【ビル管過去問】令和7年度 問題97|LPガスの性質と設備の安全管理を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和7年度(2025年)|建築物の構造概論第97問

問題

LPガスとその設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

(1) LPガスの燃焼における理論空気量は、都市ガス(13A)より小さい。

(2) LPガス容器は、常時40℃以下を保てる場所に設置する。

(3) LPガスは、空気より比重が大きく、万一漏浅した場合は、低部に滞留するおそれがある。

(4) LPガスは、常温·常圧では気体であるが、加圧や冷却により液化して貯蔵·運搬される。

(5) LPガスは、1,000倍に希釈しても臭いを感知できる付臭剤の添加が、法令で義務付けられている。

ビル管過去問|LPガスの性質と設備の安全管理を解説

この問題は、LPガスの燃焼特性、容器の設置条件、漏えい時の危険性、液化して貯蔵される性質、付臭剤による安全対策について問う問題です。LPガスは都市ガスと比べて発熱量が大きく、燃焼に必要な理論空気量も大きいことが重要です。したがって、最も不適当な選択肢は、LPガスの理論空気量が都市ガスより小さいとしている(1)です。

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(1) LPガスの燃焼における理論空気量は、都市ガス(13A)より小さい。

不適切です。LPガスは、主成分がプロパンやブタンであり、都市ガス(13A)の主成分であるメタンと比べて、単位体積あたりの発熱量が大きい燃料です。そのため、完全燃焼させるために必要な酸素量も多くなり、結果として必要な理論空気量も都市ガスより大きくなります。問題文では「都市ガス(13A)より小さい」としているため誤りです。LPガスは高カロリーの燃料である分、十分な空気を供給しないと不完全燃焼を起こし、一酸化炭素発生などの危険につながる点も押さえておきましょう。

(2) LPガス容器は、常時40℃以下を保てる場所に設置する。

適切です。LPガス容器は、温度が上昇すると内部圧力が高くなるため、直射日光や火気、高温になる場所を避けて設置する必要があります。一般に、容器は常時40℃以下を保てる場所に設置することが求められます。これは容器内の圧力上昇による事故を防ぐための安全管理上の重要な基準です。

(3) LPガスは、空気より比重が大きく、万一漏浅した場合は、低部に滞留するおそれがある。

適切です。LPガスは空気より重いため、漏えいした場合には床面付近やくぼみ、地下室、ピットなどの低い場所にたまりやすい性質があります。そのため、漏えい時には低部に滞留したガスに引火して爆発や火災が起こる危険があります。都市ガスは空気より軽いものが多く、上方に拡散しやすいのに対し、LPガスは下方に滞留しやすいという比較は試験でよく問われます。

(4) LPガスは、常温·常圧では気体であるが、加圧や冷却により液化して貯蔵·運搬される。

適切です。LPガスは「Liquefied Petroleum Gas」の略で、日本語では液化石油ガスといいます。常温、常圧では気体ですが、比較的低い圧力を加えることで液化しやすいため、液体の状態で容器に貯蔵、運搬されます。液化することで体積を小さくできるため、効率よく保管や輸送ができるのが特徴です。

(5) LPガスは、1,000倍に希釈しても臭いを感知できる付臭剤の添加が、法令で義務付けられている。

適切です。LPガスそのものは本来ほぼ無臭ですが、漏えいに早く気づけるように付臭剤を添加することが義務付けられています。安全上、空気中に薄く拡散した状態でも人が臭いで感知できるようにする必要があります。LPガスの付臭は、漏えいを早期に発見し、火災や爆発を防止するための重要な安全対策です。

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この問題で覚えるポイント

LPガスは、主成分がプロパンやブタンであり、都市ガス(13A)の主成分であるメタンよりも単位体積あたりの発熱量が大きい燃料です。そのため、完全燃焼に必要な理論空気量は都市ガスより大きくなります。LPガスは常温、常圧では気体ですが、加圧や冷却によって液化しやすいため、液体として容器に貯蔵、運搬されます。LPガス容器は内部圧力の上昇を防ぐため、常時40℃以下を保てる場所に設置することが重要です。また、LPガスは空気より重く、漏えい時には床付近や低い場所に滞留しやすい性質があります。都市ガスは上方、LPガスは下方という拡散方向の違いは、正誤判断に直結する重要知識です。さらに、LPガスには漏えいを早期に発見できるよう付臭剤を添加することが義務付けられており、臭いによる感知も安全管理上の基本です。

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ひっかけポイント

この問題の大きなひっかけは、LPガスと都市ガスの比較です。LPガスは「液化して貯蔵する」「空気より重い」という特徴は覚えていても、燃焼に必要な理論空気量まで正確に押さえていないと誤答しやすくなります。発熱量が大きい燃料ほど、完全燃焼に必要な酸素量も多くなるため、理論空気量も大きくなると考えると判断しやすいです。また、「LPガスは危険だから空気量が少なくても燃えやすい」といった日常感覚で考えると誤りにつながります。燃えやすさの印象ではなく、燃焼に必要な酸素量という化学的な視点で判断することが大切です。

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