出典:第二種衛生管理者2022年(令和4年度)4月公表問題|関係法令第7問
問題
労働安全衛生法に基づく労働者の心理的な負担の程度を把握するための検査(以下「ストレスチェック」という。)及びその結果等に応じて実施される医師による面接指導に関する次の記述のうち、法令上、正しいものはどれか。
(1) 常時50人以上の労働者を使用する事業場においては、6か月以内ごとに1回、定期に、ストレスチェックを行わなければならない。
(2) 事業者は、ストレスチェックの結果が、衛生管理者及びストレスチェックを受けた労働者に通知されるようにしなければならない。
(3) 労働者に対して行うストレスチェックの事項は、「職場における当該労働者の心理的な負担の原因」、「当該労働者の心理的な負担による心身の自覚症状」及び「職場における他の労働者による当該労働者への支援」に関する項目である。
(4) 事業者は、ストレスチェックの結果、心理的な負担の程度が高い労働者全員に対し、医師による面接指導を行わなければならない。
(5) 事業者は、医師による面接指導の結果に基づき、当該面接指導の結果の記録を作成して、これを3年間保存しなければならない。
第二種衛生管理者|ストレスチェック制度と面接指導の実施要件を解説
ストレスチェック制度では、常時50人以上の労働者を使用する事業場において、1年以内ごとに1回、定期に検査を実施する必要があります。正しい答えは(3)です。ストレスチェックで確認する事項は、心理的な負担の原因、心理的な負担による心身の自覚症状、他の労働者による支援の3つであり、この3領域を押さえることが正誤判断の中心になります。面接指導については、高ストレス者全員に自動的に実施するのではなく、一定の要件に該当する労働者から申出があった場合に行う点も重要です。

(1) 常時50人以上の労働者を使用する事業場においては、6か月以内ごとに1回、定期に、ストレスチェックを行わなければならない。
不適切です。ストレスチェックは、常時50人以上の労働者を使用する事業場で実施義務がありますが、実施頻度は「6か月以内ごとに1回」ではなく、「1年以内ごとに1回」です。ここでは、実施義務の対象となる事業場の規模は正しいものの、頻度が誤っています。衛生管理者試験では、このように「前半は正しいが、数値だけが違う」選択肢がよく出ます。常時50人以上という基準と、1年以内ごとに1回という頻度をセットで覚えることが大切です。
(2) 事業者は、ストレスチェックの結果が、衛生管理者及びストレスチェックを受けた労働者に通知されるようにしなければならない。
不適切です。ストレスチェックの結果は、原則として検査を受けた労働者本人に通知されます。衛生管理者に当然に通知されるわけではありません。ストレスチェックは労働者のメンタルヘルスに関する非常に個人的な情報を扱う制度であるため、本人の同意なく事業者や衛生管理者が結果を取得することはできません。衛生管理者は職場の衛生管理に関わる重要な立場ですが、ストレスチェックの個人結果を自動的に知る立場ではない点に注意が必要です。
(3) 労働者に対して行うストレスチェックの事項は、「職場における当該労働者の心理的な負担の原因」、「当該労働者の心理的な負担による心身の自覚症状」及び「職場における他の労働者による当該労働者への支援」に関する項目である。
適切です。ストレスチェックで確認する項目は、心理的な負担の原因、心身の自覚症状、周囲からの支援に関するものです。具体的には、仕事の量や質、人間関係などが心理的負担の原因に当たり、疲労感、不安感、抑うつ感などが心身の自覚症状に関係します。また、上司や同僚など職場内の支援があるかどうかも、ストレス状態を判断するうえで重要です。この3つの観点は、ストレスチェック制度の基本中の基本ですので、試験対策ではそのまま覚えておくと得点につながります。
(4) 事業者は、ストレスチェックの結果、心理的な負担の程度が高い労働者全員に対し、医師による面接指導を行わなければならない。
不適切です。心理的な負担の程度が高い労働者であっても、事業者が全員に対して自動的に医師の面接指導を行うわけではありません。面接指導は、ストレスチェックの結果により医師による面接指導が必要と認められた労働者が、事業者に申し出た場合に実施されます。つまり、高ストレス者であることに加えて、本人の申出が重要な要件になります。メンタルヘルス情報はプライバシー性が高いため、本人の意思を無視して事業者が一律に面接指導を行う制度ではないと理解しておきましょう。
(5) 事業者は、医師による面接指導の結果に基づき、当該面接指導の結果の記録を作成して、これを3年間保存しなければならない。
不適切です。医師による面接指導の結果に基づく記録は、3年間ではなく5年間保存しなければなりません。面接指導の結果は、労働者の健康管理や就業上の措置を検討するために重要な記録です。衛生管理者試験では、健康診断結果や面接指導結果などの保存期間が問われることが多く、数字の取り違えが狙われます。ストレスチェック後の面接指導結果の記録は5年間保存と覚えてください。
この問題で覚えるポイント
ストレスチェックは、常時50人以上の労働者を使用する事業場で、1年以内ごとに1回、定期に実施する制度です。検査項目は、心理的な負担の原因、心理的な負担による心身の自覚症状、職場における他の労働者による支援の3領域です。結果は原則として労働者本人に通知され、本人の同意なく事業者や衛生管理者に通知されるものではありません。医師による面接指導は、高ストレスと評価された労働者全員に自動的に行うのではなく、面接指導が必要と認められた労働者から申出があった場合に実施されます。面接指導の結果に基づく記録は5年間保存します。ストレスチェック制度では、実施義務の対象事業場、実施頻度、検査項目、結果通知の相手、面接指導の申出要件、記録保存期間が特に問われやすいです。
ひっかけポイント
このテーマでは、「常時50人以上」という基準だけを見て正しいと判断させ、実施頻度の「6か月以内ごとに1回」という誤りを見落とさせるパターンがよくあります。また、衛生管理者は衛生管理に関わるため、ストレスチェック結果も当然に通知されるように感じますが、個人結果はプライバシー性が高く、本人への通知が原則です。さらに、高ストレス者には面接指導が必要という印象から、全員に自動実施すると誤解しやすいですが、本人の申出が必要です。保存期間についても、3年や5年などの数字が混同されやすいため、面接指導結果の記録は5年保存と正確に覚えることが重要です。
