【ビル管過去問】令和3年度 問題150|床維持剤のドライメンテナンス法|ドライバフ法・スプレークリーニング法を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和3年度(2021年)|清掃第150問

問題

床維持剤のドライメンテナンス法に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。

(1) ウェットメンテナンス法に比べて部分補修がしにくい。

(2) ドライバフ法で用いる床磨き機は、回転数が高いとフロアポリッシュの皮膜を傷めるので、低速で使用する。

(3) ドライバフ法は、つや出し作用を持つスプレー液をかけながらパッドで磨き、光沢を回復させる。

(4) スプレークリーニング法は、毎分1,000回転以上の超高速床磨き機を用いる。

(5) ウェットメンテナンス法に比べて作業の安全性が高い。

ビル管過去問|床維持剤のドライメンテナンス法|ドライバフ法・スプレークリーニング法を解説

この問題は、床維持剤の維持管理方法のうち、ドライメンテナンス法とウェットメンテナンス法の違い、さらにドライバフ法とスプレークリーニング法の作業内容や使用機械の特徴を正しく理解しているかを問う問題です。正しい選択肢は(5)です。ドライメンテナンス法は、洗浄液や水の使用量が少なく、床面の乾燥も早いため、転倒や作業中の滑りといった危険を比較的抑えやすい方法です。一方で、各手法の名称が似ているため、ドライバフ法とスプレークリーニング法の内容を取り違えないことが大切です。

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(1) ウェットメンテナンス法に比べて部分補修がしにくい。

不適切です。ドライメンテナンス法は、床維持剤の表面を磨いて光沢を回復させたり、局所的な汚れや摩耗部分を補修したりするのに適した方法です。全面的に洗浄して塗り直すウェットメンテナンス法よりも、必要な部分だけを効率よく処理しやすいという特徴があります。そのため、部分補修がしにくいという記述は逆です。実務でも、軽度の摩耗や光沢低下には、まずドライメンテナンスで対応することが多いです。

(2) ドライバフ法で用いる床磨き機は、回転数が高いとフロアポリッシュの皮膜を傷めるので、低速で使用する。

不適切です。ドライバフ法は、床維持剤の表面をパッドで乾式研磨して光沢を回復させる方法であり、一般に高速または超高速の床磨き機を用います。高速回転による摩擦熱や研磨作用を利用して、床維持剤表面を平滑化し、つやを出すのがこの方法の基本です。低速機は洗浄や剥離など別の用途で使われることが多く、ドライバフ法の説明としては適切ではありません。回転数が高いと必ず皮膜を傷めるという理解ではなく、適切なパッドや機械条件で光沢回復を図る方法だと押さえることが重要です。

(3) ドライバフ法は、つや出し作用を持つスプレー液をかけながらパッドで磨き、光沢を回復させる。

不適切です。つや出し作用を持つスプレー液を床面に噴霧しながら磨く方法は、ドライバフ法ではなくスプレークリーニング法です。ドライバフ法は、原則としてスプレー液を用いず、乾いた状態でパッドを当てて光沢を回復させる方法です。ここでは、方法名に「ドライ」とあることから乾式である点が重要です。問題文は、スプレークリーニング法の特徴をドライバフ法の説明として入れ替えているため、誤りになります。

(4) スプレークリーニング法は、毎分1,000回転以上の超高速床磨き機を用いる。

不適切です。スプレークリーニング法は、床面に専用のスプレー液を噴霧し、床磨き機とパッドで汚れの除去と光沢回復を同時に行う方法です。一般には低速機や高速機が用いられ、毎分1,000回転以上の超高速機を用いることを前提とした方法ではありません。超高速機は主としてドライバフのような光沢回復に適した場面で用いられます。したがって、スプレークリーニング法を超高速床磨き機と結びつけている点が不適切です。

(5) ウェットメンテナンス法に比べて作業の安全性が高い。

適切です。ドライメンテナンス法は、水や洗剤液を大量に使用しないため、作業中に床が濡れて滑りやすくなる危険が少なく、利用者や作業者の転倒事故を防ぎやすいという利点があります。また、作業後の乾燥時間も短く、通行規制の範囲や時間を小さくしやすい点でも管理しやすい方法です。もちろん機械操作には注意が必要ですが、ウェットメンテナンス法と比べた場合の一般的な特徴として、作業の安全性が高いと考えてよいです。

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この問題で覚えるポイント

床維持剤のメンテナンスは、ドライメンテナンス法とウェットメンテナンス法に大別して理解すると整理しやすいです。ドライメンテナンス法は、水や洗剤の使用を抑えながら、光沢回復や軽度の汚れ除去、部分補修を行う方法です。これに対してウェットメンテナンス法は、洗浄液などを用いて床面の汚れを除去する方法で、必要に応じて表面洗浄や剥離、再塗布まで含む比較的大がかりな管理になります。

ドライバフ法は、乾いた状態でパッドを用いて床維持剤表面を磨き、光沢を回復させる方法です。主に高速機や超高速機を使用する点が特徴です。一方、スプレークリーニング法は、専用スプレー液を噴霧しながら磨く方法で、汚れ除去とつや出しを同時に行います。この二つは試験で非常によく比較されるため、スプレー液を使うかどうか、どのような目的で行うかを明確に区別して覚えることが大切です。

また、ドライメンテナンス法は床を濡らしにくいため、乾燥時間が短く、安全性や作業効率の面で有利です。反対に、汚れが重度である場合や皮膜の劣化が進んでいる場合は、ウェットメンテナンス法による表面洗浄や剥離再塗布が必要になります。つまり、軽度の劣化にはドライ、重度の汚れや皮膜劣化にはウェットという使い分けが正誤判断に直結します。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、ドライバフ法とスプレークリーニング法の説明を意図的に入れ替えている点にあります。受験者は、どちらも床磨き機とパッドを使って光沢を回復させる方法であるため、名称だけで何となく判断すると混同しやすいです。特に、つや出しや光沢回復という共通の言葉に引っ張られると、スプレー液を用いる方法がどちらだったか曖昧になりやすいです。

また、回転数に関する記述も典型的な罠です。高速機や超高速機という言葉を見ると、機械が強すぎて床を傷めそうだという日常感覚で判断しがちですが、試験では感覚ではなく、各作業法に適した機械条件を知っているかが問われます。さらに、作業の安全性についても、水を使わないほうが滑りにくいという基本を押さえていれば判断できますが、機械を使うから危険そうだと印象で誤ることがあります。

今後も同様の問題では、方法名だけで判断せず、スプレー液の有無、使用する機械の回転特性、主な目的が汚れ除去なのか光沢回復なのかという三つの軸で整理すると、ひっかかりにくくなります。

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