出典:第二種衛生管理者2022年(令和4年度)4月公表問題|関係法令第5問
問題
事業場の建築物、施設等に関する措置について、労働安全衛生規則の衛生基準に違反していないものは次のうちどれか。
(1) 日常行う清掃のほか、1年以内ごとに1回、定期に、統一的に大掃除を行っている。
(2) 男性25人、女性25人の労働者を常時使用している事業場で、労働者が臥(が)床がすることのできる休養室又は休養所を男性用と女性用に区別して設けていない。
(3) 60人の労働者を常時就業させている屋内作業場の気積が、設備の占める容積及び床面から4mを超える高さにある空間を除き、500m3となっている。
(4) 事業場に附属する食堂の床面積を、食事の際の1人について、0.8m2としている。
(5) 労働衛生上の有害業務を有しない事業場において、窓その他の開口部の直接外気に向かって開放することができる部分の面積が、常時床面積の15分の1である屋内作業場に、換気設備を設けていない。
第二種衛生管理者|第二種衛生管理者過去問|労働安全衛生規則の衛生基準を解説を解説
正解は(5)です。労働安全衛生規則では、事業場の清掃、休養室、気積、食堂、換気などについて、労働者の健康を守るための具体的な衛生基準が定められています。この問題では、それぞれの数値基準や設置条件を正確に覚えているかが問われています。特に、大掃除は「1年以内ごと」ではなく「6か月以内ごと」、気積は労働者1人につき10m3以上、食堂の床面積は食事の際の1人につき1m2以上が必要です。一方、有害業務を有しない屋内作業場では、直接外気に向かって開放できる窓などの面積が常時床面積の20分の1以上あれば、換気設備を設けないことができます。15分の1は20分の1より大きい面積なので、基準を満たしており違反していません。

(1) 日常行う清掃のほか、1年以内ごとに1回、定期に、統一的に大掃除を行っている。
不適切です。労働安全衛生規則では、日常行う清掃のほか、6か月以内ごとに1回、定期に、統一的に大掃除を行わなければならないとされています。選択肢では「1年以内ごとに1回」とされているため、頻度が不足しています。清掃は見た目をきれいにするだけでなく、ほこり、汚れ、病原体、害虫などを防ぎ、労働者の健康を守るための衛生管理です。試験では「6か月以内ごとに1回」という数値がそのまま問われやすいため、確実に覚えておく必要があります。
(2) 男性25人、女性25人の労働者を常時使用している事業場で、労働者が臥(が)床がすることのできる休養室又は休養所を男性用と女性用に区別して設けていない。
不適切です。常時50人以上又は常時女性30人以上の労働者を使用する事業場では、労働者が横になって休める休養室又は休養所を、男性用と女性用に区別して設ける必要があります。この事業場では男性25人、女性25人で合計50人を常時使用しているため、常時50人以上の基準に該当します。女性が30人未満であっても、全体で50人以上であれば対象になる点に注意が必要です。体調不良者や負傷者が一時的に休む場所として、男女別に設けることが求められています。
(3) 60人の労働者を常時就業させている屋内作業場の気積が、設備の占める容積及び床面から4mを超える高さにある空間を除き、500m3となっている。
不適切です。屋内作業場の気積は、労働者1人について10m3以上必要です。60人が常時就業している場合、必要な気積は60人×10m3で600m3以上です。この選択肢では500m3しかないため、基準を満たしていません。また、気積を計算するときは、設備の占める容積と、床面から4mを超える高さにある空間を除いて考えます。高い天井部分の空間をすべて有効な空気量として扱えるわけではないため、試験では「1人10m3以上」と「床面から4mを超える高さは除く」という点をセットで押さえることが大切です。
(4) 事業場に附属する食堂の床面積を、食事の際の1人について、0.8m2としている。
不適切です。事業場に附属する食堂の床面積は、食事の際の1人について1m2以上とする必要があります。選択肢では0.8m2とされており、基準を下回っています。食堂は単に食事をする場所ではなく、労働者が衛生的に食事を取り、休息するための施設です。狭すぎる食堂では、混雑や衛生状態の悪化につながるおそれがあるため、最低限の床面積が定められています。試験では「0.8m2」や「1.5m2」などの紛らわしい数値に置き換えられることがあるため、正しくは「1人につき1m2以上」と覚えてください。
(5) 労働衛生上の有害業務を有しない事業場において、窓その他の開口部の直接外気に向かって開放することができる部分の面積が、常時床面積の15分の1である屋内作業場に、換気設備を設けていない。
適切です。労働衛生上の有害業務を有しない屋内作業場では、直接外気に向かって開放することができる窓その他の開口部の面積が、常時床面積の20分の1以上であれば、換気設備を設けなくてもよいとされています。この選択肢では開口部の面積が床面積の15分の1です。15分の1は20分の1よりも大きい割合であるため、必要な開口面積を満たしています。分数の大小で迷いやすいところですが、床面積を同じにして考えると、15分の1の方が20分の1より広い開口部になります。そのため、換気設備を設けていなくても衛生基準に違反していません。
この問題で覚えるポイント
事業場施設の衛生基準では、数値と条件を正確に区別することが正誤判断に直結します。大掃除は日常清掃とは別に6か月以内ごとに1回、定期に、統一的に行う必要があります。休養室又は休養所は、常時50人以上又は常時女性30人以上の労働者を使用する事業場で、臥床できるものを男性用と女性用に区別して設けます。屋内作業場の気積は、設備の占める容積と床面から4mを超える高さの空間を除き、労働者1人について10m3以上必要です。食堂の床面積は、食事の際の1人について1m2以上です。換気設備については、有害業務がない屋内作業場で、直接外気に向かって開放できる窓などの面積が常時床面積の20分の1以上あれば、換気設備を設けなくてもよいと判断できます。分数で示される基準では、15分の1は20分の1より大きい面積であるため、基準を満たすという考え方も重要です。
ひっかけポイント
このテーマでは、基準値の微妙な違いで誤答を誘う問題が多く出ます。大掃除の頻度を「1年以内ごと」とすると、日常感覚では十分に見えるため迷いやすいですが、法令上は6か月以内ごとに1回です。休養室では「女性30人以上」という条件だけに注目すると、女性25人だから不要だと誤解しやすくなりますが、常時50人以上という全体人数の基準にも該当するため注意が必要です。気積では、60人なら600m3以上という単純計算に加えて、設備の容積や床面から4mを超える高さを除く点が出題されます。換気では「15分の1」と「20分の1」の分数の大小が罠になります。数字だけを見ると20の方が大きく感じますが、分数としては15分の1の方が広い面積です。このように、衛生基準の問題では、文章の一部が正しくても、数値、頻度、人数条件、分数の大小がずれていれば不適切になると考えて判断することが大切です。
