出典:建築物衛生管理技術者試験令和3年度(2021年)|空気環境の調整第54問
問題
室内におけるホルムアルデヒドの発生源のうち、最も不適当なものは次のうちどれか。
(1) ユリア樹脂系接着剤
(2) パーティクルボード
(3) 家具
(4) コンクリート
(5) 喫煙
ビル管過去問|室内ホルムアルデヒド発生源|接着剤・家具・建材・喫煙を解説
この問題は、室内におけるホルムアルデヒドの主な発生源を正しく理解しているかを問う問題です。ホルムアルデヒドは、建材や接着剤、家具、たばこの煙などから発生し、室内空気汚染の原因となります。一方で、コンクリートそのものは一般にホルムアルデヒドの発生源とは考えられません。したがって、正解は(4)です。室内空気質の問題では、何が化学物質を放散しやすいかを材料の性質と結びつけて整理しておくことが大切です。
(1) ユリア樹脂系接着剤
適切です。ユリア樹脂系接着剤は、ホルムアルデヒドを原料の一部として用いる接着剤であり、使用後に未反応分や分解によってホルムアルデヒドを放散することがあります。特に合板や木質材料の接着に使われることが多く、室内空気汚染の代表的な原因として知られています。建築材料の知識では、接着剤そのものが発生源になりうることを押さえておく必要があります。
(2) パーティクルボード
適切です。パーティクルボードは、木材の小片を接着剤で固めて作られる木質材料です。このとき使用される接着剤にユリア樹脂系などが含まれていると、そこからホルムアルデヒドが放散されることがあります。見た目は木材製品でも、無垢材とは異なり、接着剤を多く使う加工材料は化学物質の発生源になりやすい点が重要です。
(3) 家具
適切です。家具は木質ボードや合板、表面材、接着剤、塗料など複数の材料から構成されるため、ホルムアルデヒドの発生源となることがあります。特に新しい家具では、製造時に使われた接着剤や化学物質が室内に放散しやすいことがあります。建築材料そのものだけでなく、室内に持ち込まれる家具や什器も空気質に影響するという視点を持つことが大切です。
(4) コンクリート
不適切です。コンクリートはセメント、砂、砂利、水などを主成分とする無機材料であり、一般にはホルムアルデヒドの発生源とはされません。ホルムアルデヒドは主として有機系の接着剤や樹脂、木質加工製品、塗料、たばこの煙などに関連する物質です。そのため、発生源を問うこの問題では、コンクリートが最も不適当な選択肢となります。材料の分類として、有機系材料か無機系材料かを意識すると判断しやすくなります。
(5) 喫煙
適切です。たばこの煙にはホルムアルデヒドを含むさまざまな有害化学物質が含まれています。そのため、喫煙は室内のホルムアルデヒド濃度を上昇させる原因の一つです。建材や家具だけでなく、人の行動によっても室内空気が汚染されることを理解しておく必要があります。ビル管試験では、発生源対策として換気や発生源の除去を結びつけて考えることが重要です。
この問題で覚えるポイント
ホルムアルデヒドは、主に接着剤、合板、パーティクルボード、家具、内装材、塗料、たばこの煙などから発生する化学物質です。特に木質系の加工建材や家具は、製造時に使われる樹脂接着剤が発生源になりやすいので重要です。これに対して、コンクリート、ガラス、金属のような無機材料は、通常はホルムアルデヒドの主要な発生源にはなりません。試験では、木質加工製品と無機材料の違いを整理しておくと正誤判断がしやすくなります。また、ホルムアルデヒド対策は、発生源の少ない材料の使用、十分な換気、新しい家具や建材の放散低減が基本です。建築基準法では内装仕上げ等に関する放散等級の考え方も重要になるため、F☆☆☆☆などの表示とあわせて理解しておくと応用が利きます。
ひっかけポイント
この問題のひっかけは、室内に存在するものは何でも化学物質の発生源になりそうだという日常感覚を利用している点です。コンクリートも建材なので有害物質を出しそうだと感じて選んでしまいやすいですが、ホルムアルデヒドは主に有機系の接着剤や樹脂に関係する物質です。つまり、材料の見た目ではなく、何から作られているかを考えることが重要です。また、家具は建材ではないから除外してしまう受験者もいますが、室内空気汚染では家具や喫煙も立派な発生源です。試験では、建物そのものだけでなく、室内に持ち込まれるものや生活行為まで含めて考える癖をつけると、同じパターンの問題に強くなります。
