【第二種衛生管理者過去問】2021年4月公表問題|問13|照明環境と照度の基礎知識|ルクス・全般照明・視環境対策|労働衛生を解説

出典:第二種衛生管理者2021年(令和3年度)4月公表問題|労働衛生第13問

問題

照明などの視環境に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1) 前方から明かりを取るときは、眼と光源を結ぶ線と視線とで作る角度を40°程度としている。

(2) 照明設備については、6か月以内ごとに1回、定期に点検し、汚れなどがあれば清掃又は交換を行っている。

(3) 全般照明と局部照明を併用する場合、全般照明による照度は、局部照明による照度の5分の1程度にしている。

(4) 照度の単位はルクスで、1ルクスは光度1カンデラの光源から10m離れた所で、その光の光軸に垂直な1m2の面が受ける明るさに相当する。

(5) 室内の彩色で、明度を高くすると光の反射率が高くなり照度を上げる効果があるが、彩度を高くしすぎると交感神経の緊張により疲労を招きやすい。

第二種衛生管理者|照明環境と照度の基礎知識を解説

照明環境では、まぶしさを防ぐ光源の位置、照明設備の点検、全般照明と局部照明の照度差、照度の単位であるルクス、室内色彩による視環境への影響が問われます。答えは(4)です。1ルクスは、光度1カンデラの光源から1m離れた面が受ける明るさに相当します。設問では10m離れた所としているため、照度の定義が誤っています。

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(1) 前方から明かりを取るときは、眼と光源を結ぶ線と視線とで作る角度を40°程度としている。

適切です。その理由は、光源が視線に近すぎると、まぶしさであるグレアが起こりやすくなるためです。前方から採光する場合は、眼と光源を結ぶ線と視線との角度をおおむね40°程度にすると、直接光が目に入りにくく、作業面を見やすい状態に保ちやすくなります。衛生管理者試験では、照明は単に明るければよいのではなく、まぶしさや影を防ぎ、眼の疲労を少なくすることが重要です。

(2) 照明設備については、6か月以内ごとに1回、定期に点検し、汚れなどがあれば清掃又は交換を行っている。

適切です。照明器具は使用を続けると、ランプの劣化や照明カバーの汚れによって照度が低下します。十分な照度が確保されないと、文字や対象物が見えにくくなり、眼精疲労や作業能率の低下につながります。そのため、照明設備は6か月以内ごとに1回、定期に点検し、必要に応じて清掃や交換を行うことが適切です。

(3) 全般照明と局部照明を併用する場合、全般照明による照度は、局部照明による照度の5分の1程度にしている。

適切です。全般照明は室内全体を照らす照明で、局部照明は机上や作業部分など特定の場所を照らす照明です。局部照明だけを強くして周囲が暗いと、視線を動かすたびに明暗差が大きくなり、眼が疲れやすくなります。そのため、全般照明と局部照明を併用する場合は、全般照明による照度を局部照明による照度の5分の1程度にして、明暗差を小さくすることが望ましいとされています。

(4) 照度の単位はルクスで、1ルクスは光度1カンデラの光源から10m離れた所で、その光の光軸に垂直な1m2の面が受ける明るさに相当する。

不適切です。照度の単位はルクスである点は正しいですが、1ルクスの説明が誤っています。1ルクスは、光度1カンデラの光源から1m離れた位置で、その光に垂直な1m2の面が受ける明るさに相当します。照度は距離が離れるほど弱くなり、距離の2乗に反比例します。10m離れると明るさは大きく低下するため、1mを10mにすり替えている点が誤りです。

(5) 室内の彩色で、明度を高くすると光の反射率が高くなり照度を上げる効果があるが、彩度を高くしすぎると交感神経の緊張により疲労を招きやすい。

適切です。明度は色の明るさを表し、明度が高い色は光を反射しやすく、室内を明るく見せる効果があります。白や淡い色の壁・天井は、照明の光を反射して視環境を改善しやすくなります。一方、彩度は色の鮮やかさを表します。彩度が高すぎる色は刺激が強く、落ち着きにくい環境となり、交感神経の緊張や疲労につながりやすくなります。作業環境では、明るく、刺激が強すぎない色彩計画が大切です。

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この問題で覚えるポイント

照明環境では、照度の単位はルクス、光度の単位はカンデラであることを区別して覚えることが重要です。1ルクスは、光度1カンデラの光源から1m離れた面が受ける明るさに相当します。10mではありません。照度は距離が離れるほど低下し、距離の2乗に反比例するため、距離の数値を入れ替える問題に注意します。全般照明は室内全体を照らす照明、局部照明は作業部分を照らす照明です。両方を併用する場合、全般照明による照度は局部照明による照度の5分の1程度にします。照明設備は6か月以内ごとに1回、定期に点検し、汚れや劣化があれば清掃又は交換を行います。前方から明かりを取るときは、眼と光源を結ぶ線と視線との角度を40°程度にして、まぶしさを防ぎます。室内色彩では、明度が高いほど反射率が高くなり、照度を上げる効果がありますが、彩度が高すぎると刺激が強くなり、疲労を招きやすくなります。

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ひっかけポイント

この問題の大きなひっかけは、照度の単位であるルクスの説明に、正しい用語と誤った数値を混ぜている点です。ルクス、カンデラ、1m2という言葉が入っているため、一見すると正しい定義に見えますが、距離が10mになっている部分が誤りです。衛生管理者試験では、このように文章の大部分は正しく、一部の数値だけがすり替えられている選択肢がよく出ます。また、照明環境は日常感覚で判断すると間違えやすい分野です。明るければよい、局部照明だけ強ければよい、と考えると誤答につながります。実際には、まぶしさ、明暗差、照明設備の劣化、色彩による心理的影響まで含めて、眼の疲労を防ぐ視環境を整えることが重要です。

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