【ビル管過去問】令和3年度 問題152|床以外の清掃作業の基礎|トイレ・湯沸室・玄関ホール清掃を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和3年度(2021年)|清掃第152問

問題

床以外の清掃作業に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

(1) トイレは、清掃作業により全面的に使用禁止とならないよう、工程を工夫する必要がある。

(2) 湯沸室に使用する資機材は、湯沸室専用として他の場所と区別する配慮が必要である。

(3) 玄関ホールの清掃品質は、視線の方向や高さを変えて確認する。

(4) 階段の壁面は、廊下の壁面と比較して、ほこりの付着度合が低い。

(5) 玄関ホールは、季節や天候の影響を受けるため、清掃の品質が変動しやすい。

 

 

 

ビル管過去問|床以外の清掃作業の基礎を解説

この問題は、床以外の清掃作業における実務上の配慮や、点検の考え方について問う問題です。トイレや湯沸室、玄関ホール、階段などは、それぞれ用途や汚れ方が異なるため、場所ごとの特性を踏まえて清掃方法や確認方法を考えることが大切です。誤りは(4)です。階段の壁面は、利用者の手の接触や空気の流れ、動線上での汚れの付着などにより、必ずしも廊下の壁面よりほこりの付着度合いが低いとはいえないためです。

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(1) トイレは、清掃作業により全面的に使用禁止とならないよう、工程を工夫する必要がある。

適切です。トイレは建物利用者が日常的に頻繁に使用する場所であり、清掃のために長時間全面閉鎖すると、利用者の不便や衛生上の問題を生じやすくなります。そのため、実務では一部ずつ作業する、混雑時間帯を避ける、男女別や便器ごとに順次清掃するなど、利用を継続しながら安全かつ衛生的に作業できるよう工程を工夫します。清掃品質だけでなく、利用者への配慮も建築物清掃では重要な考え方です。

(2) 湯沸室に使用する資機材は、湯沸室専用として他の場所と区別する配慮が必要である。

適切です。湯沸室は飲料や食器、調理関連設備などを扱う場所であり、衛生面への配慮が特に求められます。トイレや一般通路で使った資機材をそのまま持ち込むと、汚染の持ち込みや不衛生な印象につながるおそれがあります。そのため、クロスやスポンジ、バケツなどを専用化し、他の区域のものと明確に区別して管理することが望ましいです。これは交差汚染を防ぐという衛生管理上の基本でもあります。

(3) 玄関ホールの清掃品質は、視線の方向や高さを変えて確認する。

適切です。玄関ホールは建物の第一印象を左右する場所であり、床面の光沢、ガラス面の汚れ、金属部のくもり、隅部のごみなどが目立ちやすい場所です。しかも、立ったまま正面から見るだけでは見えない汚れもあります。例えば、床の拭きむらやガラスのすじは、見る角度や光の当たり方によって見え方が変わります。そのため、視線の方向や高さを変えて確認することは、清掃品質を正しく評価するうえで大切です。

(4) 階段の壁面は、廊下の壁面と比較して、ほこりの付着度合が低い。

不適切です。階段の壁面は、人の昇降に伴う空気の流れや、手すり付近での接触、靴底から舞い上がる粉じんの影響などを受けやすく、ほこりが付着しやすい場合があります。また、階段は上下移動の動線であり、狭い空間の中で気流が生じやすいため、壁面や隅部に汚れがたまりやすいこともあります。そのため、階段の壁面が廊下の壁面より常にほこりの付着度合いが低いと一般化することはできません。このような比較表現で一方を一律にきれいとする記述は注意が必要です。

(5) 玄関ホールは、季節や天候の影響を受けるため、清掃の品質が変動しやすい。

適切です。玄関ホールは外部と内部の接点であり、雨天時には水分や泥、晴天時には砂ぼこり、冬季には乾いた粉じんなどが持ち込まれやすい場所です。来館者数や天候条件によって汚れ方が大きく変わるため、同じ清掃回数や同じ作業内容でも見た目の仕上がりや維持状態に差が出やすくなります。そのため、玄関ホールでは季節や天候、利用状況に応じて作業頻度や方法を調整する視点が重要です。

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この問題で覚えるポイント

床以外の清掃作業では、場所ごとの用途と汚染リスクを理解することが重要です。トイレは利用を止めすぎないよう工程管理が必要であり、湯沸室は衛生性の高い区域として資機材の専用化が望まれます。玄関ホールは外部からの土砂、水分、粉じんの影響を強く受けるため、季節や天候、利用人数によって汚れの程度が変動しやすい場所です。また、清掃品質の確認では、単に見た目を正面から確認するだけでなく、光の反射や視線の角度、高さを変えて点検することが大切です。さらに、壁面の汚れは場所によって一律ではなく、階段のように気流や接触の影響を受けやすい部位では、かえって汚れが目立つことがあります。試験では、場所の特性に応じた清掃方法、資機材管理、点検方法の違いを整理して覚えることが正誤判断に直結します。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、日常感覚で何となくきれいそうに思える場所を、実際の清掃実務でも汚れにくいと決めつけてしまう点にあります。特に階段の壁面は、廊下より人が長く滞在しないため汚れにくいように感じますが、実際には昇降時の気流や接触、隅部へのほこりの滞留などにより、単純比較はできません。また、清掃に関する設問では、「常に」「低い」「優れる」など一律に断定する表現が使われたときは注意が必要です。一部の状況では成り立っても、一般論としては誤りという形で出題されやすいです。さらに、トイレや湯沸室、玄関ホールのように用途が明確な場所は、それぞれ衛生管理や作業工程の考え方が異なるため、場所ごとの特徴を切り分けて理解しておくことが大切です。

独学で整理しづらい方はこちら。

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