【ビル管過去問】令和3年度 問題85|音響用語の基礎知識|純音・吸音率・拡散音場・パワーレベルを解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和3年度(2021年)|空気環境の調整第85問

問題

音に関する用語とその説明として、最も不適当なものは次のうちどれか。

(1) 広帯域騒音 ―――― 拡散音場広い周波数領域の成分を含む騒音

(2) 吸音率 ―――――― 入射音響エネルギーに対する吸収エネルギーの割合

(3) 純音 ――――――― 一つの周波数からなる音波のこと

(4) 拡散音場 ――――― 空間に音のエネルギーが一様に分布し、音があらゆる方向に伝搬している状態のこと

(5) パワーレベル ――― 音源の音響出力をデシベル尺度で表記したもの

 

 

 

ビル管過去問|音響用語の基礎知識|純音・吸音率・拡散音場・パワーレベルを解説

この問題は、音に関する基本用語の意味を正しく理解しているかを問う問題です。音響分野では、似たような言葉でも表している対象が異なるため、定義をそのまま覚えることが正誤判断に直結します。広帯域騒音、純音、拡散音場、パワーレベルはいずれも基本事項として頻出です。誤りは(2)です。吸音率は入射音響と比較した際の吸収エネルギーと透過エネルギーを足したものの割合です。

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(1) 広帯域騒音 ―――― 拡散音場広い周波数領域の成分を含む騒音

適切です。広帯域騒音とは、特定の単一周波数だけでなく、広い周波数範囲にわたる成分を含む騒音を指します。たとえば交通騒音や空調機械の運転音のように、さまざまな周波数が混ざった音がこれに当たります。純音のような単一周波数の音と対比して理解すると覚えやすいです。文中にややつながりの不自然な部分がありますが、広い周波数領域の成分を含む騒音という説明自体は、広帯域騒音の説明として妥当です。

(2) 吸音率 ―――――― 入射音響エネルギーに対する吸収エネルギーの割合

不適切です。吸音率は入射音響と比較した際の吸収エネルギーと透過エネルギーを足したものの割合です。試験対策として重要なのは、吸音率が音の大きさそのものではなく、材料の音の吸収しやすさを示す指標であることです。また、反射率や透過率と混同しやすいため、入射音に対してどのような割合を表すのかを区別して覚える必要があります。

(3) 純音 ――――――― 一つの周波数からなる音波のこと

適切です。純音とは、単一の周波数成分だけで構成される音をいいます。音響学では最も基本的な音のモデルであり、音の性質を考えるときの基準になります。現実の騒音は多くの周波数成分を含むことが多いですが、純音はそのような複雑な音とは異なり、理論的に整理しやすい音です。試験では、広帯域騒音や複合音との違いを問われることがあります。

(4) 拡散音場 ――――― 空間に音のエネルギーが一様に分布し、音があらゆる方向に伝搬している状態のこと

適切です。拡散音場とは、室内などの空間で音が壁や天井などで何度も反射し、各方向からほぼ均等に存在しているような状態をいいます。つまり、特定の方向からだけ音が来るのではなく、空間全体に音エネルギーが広がっている状態です。残響室のような環境では、この考え方が特に重要になります。吸音率や残響時間を評価する際にも関係する概念なので、定義を正確に押さえておくことが大切です。

(5) パワーレベル ――― 音源の音響出力をデシベル尺度で表記したもの

適切です。パワーレベルは、音源そのものがどれだけの音響エネルギーを出しているかを表す量です。音圧レベルが測定位置や距離、室内の反射条件などの影響を受けやすいのに対し、パワーレベルは音源固有の性能を示す指標として用いられます。そのため、機械設備や空調機器の騒音性能を比較するときにも重要です。音圧レベルと名前が似ているため混同しやすいですが、何を表しているのかが違います。

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この問題で覚えるポイント

音響用語では、まず何を表す量なのかを明確に区別して覚えることが大切です。純音は一つの周波数だけからなる音であり、広帯域騒音は広い周波数成分を含む騒音です。したがって、単一成分か複数成分かという違いが基本になります。吸音率は入射音響エネルギーに対する吸収エネルギーの割合を示す無次元量で、材料や仕上げ面の吸音性能を評価するときに用いられます。拡散音場は、音エネルギーが空間内にほぼ一様に分布し、あらゆる方向から音が到来するような状態です。パワーレベルは音源が出す音響出力を示す量であり、測定位置に依存しやすい音圧レベルとは区別して理解する必要があります。試験では、用語の定義をそのまま問うだけでなく、音圧レベルとパワーレベル、純音と広帯域騒音、吸音率と反射率のような似た概念の違いを見分けられるかが重要です。

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ひっかけポイント

このテーマのひっかけは、用語自体は見覚えがあるのに、何を表す量なのかを曖昧に覚えている受験者を狙っている点にあります。特に吸音率、反射率、透過率のように割合で表す概念は混同しやすく、音圧レベルとパワーレベルもどちらもデシベルで表すため、同じもののように感じてしまいがちです。また、純音と広帯域騒音も、どちらも音であることに引っ張られて区別が甘くなることがあります。こうした問題では、用語の雰囲気で判断するのではなく、その言葉が周波数の性質を示すのか、空間の状態を示すのか、材料の性能を示すのか、音源の出力を示すのかを頭の中で整理してから選ぶことが重要です。

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