環境測定の基本は、空気調和設備を設けている場合に2か月以内ごとに1回測定することです。まずこの頻度を軸として覚えることが重要です。次に、判定方法の違いを整理してください。温度、相対湿度、気流は、使用時間中に常に基準に適合しているかで判定します。これに対して、浮遊粉じん、一酸化炭素、二酸化炭素は、1日の使用時間中の平均値で判定するのが原則です。ここが最重要の整理ポイントです。さらに、測定地点は各階ごとに1か所以上の適当な居室の中央部、測定高さは床上75cm以上150cm以下です。試験では、測定回数、常時判定か平均値判定か、測定位置の数値が特によく問われます。数値だけでなく、「人が利用する空間を代表して測る」「快適性に直結する項目は常時判定」「換気や空気汚染の状態は平均値判定」という意味づけまで押さえると、応用問題にも対応しやすくなります。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、もっともらしい実務感覚を法令の正式ルールと取り違えさせる点にあります。年間を通して良好なら測定回数を減らしてよさそうだと感じてしまいますが、法令上はそうした一般的な軽減規定はありません。また、温度や湿度のような快適性に関わる項目と、二酸化炭素など換気状態をみる項目とで、判定方法が異なる点も混同しやすいところです。受験者は「空気環境測定」という一つのまとまりで覚えがちですが、実際には項目ごとに判定の考え方が違います。さらに、測定位置についても、中央部や高さの数値が少しずれるだけで誤りになるため、雰囲気で読まず、どの条件が法令で明確に定められているかを一つずつ確認する姿勢が大切です。こうした「一部は正しそうだが、肝心な条件が違う」文章は今後も繰り返し出るため、原則と例外を分けて覚えることが得点力につながります。

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