【ビル管過去問】令和7年度 問題54|室内空気汚染物質を解説

問題

室内における空気汚染物質に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

(1) 建築物衛生法における一酸化炭素の管理基準値は、6ppm以下である。

(2) 室内の二酸化炭素は、主にヒトの呼吸などによって発生し、その濃度は換気量の指標として利用されている。

(3) 室内浮遊粉じんの発生源は、たばこ、ヒトの活動、外気由来等である。

(4) 建築物衛生法におけるホルムアルデヒドの管理基準値は、0.08 mg/m3以下である。

(5) 省エネルギーのため室内に取り入れる外気量を過剰に削減すると、室内の空気質に影響することがある。

ビル管過去問|室内空気汚染物質を解説

この問題は、室内空気汚染物質に関する基礎知識と、建築物衛生法における管理基準値を正確に理解しているかを問う問題です。二酸化炭素や一酸化炭素、浮遊粉じん、ホルムアルデヒドといった代表的な室内汚染物質の性質と、換気との関係を整理しておくことが大切です。正しい選択肢を見抜くためには、特に数値基準を混同しないことが重要です。最も不適当なのは(4)です。ホルムアルデヒドの管理基準値は0.1mg/m3以下であり、0.08mg/m3以下ではありません。

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(1) 建築物衛生法における一酸化炭素の管理基準値は、6ppm以下である。

適切です。その理由は、建築物衛生法における空気環境の基準では、一酸化炭素は6ppm以下と定められているためです。一酸化炭素は無色無臭の気体であり、不完全燃焼によって発生します。室内で燃焼器具の不具合や換気不良があると濃度が上昇しやすく、人体に有害な影響を及ぼします。そのため、法令上も厳しく管理されている重要な項目です。

(2) 室内の二酸化炭素は、主にヒトの呼吸などによって発生し、その濃度は換気量の指標として利用されている。

適切です。その理由は、室内の二酸化炭素は主に在室者の呼吸によって発生し、換気が十分かどうかを判断する代表的な指標だからです。二酸化炭素そのものが通常の室内濃度で直ちに強い毒性を示すわけではありませんが、濃度が高いということは、室内の空気がよどみ、換気が不足している可能性を示します。そのため、空気環境管理では換気状態を評価するうえで重要な測定項目となっています。

(3) 室内浮遊粉じんの発生源は、たばこ、ヒトの活動、外気由来等である。

適切です。その理由は、室内浮遊粉じんは複数の発生源から室内に存在するためです。たばこの煙は非常に代表的な発生源であり、また人の歩行や作業によって床や衣服に付着した粒子が再飛散することもあります。さらに、屋外の大気中に存在する粉じんが換気や開口部から室内に侵入することもあります。したがって、たばこ、ヒトの活動、外気由来のいずれも室内浮遊粉じんの発生源として正しいです。

(4) 建築物衛生法におけるホルムアルデヒドの管理基準値は、0.08 mg/m3以下である。

不適切です。その理由は、建築物衛生法におけるホルムアルデヒドの管理基準値は0.1mg/m3以下であり、0.08mg/m3以下ではないためです。ホルムアルデヒドは建材、接着剤、家具などから発生する化学物質で、目やのどの刺激、シックハウス症候群の原因物質の一つとして知られています。数値が近いため混同しやすいですが、試験ではこのような細かな基準値の違いがよく問われますので、正確に覚える必要があります。

(5) 省エネルギーのため室内に取り入れる外気量を過剰に削減すると、室内の空気質に影響することがある。

適切です。その理由は、外気導入量を過剰に減らすと、換気不足によって室内汚染物質が室内に滞留しやすくなるためです。省エネルギーの観点からは外気負荷を減らしたい場面もありますが、換気量を必要以上に削減すると、二酸化炭素、におい、ホルムアルデヒドなどの化学物質、浮遊粉じんなどが十分に排出されなくなります。その結果、室内空気質が悪化し、在室者の快適性や健康に影響を及ぼすおそれがあります。省エネルギーと空気質の両立が重要です。

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この問題で覚えるポイント

建築物衛生法の空気環境基準は、数値を正確に覚えることが重要です。特に一酸化炭素は6ppm以下、ホルムアルデヒドは0.1mg/m3以下という基準は頻出です。二酸化炭素は換気状態をみる指標であり、人の呼吸が主な発生源です。浮遊粉じんはたばこ、人の活動、外気など多様な発生源を持ちます。省エネルギーのために換気を減らしすぎると、空気質が悪化する点も重要です。

ひっかけポイント

ホルムアルデヒドの基準値は数値が似ているため、0.08mg/m3と誤って覚えやすいです。一酸化炭素と二酸化炭素の役割や意味を混同しないことも大切です。一酸化炭素は有害ガスとして管理される対象であり、二酸化炭素は主に換気不足の指標として使われます。省エネルギーと換気不足を同時に問う選択肢もひっかけになりやすいため、換気量を減らしすぎれば空気質に悪影響が出ることを押さえておきましょう。

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