問題
電気及び電気設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
(1) 誘導灯は、災害時に居住者や利用者を安全に避難させるための設備である。
(2) 避雷針設備の設置義務は、電気事業法で定められている。
(3) マイクログリッドシステムとは、自然エネルギー発電を組み合わせ、地域の電力需要を満足する電力システムである。
(4) RE100とは、企業が事業運営を100%再生エネルギーで賄うことを目標とする国際的な取組である。
(5) 非常警報設備の設置基準は、消防法施行令に定められている。
ビル管過去問|電気及び電気設備を解説
この問題は、建築物に関係する電気設備や防災設備、近年のエネルギー関連用語についての基礎知識を問う問題です。誘導灯、避雷設備、マイクログリッド、RE100、非常警報設備と、法令知識と用語理解の両方が問われています。正しい正誤判定をするには、それぞれの設備の役割と、どの法律・政令で規定されているかを整理して覚えることが大切です。【正しい選択肢および理由】最も不適当なのは(2)です。避雷針設備の設置義務は電気事業法ではなく、建築基準法関係で整理される内容であり、法律名の取り違えが誤りです。
(1) 誘導灯は、災害時に居住者や利用者を安全に避難させるための設備である。
適切です。誘導灯は、火災や停電などの非常時に、建物内の人を避難口や避難方向へ安全に導くための設備です。特に煙や暗闇で視界が悪くなった場合でも、避難経路を明確に示す役割があります。建築物では、多数の人が利用するほど、迅速で混乱の少ない避難誘導が重要になります。そのため、誘導灯は防災上きわめて重要な設備であり、この記述は正しいです。
(2) 避雷針設備の設置義務は、電気事業法で定められている。
不適切です。避雷針設備は、建築物を雷撃から保護するための設備ですが、その設置義務を電気事業法で定めているというのは誤りです。電気事業法は、主として電気工作物の保安や電気事業の適正な運営などに関する法律であり、一般の建築物における避雷設備の設置義務を直接定める法体系ではありません。避雷設備は、建築物の安全確保という観点から、建築基準法関係の基準として押さえるべき内容です。つまり、この選択肢は「避雷設備」という言葉に引っぱられて「電気」に関する法律だと考えてしまうのがひっかけであり、法律名の対応関係が間違っています。
(3) マイクログリッドシステムとは、自然エネルギー発電を組み合わせ、地域の電力需要を満足する電力システムである。
適切です。マイクログリッドは、太陽光発電や風力発電、蓄電池、場合によってはコージェネレーションなどを組み合わせて、一定の地域や施設群の中で電力を効率よく融通・管理する仕組みです。平常時には系統電力と連携しながら運用し、災害時には独立して電力供給を継続することを目指す場合もあります。地域の電力需要を満たす小規模分散型の電力システムという理解でよく、この記述は適切です。
(4) RE100とは、企業が事業運営を100%再生エネルギーで賄うことを目標とする国際的な取組である。
適切です。RE100は、企業が事業活動で使用する電力を100%再生可能エネルギーで賄うことを目指す国際的なイニシアチブです。近年は、脱炭素経営やESG、SDGsの流れとも関連して重要性が高まっています。試験では、こうした新しいエネルギー・環境関連用語が出題されることがありますが、RE100は「再生可能エネルギー100%」を目標とする取組として押さえておけば対応しやすいです。したがって、この記述は正しいです。
(5) 非常警報設備の設置基準は、消防法施行令に定められている。
適切です。非常警報設備は、火災などの非常時に建物内の人へ警報を発し、避難行動を促すための設備です。こうした消防用設備等の設置基準は、消防法だけでなく、その具体的な内容を定める消防法施行令で整理されています。建築物の防災設備では、「何の設備か」と「どの法令で基準が定められるか」のセットで覚えることが重要です。この選択肢はその対応関係が正しいため、適切です。
この問題で覚えるポイント
電気設備に見える内容でも、必ずしも電気事業法で定められているとは限りません。建築物の避雷設備は、建築物の安全確保の観点から建築基準法関係で押さえることが大切です。誘導灯や非常警報設備は、防災・避難に関わる設備として消防法令と結びつけて覚えると整理しやすいです。マイクログリッドは、分散型電源を地域単位で活用する仕組みです。RE100は、企業が使用電力を100%再生可能エネルギーで賄うことを目指す国際的な取組です。設備の名称だけでなく、役割と根拠法令をセットで覚えることが得点につながります。
ひっかけポイント
「電気」が付く設備は全部電気事業法だと考えてしまうと間違えやすいです。避雷設備は雷対策の設備ですが、法律名の対応を混同しやすい典型です。誘導灯と非常警報設備も、どちらも防災設備なので役割が似て見えますが、誘導灯は避難方向を示す設備、非常警報設備は警報を発する設備という違いがあります。マイクログリッドやRE100のような新しめの用語は、雰囲気で判断せず、意味をそのまま素直に覚えることが重要です。
