出典:建築物衛生管理技術者試験令和7年度(2025年)|空気環境の調整第87問
問題
光と照明に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
(1) 事務所における製図室のグレア制限値は、事務室のグレア制限値よりも低い。
(2) 拡散グローブ照明は、間接照明型の照明器具である。
(3) 室内表面の輝度対比が大きすぎると、視覚的疲労感を生じる。
(4) 光が当たった物体の表面が平滑な場合、光は正反射し、光沢となる。
(5) タスク・アンビエント照明方式では、高照度が必要となる作業領域を局部照明で明るくすることで、全般照明による照度を抑えることができる。
ビル管過去問|照明と視環境(グレア・タスクアンビエント照明)を解説
この問題は、照明器具の分類、グレア、輝度対比、光の反射、タスク・アンビエント照明方式に関する知識を問う問題です。不適切な選択肢は(2)です。拡散グローブ照明は、光をグローブで拡散させて室内を照らす照明であり、間接照明型ではありません。
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(1) 事務所における製図室のグレア制限値は、事務室のグレア制限値よりも低い。
適切です。製図室では、細かい線や図面を正確に読み取る必要があるため、まぶしさによる見えにくさをより厳しく抑える必要があります。グレア制限値は、値が低いほどグレアを厳しく制限することを意味します。そのため、一般的な事務室よりも精密な視作業を行う製図室では、グレア制限値を低く設定するのが適切です。
(2) 拡散グローブ照明は、間接照明型の照明器具である。
不適切です。拡散グローブ照明は、光源を乳白色などのグローブで覆い、光を拡散させてまぶしさを和らげる照明器具です。光を天井や壁に一度反射させてから室内を照らす間接照明とは異なります。つまり、拡散グローブ照明は光を拡散する照明であって、間接照明型と判断するのは誤りです。
(3) 室内表面の輝度対比が大きすぎると、視覚的疲労感を生じる。
適切です。輝度対比とは、視野内にある明るい部分と暗い部分の明るさの差のことです。明暗差が大きすぎると、目は明るい部分と暗い部分に何度も順応しようとするため、疲れやすくなります。快適な視環境を保つためには、作業面、壁、天井、照明器具などの輝度バランスを適切に保つことが大切です。
(4) 光が当たった物体の表面が平滑な場合、光は正反射し、光沢となる。
適切です。平滑な面に光が当たると、光は一定の方向に反射しやすくなります。これを正反射といいます。鏡面や磨かれた金属面、光沢のある床面などで見られる反射です。一方、表面が粗い場合は光がいろいろな方向に散らばるため、拡散反射となります。
(5) タスク・アンビエント照明方式では、高照度が必要となる作業領域を局部照明で明るくすることで、全般照明による照度を抑えることができる。
適切です。タスク・アンビエント照明方式は、作業に必要な部分をタスク照明で明るくし、室内全体はアンビエント照明で必要最低限の明るさにする方式です。机上作業など高い照度が必要な場所だけを重点的に照らすため、室内全体を高照度にする必要がなく、省エネルギーにもつながります。
この問題で覚えるポイント
照明と視環境では、グレア、輝度、反射、照明方式の分類がよく問われます。グレアとは、まぶしさによって見えにくさや不快感が生じる現象です。細かい作業を行う場所ほど、グレアを厳しく抑える必要があります。グレア制限値は低いほど厳しい基準である点を押さえておきましょう。
輝度対比は、視野内の明るさの差を表します。明暗差が大きすぎると目が疲れやすくなり、視覚的疲労につながります。快適な視環境では、作業面だけでなく、周囲の壁、天井、照明器具との明るさのバランスも重要です。
光の反射では、平滑な面では正反射が起こり、光沢として感じられます。粗い面では拡散反射が起こり、光がさまざまな方向に散らばります。正反射は光沢や映り込みにつながり、場合によっては不快グレアの原因にもなります。
照明器具の分類では、拡散照明と間接照明を区別することが大切です。拡散グローブ照明は、グローブによって光をやわらかく広げる照明です。一方、間接照明は、天井や壁に光を当て、その反射光で空間を照らす方式です。
タスク・アンビエント照明方式は、作業部分を局部照明で明るくし、周囲の全般照明は抑える方式です。必要な場所に必要な明るさを与えるため、省エネルギー性に優れています。全体を一律に明るくする方式との違いを理解しておくと、正誤判断がしやすくなります。
ひっかけポイント
この問題の大きなひっかけは、拡散グローブ照明を間接照明と混同させる点です。どちらもまぶしさを和らげ、やわらかい光をつくる印象があるため、同じ種類の照明だと考えてしまいやすいです。しかし、拡散グローブ照明は光を器具のカバーで拡散させる方式であり、間接照明は天井や壁などに反射させて照らす方式です。
また、グレア制限値は数値が高いほどよいと考えてしまうと誤答につながります。制限値は低いほど厳しい制限を意味します。製図室のように精密な視作業を行う場所では、一般事務室よりもまぶしさを厳しく抑える必要があります。
照明の問題では、日常的な感覚だけで判断すると迷いやすくなります。やわらかい光だから間接照明、明るいほど作業しやすい、光沢があるほどよい、という単純な理解では不十分です。試験では、照明器具の構造、光の進み方、視作業への影響を分けて考えることが重要です。
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