【ビル管過去問】令和3年度 問題176|衛生害虫が媒介する感染症|チクングニア熱・マラリア・レプトスピラ症を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和3年度(2021年)|ねずみ、昆虫等の防除第176問

問題

衛生害虫等が媒介する感染症とその媒介者の組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。

(1) チクングニア熱 ―――― ヒトスジシマカ

(2) 日本紅斑熱 ―――――― コロモジラミ

(3) ウエストナイル熱 ――― アカイエカ

(4) レプトスピラ症 ―――― ネズミ

(5) マラリア ――――――― ハマダラカ

 

 

 

ビル管過去問|衛生害虫が媒介する感染症を解説

この問題は、感染症とその媒介者の正しい組合せを判別できるかを問う問題です。衛生害虫やネズミは、単に不快な存在であるだけでなく、病原体を運ぶ重要な媒介者となります。日本紅斑熱とコロモジラミを組み合わせたものが誤っているため、不適切は(2)です。日本紅斑熱は主にマダニ類が媒介し、コロモジラミが媒介する感染症ではありません。他の選択肢は、感染症と媒介者の対応として適切です。感染症名だけで覚えるのではなく、どの生物が媒介するのかまで結びつけて整理しておくことが大切です。

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(1) チクングニア熱 ―――― ヒトスジシマカ

適切です。チクングニア熱は、蚊によって媒介される感染症で、主な媒介蚊としてヒトスジシマカやネッタイシマカが知られています。ヒトスジシマカは日本でも広く見られる蚊で、比較的小さな水たまりや人工容器に発生しやすい特徴があります。デング熱と同様に、蚊がウイルスを持つ人を吸血した後、別の人を吸血することで感染が広がります。試験では、ヒトスジシマカが媒介する感染症としてチクングニア熱やデング熱がよく問われるため、セットで覚えておくと整理しやすいです。

(2) 日本紅斑熱 ―――――― コロモジラミ

不適切です。日本紅斑熱は、リケッチアという病原体によって起こる感染症で、主な媒介者はマダニ類です。山林や草地などでマダニに刺されることで感染することが知られています。一方、コロモジラミは衣類などに寄生しやすいシラミで、発疹チフスなどとの関連が知られる媒介者です。そのため、日本紅斑熱とコロモジラミを結びつけるのは誤りです。この選択肢は、同じく吸血する小型生物であることから混同しやすいですが、日本紅斑熱はダニ媒介感染症であることをしっかり押さえる必要があります。

(3) ウエストナイル熱 ――― アカイエカ

適切です。ウエストナイル熱はウイルス感染症で、主に蚊によって媒介されます。媒介蚊としてはアカイエカ類が重要です。鳥と蚊の間でウイルスが循環し、その蚊が人を吸血することで人にも感染することがあります。人から人へ通常の接触で広がるものではなく、蚊が病原体を運ぶことが特徴です。アカイエカは都市部でも見られる代表的な蚊であり、衛生害虫分野では発生源や媒介感染症と合わせて理解しておくことが大切です。

(4) レプトスピラ症 ―――― ネズミ

適切です。レプトスピラ症は、レプトスピラという細菌による感染症で、ネズミなどのげっ歯類が重要な保菌動物です。ネズミの尿で汚染された水や土壌を介して感染することがあり、皮膚の傷や粘膜から体内に侵入します。つまり、蚊やダニのように刺されてうつるのではなく、ネズミによる環境汚染を介して感染する点が特徴です。ビル管理の分野では、ネズミ防除が単なる建物被害の対策ではなく、感染症予防にもつながることを理解しておくことが重要です。

(5) マラリア ――――――― ハマダラカ

適切です。マラリアは原虫による感染症で、媒介者はハマダラカです。マラリアを媒介する蚊として最も重要なのはハマダラカであり、アカイエカやヒトスジシマカではありません。感染症と媒介蚊の対応を問う問題では、蚊の種類を入れ替えて誤答を誘うことがよくあります。マラリアはハマダラカ、デング熱やチクングニア熱はヒトスジシマカやネッタイシマカというように、媒介者の違いを明確に区別して覚えることが得点につながります。

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この問題で覚えるポイント

感染症と媒介者の組合せは、病原体の種類ではなく、どの生物が運ぶのかで整理すると覚えやすくなります。蚊が媒介する代表例としては、チクングニア熱、デング熱、ウエストナイル熱、マラリアがありますが、それぞれ媒介する蚊の種類が異なります。チクングニア熱やデング熱はヒトスジシマカやネッタイシマカ、ウエストナイル熱はアカイエカ類、マラリアはハマダラカです。日本紅斑熱は蚊やシラミではなくマダニが媒介します。レプトスピラ症は吸血昆虫ではなく、ネズミの尿で汚染された環境を介して感染する点が重要です。つまり、感染症の分類としては、蚊媒介、ダニ媒介、ネズミ関連感染症という形で分けて覚えると、正誤判断がしやすくなります。似た吸血生物でも媒介する病気は異なるため、生物名と感染症名を一対一で結びつけて覚えることが大切です。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、どれも実在する感染症名と実在する媒介者名を並べて、もっともらしく見せている点にあります。特に、日本紅斑熱のように日常ではなじみが薄い病名は、吸血する小型生物なら何でも媒介しそうだと考えてしまい、コロモジラミを選んでしまいやすいです。また、蚊の種類も混同しやすく、アカイエカ、ヒトスジシマカ、ハマダラカの区別が曖昧だと誤答につながります。試験作成者は、感染症名だけを暗記していて媒介者まで整理できていない受験者を狙っています。今後も、感染症と媒介者の対応は、吸血するかどうかではなく、どの生物が代表的な媒介者なのかをセットで覚えることが大切です。

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