【ビル管過去問】令和4年度 問題33|音の基礎 外耳・内耳・聴覚の仕組みを解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和4年度(2022年)|建築物の環境衛生第33問

問題

音に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

(1) 外耳は耳介、外耳道、鼓膜からなる。

(2) 音の伝達には気導と骨導がある。

(3) サウンドアメニティーとは、快い音環境のことである。

(4) 聴力はオージオメータの基準音圧レベルを基準として測定される。

(5) 蝸(か)牛は内耳に含まれ、蝸牛内部には有毛細胞をもつコルチ器がある。

ビル管過去問|音の基礎 外耳・内耳・聴覚の仕組みを解説

この問題は、耳の構造と音の伝わり方、さらに聴力測定に関する基本知識を問う問題です。正答は(1)です。外耳の構成についての理解が不正確だと誤りやすい一方で、気導と骨導、サウンドアメニティー、蝸牛とコルチ器、聴力測定の基礎は頻出の基本事項です。耳の構造は外耳、中耳、内耳に分けて整理し、それぞれの役割を正確に覚えることが得点につながります。

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(1) 外耳は耳介、外耳道、鼓膜からなる。

不適切です。その理由は、外耳の範囲に鼓膜を含めるかどうかは文献上の表現に揺れがあるものの、試験対策上は外耳を耳介と外耳道と捉え、鼓膜は外耳と中耳の境界として扱う整理が一般的だからです。この問題ではその整理に基づいて、外耳を耳介、外耳道、鼓膜からなると断定している点が不適当とされています。受験上は、耳介と外耳道で集めた音が鼓膜を振動させ、その振動が中耳へ伝わるという流れを押さえておくと混乱しにくいです。

(2) 音の伝達には気導と骨導がある。

適切です。その理由は、音は空気の振動として外耳から鼓膜、中耳、内耳へ伝わる経路と、頭蓋骨の振動を通じて内耳へ伝わる経路の両方があるからです。前者を気導、後者を骨導といいます。通常の聴取では気導が中心ですが、骨導も聴覚に関与しています。聴力検査ではこの2つを比較することで、外耳や中耳に問題があるのか、内耳や聴神経に問題があるのかを判断する手がかりになります。

(3) サウンドアメニティーとは、快い音環境のことである。

適切です。その理由は、サウンドアメニティーとは、単に騒音が少ないというだけでなく、人にとって快適で心地よい音環境を指す概念だからです。たとえば、必要以上の騒音を抑えつつ、空間にふさわしい穏やかな音や自然音がある環境は、サウンドアメニティーの考え方に合致します。ビル管理では騒音防止だけでなく、利用者が不快にならない音環境づくりも重要な視点です。

(4) 聴力はオージオメータの基準音圧レベルを基準として測定される。

適切です。その理由は、聴力検査ではオージオメータを用いて、各周波数ごとにどの程度の強さの音が聞こえるかを測定するからです。このとき、正常な若年者群の最小可聴値をもとに定められた基準音圧レベルが基準となります。つまり、聴力は絶対的な音圧そのものだけでなく、基準と比較してどの程度聞こえにくいかという形で評価されます。試験では、聴力が感覚的に測られているのではなく、標準化された基準に基づいて評価されていることを押さえることが大切です。

(5) 蝸(か)牛は内耳に含まれ、蝸牛内部には有毛細胞をもつコルチ器がある。

適切です。その理由は、蝸牛は内耳の主要な器官の一つであり、音の振動を神経信号へ変換する重要な役割を担っているからです。蝸牛の内部にはコルチ器があり、そこに存在する有毛細胞が振動刺激を受け取り、電気的な信号へ変えて聴神経に伝えます。つまり、私たちが音を音として認識できるのは、この内耳の精巧な仕組みが働いているためです。耳の構造問題では、蝸牛は内耳、耳小骨は中耳というように部位と役割を結び付けて覚えることが重要です。

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この問題で覚えるポイント

耳は外耳、中耳、内耳に大別して整理することが基本です。外耳は耳介と外耳道で音を集め、中耳は鼓膜と耳小骨で振動を増幅して内耳へ伝え、内耳では蝸牛が音を感じ取ります。蝸牛の内部にはコルチ器があり、有毛細胞が機械的振動を神経信号に変換します。音の伝導には気導と骨導があり、気導は空気を介する通常の経路、骨導は頭蓋骨の振動を介する経路です。聴力検査ではオージオメータを用い、周波数ごとの基準音圧レベルをもとに聞こえの程度を評価します。また、音環境に関する用語として、騒音防止だけでなく快適な音の質まで含めた考え方がサウンドアメニティーです。耳の部位の名称だけでなく、それぞれが何をするかまで関連付けて覚えると、応用問題にも対応しやすくなります。

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ひっかけポイント

この問題の罠は、外耳の範囲に鼓膜を含める説明にあります。日常的には鼓膜も耳の入り口側にあるため外耳の一部のように感じやすいですが、試験では鼓膜を外耳と中耳の境界として整理する扱いがよく用いられます。そのため、見慣れた表現に思えても、試験上の分類に照らして判断する必要があります。また、他の選択肢はどれも基本事項として広く知られているため、受験者は安心して読み流しやすい構成です。こうした問題では、一つだけある分類上の微妙なズレを見抜けるかが問われています。つまり、言葉の雰囲気ではなく、教科書的な定義と整理に基づいて判断することが大切です。

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