問題
吹出口と吸込口に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
(1) ふく流吹出口は、他の吹出口に比べて誘引効果が高く、均一度の高い温度分布が得られる。
(2) 軸流吹出口は、誘引比が小さいため到達距離が長いのが特徴である。
(3) 線状吹出口は、ペリメータ負荷処理用として窓近傍に設置されることが多い。
(4) 有孔天井を用いた面状吹出口は、放射冷暖房の効果がある。
(5) 吸込口の吸込気流には方向性があるので、吸込気流の角度調整が必要である。
ビル管過去問|空調の吹出口・吸込口の種類と特徴を解説
この問題は、空調設備における吹出口と吸込口の種類や特徴について理解しているかを問う問題です。
空調の吹出口は、気流の形状や誘引効果によって温度分布や到達距離が変わります。また、吸込口は基本的に周囲から空気を吸い込む構造であり、吹出口とは気流の性質が異なります。各吹出口の特徴を理解していれば判断できる問題であり、吸込口の気流特性が正誤判定のポイントになります。不適当なのは (5) です。吸込口の吸込気流は基本的に周囲から均等に吸い込まれるため方向性はなく、角度調整も行いません。
(1) ふく流吹出口は、他の吹出口に比べて誘引効果が高く、均一度の高い温度分布が得られる。
適切です。ふく流吹出口(ディフューザー)は天井などに設置され、吹き出した空気が放射状に広がりながら周囲の空気を巻き込みます。この巻き込み現象を誘引(エントレインメント)といい、室内空気とよく混合されるため温度分布が均一になりやすいという特徴があります。そのため、事務所などの一般空調では広く使用されています。
(2) 軸流吹出口は、誘引比が小さいため到達距離が長いのが特徴である。
適切です。軸流吹出口(ノズル型など)は、空気を直線的に遠くまで送るタイプの吹出口です。周囲空気の巻き込みが少ないため誘引比は小さいですが、その分だけ気流が減衰しにくく、長い到達距離を確保できます。体育館やホールなど、広い空間で遠くまで空気を届ける必要がある場所で使用されます。
(3) 線状吹出口は、ペリメータ負荷処理用として窓近傍に設置されることが多い。
適切です。線状吹出口(ラインディフューザー)は細長い形状の吹出口で、窓際や壁際などのペリメータゾーンに設置されることが多い設備です。窓からの熱負荷(外気温や日射)を処理するため、窓面に沿って空気を流すことで冷暖房効果を高め、ドラフトや温度むらを抑える役割があります。
(4) 有孔天井を用いた面状吹出口は、放射冷暖房の効果がある。
適切です。有孔天井とは、小さな穴が多数開いた天井面から空気を緩やかに供給する方式です。空気を広い面積から低速で供給するため気流感が少なく、天井面の温度変化による放射効果も生じます。そのため、均一で快適な室内環境を作ることができ、静粛性や快適性が求められる空間で利用されることがあります。
(5) 吸込口の吸込気流には方向性があるので、吸込気流の角度調整が必要である。
不適切です。吸込口は周囲の空気を取り込む設備であり、吹出口のように一定方向へ空気を送り出すわけではありません。吸込気流は周囲から均等に吸い込まれる性質があり、特定の方向へ強い気流を作るものではありません。そのため、吸込気流の角度調整といった概念は通常存在せず、主に吸込面積や設置位置によって性能が決まります。
この問題で覚えるポイント
吹出口は種類によって誘引効果や到達距離が異なる。
ふく流吹出口は誘引効果が大きく、温度分布が均一になりやすい。
軸流吹出口は誘引が少なく到達距離が長い。
線状吹出口は窓際などのペリメータ空調でよく使用される。
吸込口は周囲から空気を吸い込む構造であり、気流の方向調整は行わない。
ひっかけポイント
吹出口と吸込口の気流特性を混同しやすい。
「誘引比」と「到達距離」の関係を逆に覚えてしまうミスが多い。
ペリメータ処理設備として線状吹出口が使われる点を見落としやすい。
吸込口は方向性を持つ気流を作らない点が試験でよく問われる。
