問題
LPガスとその設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
(1) LPガスの燃焼における理論空気量は、都市ガス(13A)より小さい。
(2) LPガス容器は、常時40℃以下を保てる場所に設置する。
(3) LPガスは、空気より比重が大きく、万一漏浅した場合は、低部に滞留するおそれがある。
(4) LPガスは、常温·常圧では気体であるが、加圧や冷却により液化して貯蔵·運搬される。
(5) LPガスは、1,000倍に希釈しても臭いを感知できる付臭剤の添加が、法令で義務付けられている。
ビル管過去問|LPガスの性質と設備の安全管理を解説
この問題は、LPガスの基本的な性質と、容器の設置・漏えい時の危険性・付臭などの保安知識を問う問題です。正しい選択肢を判断するには、「LPガスは空気より重い」「常温常圧では気体だが容易に液化できる」「漏えい時に気付きやすいよう付臭されている」といった基本事項を整理して覚えておくことが重要です。最も不適当なのは(1)です。LPガスは燃焼に多くの空気を必要とするガスであり、理論空気量が都市ガス(13A)より小さいとする記述は誤りです。
(1) LPガスの燃焼における理論空気量は、都市ガス(13A)より小さい。
不適切です。その理由は、LPガスは主成分がプロパンやブタンであり、メタンを主成分とする都市ガス13Aに比べて、燃焼時に必要となる空気量が小さいとはいえないためです。日本LPガス協会は、プロパン1m³を完全燃焼させるのに理論上約24倍の空気が必要と説明しています。また、13Aとの比較でも、LPGの理論空気量は小さいというより、同等かやや多い側で理解するのが適切です。したがって、「都市ガス(13A)より小さい」と断定したこの記述は誤りです。
(2) LPガス容器は、常時40℃以下を保てる場所に設置する。
適切です。その理由は、LPガスは液化ガスであり、容器の温度が上がると内部圧力も上昇し、安全上好ましくないためです。経済産業省の資料でも、容器に充てんされた液化ガスについては、常用温度の上限を40℃として扱っています。そのため、直射日光や高温になる場所を避け、常時40℃以下を保てる場所に設置するのが基本です。
(3) LPガスは、空気より比重が大きく、万一漏浅した場合は、低部に滞留するおそれがある。
適切です。その理由は、LPガスは空気より重い気体だからです。日本LPガス協会は、プロパンのガス比重は約1.5、ブタンは約2.0で、空気より重いため、漏えいすると底部に滞留すると説明しています。したがって、床面付近やくぼ地、排水溝など低い場所にガスがたまりやすく、換気や警報器の設置位置を考えるうえでも重要な性質です。
(4) LPガスは、常温·常圧では気体であるが、加圧や冷却により液化して貯蔵·運搬される。
適切です。その理由は、LPガスは通常の状態では気体ですが、比較的低い圧力や冷却で容易に液化できる性質をもつためです。日本LPガス協会でも、LPガスは常温・常圧では気体であり、常温で低い圧力をかけることによって容易に液化できると説明しています。この性質があるため、容器に液体として効率よく貯蔵・運搬し、使用時には気化させて利用しています。
(5) LPガスは、1,000倍に希釈しても臭いを感知できる付臭剤の添加が、法令で義務付けられている。
適切です。その理由は、LPガス自体は本来無色無臭であり、漏えい時に人が気付きやすくするため、付臭剤の添加が法令上求められているからです。日本LPガス協会は、高圧ガス保安法により、空気中の混入比率が1/1000の場合でも感知できるよう着臭することが定められていると説明しています。つまり、わずかな漏えいでも臭いで異常に気付きやすくするための安全対策です。
この問題で覚えるポイント
LPガスは空気より重く、漏れると低い場所にたまりやすいです。常温・常圧では気体ですが、加圧や冷却で容易に液化できるため、容器で貯蔵・運搬されます。容器は高温を避け、40℃以下を保てる場所に設置するのが基本です。さらに、LPガスは本来無臭なので、漏えいを察知できるよう1/1000の混入でも感知できる程度の付臭が行われています。燃焼には多くの空気を必要とする点も重要です。
ひっかけポイント
都市ガス13AとLPガスの比較で、発熱量が高いから空気量が少なくて済むと早合点しやすい点がひっかけです。実際には、LPガスは燃焼に必要な空気量が小さいとはいえません。また、「液化石油ガス」という名前から常温でも液体のように感じやすいですが、常温・常圧では気体です。さらに、都市ガスは空気より軽いのに対し、LPガスは空気より重いので、漏えい時の滞留位置を逆に覚えないよう注意が必要です。
