【ビル管過去問】令和3年度 問題41|感染症法の類型分類|一類・二類・三類・四類・五類感染症の違いを解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和3年度(2021年)|建築物の環境衛生第41問

問題

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(以下「感染症法」という。)における感染症の類型に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

(1) 一類感染症では、交通が制限されることがある。

(2) 二類感染症では、建物の立ち入りは制限されない。

(3) 三類感染症では、就業制限される職種がある。

(4) 四類感染症では、積極的疫学調査は実施されない。

(5) 五類感染症には、ジアルジア症が含まれる。

ビル管過去問|感染症法の類型分類|一類・二類・三類・四類・五類感染症の違いを解説

この問題は、感染症法における一類から五類までの感染症について、どのような行政措置が取られるのかを整理して問う問題です。正解は(4)です。感染症法では、積極的疫学調査は一類、二類、三類、四類で患者が発生した場合などに実施され、五類でも発生状況に異状が認められる場合などには行われます。したがって、「四類感染症では、積極的疫学調査は実施されない」という記述は誤りです。なお、一類感染症では交通制限があり得ること、三類感染症では特定の職種に就業制限があり得ること、五類感染症にジアルジア症が含まれることは、いずれも正しい理解です。

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(1) 一類感染症では、交通が制限されることがある。

適切です。感染症法上、一類感染症は感染力と重篤性の観点から極めて危険性が高い感染症とされ、強いまん延防止措置の対象になります。そのため、必要に応じて交通の制限や遮断などの措置が取られることがあります。試験では、一類感染症が最も強い公衆衛生上の措置の対象になるという全体像を押さえておくことが大切です。

(2) 二類感染症では、建物の立ち入りは制限されない。

適切です。建物への立入制限や封鎖、交通制限などの強い措置は、主に一類感染症等で問題となるもので、二類感染症では通常そこまでの措置は想定されていません。二類感染症は重篤性が高く、入院勧告などの措置の対象にはなりますが、一類感染症と同じ範囲の対物措置や地域的制限がそのまま及ぶわけではありません。この問題では、「二類も重い感染症だから一類と同じ措置が全部できるはずだ」と考えてしまうと誤りやすいです。

(3) 三類感染症では、就業制限される職種がある。

適切です。三類感染症は、主として飲食物の取扱いなどを通じて集団感染を起こしやすい感染症が含まれます。そのため、感染拡大を防ぐ目的で、特定の業務に従事する人に就業制限がかかることがあります。ここは、三類感染症の特徴が「患者本人の重症度」だけでなく、「他者への感染拡大を防ぐ必要性」に強く関係している点を理解すると覚えやすいです。

(4) 四類感染症では、積極的疫学調査は実施されない。

不適切です。四類感染症でも、感染症法第15条に基づく積極的疫学調査は実施されます。厚生労働省の基本指針でも、積極的疫学調査は一類、二類、三類又は四類感染症の患者が発生し、又は発生した疑いがある場合などに行うと示されています。したがって、「四類感染症では実施されない」という断定は誤りです。この選択肢が正解になります。四類感染症は動物や媒介昆虫を介して感染するものも多く、原因や感染経路の把握が重要なため、疫学調査の対象になる点を押さえておきましょう。

(5) 五類感染症には、ジアルジア症が含まれる。

適切です。厚生労働省の類型一覧では、ジアルジア症は五類感染症に含まれています。五類感染症は、発生動向を把握して対策につなげることを重視する類型で、全数把握と定点把握に分かれるものがあります。ジアルジア症は五類感染症の中でも全数把握の対象として整理されています。感染症名そのものを問う問題も出やすいため、代表例はある程度覚えておくと得点しやすいです。

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この問題で覚えるポイント

感染症法の類型は、感染力と重篤性、さらに社会へのまん延防止の必要性に応じて一類から五類まで分類されます。一類感染症は最も強い措置の対象で、入院、交通制限、建物への措置などが問題になりやすいです。二類感染症も重篤ですが、一類ほど強い地域的制限まで常に伴うわけではありません。三類感染症は、飲食業などを通じた感染拡大防止のため就業制限が重要です。四類感染症は、動物や昆虫などを介する感染症が多く、発生時には積極的疫学調査の対象となります。五類感染症は発生動向調査が中心で、全数把握と定点把握の区別も重要です。試験対策としては、「どの類型にどの措置が結びつくか」をセットで整理することが、正誤判断に直結します。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、「感染症の重さ」と「実施される行政措置」の対応をあいまいに覚えている受験者を狙っている点にあります。特に、一類と二類の違い、三類の就業制限、四類の積極的疫学調査、五類の代表疾患というように、類型ごとの特徴をばらばらに問う形にされると混同しやすいです。また、「実施されない」「制限されない」といった強い否定表現は要注意です。制度上は実施されるのに、何となく頻度が低そうという印象だけで誤って正しいと判断してしまうことがあります。感染症法の問題では、病名暗記だけでなく、「その類型で何ができるか、何が中心か」を制度と結びつけて覚えることが大切です。

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