【第二種衛生管理者過去問】2021年4月公表問題|問14|メンタルヘルスケア指針の基礎知識|一次予防・二次予防・三次予防|労働衛生を解説

出典:第二種衛生管理者2021年(令和3年度)4月公表問題|労働衛生第14問

問題

厚生労働省の「労働者の心の健康の保持増進のための指針」に基づくメンタルヘルスケアの実施に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

(1) 心の健康については、客観的な測定方法が十分確立しておらず、また、心の健康問題の発生過程には個人差が大きく、そのプロセスの把握が難しいという特性がある。

(2) 心の健康づくり計画の実施に当たっては、メンタルヘルス不調を早期に発見する「一次予防」、適切な措置を行う「二次予防」及びメンタルヘルス不調となった労働者の職場復帰支援を行う「三次予防」が円滑に行われるようにする必要がある。

(3) 労働者の心の健康は、職場配置、人事異動、職場の組織などの要因によって影響を受けるため、メンタルヘルスケアは、人事労務管理と連携しなければ、適切に進まない場合が多いことに留意する。

(4) 労働者の心の健康は、職場のストレス要因のみならず、家庭・個人生活などの職場外のストレス要因の影響を受けている場合も多いことに留意する。

(5) メンタルヘルスケアを推進するに当たって、労働者の個人情報を主治医等の医療職や家族から取得する際には、あらかじめこれらの情報を取得する目的を労働者に明らかにして承諾を得るとともに、これらの情報は労働者本人から提出を受けることが望ましい。

第二種衛生管理者|第二種衛生管理者過去問|メンタルヘルスケア指針の基礎知識|一次予防・二次予防・三次予防を解説を解説

メンタルヘルスケア指針では、心の健康問題の特性、事業場における計画的な取組、人事労務管理との連携、職場外要因への配慮、個人情報保護などが重要とされています。答えは(2)です。一次予防はメンタルヘルス不調を未然に防止する取組であり、早期発見や早期対応は二次予防に当たります。選択肢では一次予防を「早期に発見する」と説明しているため、不適切です。

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(1) 心の健康については、客観的な測定方法が十分確立しておらず、また、心の健康問題の発生過程には個人差が大きく、そのプロセスの把握が難しいという特性がある。

適切です。その理由は、心の健康問題は血圧や血糖値のように一つの数値だけで明確に判断しにくく、本人の性格、職場環境、人間関係、家庭状況、体調など多くの要因が関係するためです。同じ職場環境でも強いストレスを受ける人とそうでない人がいるように、発生の過程には個人差があります。そのため、メンタルヘルスケアでは、客観的な測定だけに頼るのではなく、日頃の様子の変化、相談しやすい体制、職場環境の改善などを組み合わせて対応することが大切です。

(2) 心の健康づくり計画の実施に当たっては、メンタルヘルス不調を早期に発見する「一次予防」、適切な措置を行う「二次予防」及びメンタルヘルス不調となった労働者の職場復帰支援を行う「三次予防」が円滑に行われるようにする必要がある。

不適切です。その理由は、一次予防、二次予防、三次予防の内容が正しく対応していないためです。一次予防は、メンタルヘルス不調を未然に防止する取組です。具体的には、職場のストレス要因を減らすこと、労働者への教育研修を行うこと、管理監督者が部下の変化に気づきやすい職場づくりを進めることなどが含まれます。早期発見と早期対応は二次予防に当たります。三次予防は、メンタルヘルス不調により休業した労働者などに対して、職場復帰支援や再発防止を行う段階です。この選択肢は、一次予防を「早期に発見する」としている点が誤りです。

(3) 労働者の心の健康は、職場配置、人事異動、職場の組織などの要因によって影響を受けるため、メンタルヘルスケアは、人事労務管理と連携しなければ、適切に進まない場合が多いことに留意する。

適切です。その理由は、メンタルヘルス不調の背景には、仕事内容の負担、人間関係、配置転換、昇進、異動、組織体制の変化など、人事労務管理に関わる要因が含まれることが多いためです。例えば、本人の能力や経験に合わない業務量、急な配置転換、上司や同僚との関係悪化などは、心の健康に影響することがあります。衛生管理者や産業保健スタッフだけで対応するのではなく、人事部門や管理監督者と連携し、職場環境や業務の調整を行うことが重要です。

(4) 労働者の心の健康は、職場のストレス要因のみならず、家庭・個人生活などの職場外のストレス要因の影響を受けている場合も多いことに留意する。

適切です。その理由は、労働者の心の健康は職場だけで決まるものではなく、家庭の問題、介護、育児、経済的な不安、病気、人間関係など、職場外の要因にも影響されるためです。ただし、事業者が個人の私生活に過度に踏み込んでよいという意味ではありません。職場では、労働者のプライバシーに配慮しながら、相談窓口の整備、必要に応じた産業医や外部機関との連携、働き方の調整などを行うことが求められます。

(5) メンタルヘルスケアを推進するに当たって、労働者の個人情報を主治医等の医療職や家族から取得する際には、あらかじめこれらの情報を取得する目的を労働者に明らかにして承諾を得るとともに、これらの情報は労働者本人から提出を受けることが望ましい。

適切です。その理由は、メンタルヘルスに関する情報は非常に慎重に扱うべき個人情報であり、本人の同意や目的の明示が重要だからです。主治医、家族、医療職などから情報を得る場合でも、事業者が本人に無断で情報を集めることは望ましくありません。情報を取得する目的を明らかにし、労働者本人の承諾を得たうえで、できる限り本人から提出を受けることが基本です。これは、労働者のプライバシーを守り、安心して相談できる体制を整えるためにも重要です。

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この問題で覚えるポイント

メンタルヘルスケアでは、一次予防はメンタルヘルス不調の未然防止、二次予防は早期発見と早期対応、三次予防は職場復帰支援と再発防止を意味します。試験では、この三つの予防段階の対応関係がよく問われます。一次予防は発症する前の段階であり、職場環境の改善、ストレスチェックの活用、教育研修、相談体制の整備などが中心です。二次予防は不調の兆候を早く見つけ、産業医面談や相談対応などにつなげる段階です。三次予防は休業した労働者が円滑に復職し、再び不調にならないよう支援する段階です。また、心の健康問題は客観的な測定が難しく、発生過程に個人差があります。職場配置、人事異動、組織体制、家庭生活など多くの要因が関係するため、産業保健スタッフだけでなく、人事労務管理部門や管理監督者との連携が重要です。さらに、メンタルヘルスに関する情報は機微な個人情報であり、目的を明らかにして本人の承諾を得ること、原則として本人から情報の提出を受けることが大切です。

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ひっかけポイント

この問題の最大のひっかけは、一次予防、二次予防、三次予防という言葉のイメージだけで判断してしまう点です。「早期発見」は前向きで重要な取組なので、一次予防のように見えますが、正確には二次予防です。一次予防は、まだ不調が起きていない段階で未然に防ぐ取組です。二次予防は、不調の兆候を早く見つけて対応する取組です。三次予防は、不調になった後の職場復帰支援や再発防止です。このように、文章全体はもっともらしくても、用語と内容の対応が一部だけずれている選択肢が出題されます。特に「早期発見」と「未然防止」の違いは混同しやすいため、試験では注意が必要です。

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