【ビル管過去問】令和7年度 問題80|環境要素の測定を解説

問題

環境要素の測定に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

(1) 微生物の間接測定法には、核酸増幅法がある。

(2) 硫黄酸化物の測定には、溶液導電率法がある。

(3) 酸素の測定には、非分散型赤外線吸収法がある。

(4) オゾンの測定には、化学発光法がある。

(5) 浮遊粉じんの測定には、β線吸収法がある。

ビル管過去問|環境要素の測定を解説

この問題は、空気環境や各種環境要素をどの測定原理で測るのかを問う問題です。試験では、物質ごとに対応する代表的な測定法を正しく結び付けて覚えているかが重要になります。正しい選択肢を見分けるには、「その物質がどのような性質を利用して測定されるのか」を押さえることがポイントです。なお、最も不適当なのは(3)です。酸素は非分散型赤外線吸収法では測定できません。非分散型赤外線吸収法は、主に二酸化炭素など赤外線を吸収する気体の測定に用いられるためです。

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(1) 微生物の間接測定法には、核酸増幅法がある。

適切です。その理由は、核酸増幅法は微生物そのものを目で直接数える方法ではなく、微生物が持つDNAやRNAなどの核酸を増幅して検出する方法だからです。つまり、微生物由来の遺伝情報を手がかりに存在を把握する方法であり、顕微鏡観察のような直接測定とは性質が異なります。微生物の検出では、培養法のほかに、こうした遺伝子レベルの方法も用いられます。したがって、間接測定法として核酸増幅法を挙げるのは適切です。

(2) 硫黄酸化物の測定には、溶液導電率法がある。

適切です。その理由は、硫黄酸化物を吸収液に取り込ませると、液の性質が変化し、導電率が変わることを利用して測定できるからです。硫黄酸化物は大気汚染物質として古くから重要視されており、その測定にはいくつかの方法がありますが、溶液導電率法は代表的な測定法の一つです。試験では、硫黄酸化物と溶液導電率法の組み合わせは基本事項として押さえておきたいところです。

(3) 酸素の測定には、非分散型赤外線吸収法がある。

不適切です。その理由は、非分散型赤外線吸収法は、赤外線を吸収する気体の濃度を測る方法であり、酸素はこの方法に適していないからです。酸素分子は赤外線吸収の性質が乏しいため、非分散型赤外線吸収法では通常測定しません。非分散型赤外線吸収法は、建築物環境衛生分野では二酸化炭素濃度の測定法として有名です。酸素の測定には、磁気式や電気化学式など、酸素の別の性質を利用した方法が用いられます。したがって、この選択肢は誤りであり、最も不適当な記述です。

(4) オゾンの測定には、化学発光法がある。

適切です。その理由は、オゾンは特定の物質と反応したときに発光を伴う性質を利用して測定できるからです。化学発光法は、物質同士の化学反応で生じる光の強さから濃度を求める方法で、オゾン測定でも利用されます。オゾンは酸化力が強く、空気環境の管理でも注意すべき物質です。そのため、代表的な測定法として化学発光法を押さえておくことが大切です。

(5) 浮遊粉じんの測定には、β線吸収法がある。

適切です。その理由は、空気中の浮遊粉じんをろ紙などに捕集し、その前後でβ線の吸収量の変化を調べることで、粉じん量を測定できるからです。粉じんが多く付着するほどβ線が通りにくくなるため、その減衰の程度から濃度を求めます。浮遊粉じんの測定法としては非常に重要な方法であり、ビル管試験でも頻出の知識です。したがって、この記述は適切です。

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この問題で覚えるポイント

環境要素の測定では、物質ごとに利用する性質が異なります。二酸化炭素は非分散型赤外線吸収法、浮遊粉じんはβ線吸収法、オゾンは化学発光法、硫黄酸化物は溶液導電率法という対応を整理して覚えることが大切です。酸素は赤外線吸収ではなく、磁気式や電気化学式など別の原理で測定する点が重要です。単に名称を暗記するだけでなく、「何の性質を利用している測定法か」まで理解しておくと、応用問題にも対応しやすくなります。

ひっかけポイント

非分散型赤外線吸収法は、気体なら何でも測れそうに見えますが、赤外線を吸収する性質を持つ物質に限られます。ここで酸素を混ぜてくるのが典型的なひっかけです。また、オゾンや硫黄酸化物、浮遊粉じんは普段なじみが薄いため、測定法の名称だけで混乱しやすいです。気体成分の測定と粒子状物質の測定を区別して覚えること、二酸化炭素と酸素を取り違えないことが得点のカギになります。

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