出典:建築物衛生管理技術者試験令和3年度(2021年)|空気環境の調整第79問
問題
汚染物質とその濃度又は強さを表す単位の組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。
(1) アスベスト ―――― CFU/m3
(2) 放射能 ―――――― Bq
(3) オゾン ―――――― μg/m3
(4) 二酸化イオウ ――― ppm
(5) トルエン ――――― μg/m3
ビル管過去問|汚染物質の濃度単位一覧|Bq・ppm・μg/m3・CFUの違いを解説
この問題は、汚染物質ごとにどのような単位で濃度や強さを表すのかを確認する問題です。正答は(1)です。アスベストにCFU/m3を用いるのは不適当であり、CFUは主に細菌や真菌などの微生物の測定で使われる単位です。一方で、Bqは放射能、ppmやμg/m3は気体や化学物質の濃度表示で用いられます。単位は対象物の性質と結びつけて覚えることが大切です。

(1) アスベスト ―――― CFU/m3
不適切です。アスベストは鉱物性の繊維状粒子であり、微生物ではありません。そのため、CFU/m3という単位で表すのは不適当です。CFUとはColony Forming Unitの略で、培地上で増殖してコロニーを形成できる微生物の数を示す単位です。細菌や真菌の空中浮遊数を表すときに使われます。これに対してアスベストは、一般に本数濃度や繊維数濃度として取り扱うものであり、微生物用の単位とは区別して理解する必要があります。物質の種類に応じて、粒子なのか、生物なのか、気体なのかを見分けることが正誤判断の基本です。
(2) 放射能 ―――――― Bq
適切です。Bqはベクレルと読み、放射性物質が1秒間に何回壊変するかを示す単位です。つまり、放射能の強さを表す単位として用いられます。放射線や放射能に関する単位は混同しやすいですが、Bqは放射性物質そのものの壊変の頻度を示すものであり、被ばく線量を示すSvとは異なります。この区別は試験でもよく問われる重要事項です。放射能はBq、人体への影響の評価はSvと整理しておくと理解しやすいです。
(3) オゾン ―――――― μg/m3
適切です。オゾンは空気中に存在する気体状汚染物質であり、その濃度はμg/m3のような質量濃度で表されることがあります。μg/m3は、1立方メートルの空気中に何マイクログラムの物質が含まれているかを示す単位です。空気中の化学物質やガス状物質の濃度表示ではよく用いられます。オゾンはppmで表されることもありますが、μg/m3で表すことも適切です。単位が一つしか使えないと考えてしまうと誤答しやすいため、同じ物質でも条件や基準によって表し方が異なることを押さえておくことが大切です。
(4) 二酸化イオウ ――― ppm
適切です。二酸化イオウは気体状汚染物質であり、ppmで表すことは適切です。ppmは百万分率を示す単位で、気体の濃度表示に広く用いられています。特に空気環境や排ガスの分野では、二酸化炭素、一酸化炭素、二酸化イオウなどの濃度をppmで扱うことがよくあります。ppmは体積比の感覚で理解するとわかりやすく、空気100万体積中に対象物質が何体積分含まれるかを示すイメージです。気体汚染物質にはppmがよく使われる、という基本を押さえておくと整理しやすいです。
(5) トルエン ――――― μg/m3
適切です。トルエンは揮発性有機化合物の一つであり、室内空気中ではμg/m3のような質量濃度で表されることが一般的です。シックハウス対策や室内空気質の管理でも、トルエンなどの化学物質はμg/m3で基準値や指針値が示されることがあります。トルエンは気体として存在しますが、質量で評価するほうが管理基準として扱いやすいため、このような単位が使われます。化学物質についてはppm表示もあり得ますが、室内環境管理ではμg/m3が頻出ですので、実務的にも重要な知識です。
この問題で覚えるポイント
汚染物質の単位は、その物質の性質に合わせて使い分けます。微生物はCFU、放射能はBq、気体状汚染物質はppmやμg/m3で表すのが基本です。CFUは細菌や真菌のように培養してコロニーを形成するものに使う単位であり、粉じんやアスベストには使いません。Bqは放射性物質の壊変回数を示す単位で、被ばく線量を示すSvとは意味が異なります。ppmは気体の濃度を割合で表す単位であり、二酸化イオウや二酸化炭素などでよく用いられます。μg/m3は空気1立方メートル中の物質の質量を示す単位で、オゾンやトルエン、ホルムアルデヒドなどの化学物質でよく使われます。試験では、物質名を見たらまず微生物か、放射性物質か、ガス状物質か、粒子状物質かを判別し、それに対応する単位を結びつけることが重要です。
ひっかけポイント
この問題のひっかけは、単位だけを見て何となくそれらしく感じてしまうところにあります。特にCFU/m3は空気中の何かを測る単位のように見えるため、浮遊するアスベストにも使えそうだと誤解しやすいです。しかし、CFUは微生物専用の考え方であり、無機繊維であるアスベストには使えません。また、オゾンやトルエンのような化学物質はppmでもμg/m3でも見かけることがあるため、どちらか一方しか正しくないと思い込むと引っかかります。さらに、BqとSvの混同も定番の罠です。問題作成者は、受験者が単位の意味を曖昧に覚えているところを狙っています。今後も、単位を暗記するだけでなく、その単位が何を数えているのか、割合なのか、質量なのか、壊変回数なのか、微生物数なのかまで理解しておくことが大切です。