【第二種衛生管理者過去問】2025年4月公表問題|問16|健康保持増進対策指針|THPと健康測定・健康指導の実施方法|労働衛生を解説

出典:第二種衛生管理者2025年(令和7年度)4月公表問題|労働衛生第16問

問題

厚生労働省の「事業場における労働者の健康保持増進のための指針」に基づく健康保持増進対策に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

(1) 健康保持増進対策の推進に当たっては、事業者が労働者等の意見を聴きつつ事業場の実態に即した取組を行うため、労使、産業医、衛生管理者等で構成される衛生委員会等を活用する。

(2) 健康測定の結果に基づき行う健康指導には、運動指導、メンタルヘルスケア、栄養指導、口腔(くう)保健指導、保健指導が含まれる。

(3) 健康保持増進措置は、主に生活習慣上の課題を有する労働者の健康状態の改善を目指すために個々の労働者に対して実施するものと、事業場全体の健康状態の改善や健康保持増進に係る取組の活性化等、生活習慣上の課題の有無に関わらず労働者を集団として捉えて実施するものがある。

(4) 健康保持増進に関する課題の把握や目標の設定等においては、労働者の健康状態等を客観的に把握できる数値を活用することが望ましい。

(5) 健康測定とは、健康指導を行うために実施される調査、測定等のことをいい、疾病の早期発見に重点をおいた健康診断の各項目の結果を健康測定に活用することはできない。

第二種衛生管理者|健康保持増進対策指針とTHPを解説

健康保持増進対策は、労働者の健康づくりを事業場全体で計画的に進めるための取組です。健康測定や健康指導を通じて、生活習慣の改善、メンタルヘルス、栄養、運動、口腔保健などを総合的に支援します。答えは(5)です。健康診断の結果は、疾病の早期発見だけでなく、健康測定にも活用できます。「活用することはできない」としている点が誤りです。

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(1) 健康保持増進対策の推進に当たっては、事業者が労働者等の意見を聴きつつ事業場の実態に即した取組を行うため、労使、産業医、衛生管理者等で構成される衛生委員会等を活用する。

適切です。健康保持増進対策は、事業者だけが一方的に進めるものではなく、労働者の意見や事業場の実情を踏まえて行うことが重要です。衛生委員会等には、労使の代表、産業医、衛生管理者などが関与するため、職場の健康課題を共有し、実効性のある対策を検討する場として適しています。

(2) 健康測定の結果に基づき行う健康指導には、運動指導、メンタルヘルスケア、栄養指導、口腔(くう)保健指導、保健指導が含まれる。

適切です。健康指導は、健康測定の結果を踏まえて、労働者がより良い生活習慣を身につけられるよう支援するものです。運動不足、食生活、ストレス、口腔の健康、生活習慣全般など、幅広い観点から指導が行われます。単に病気を見つけるだけではなく、健康を維持し、さらに高めるための支援である点を押さえておきましょう。

(3) 健康保持増進措置は、主に生活習慣上の課題を有する労働者の健康状態の改善を目指すために個々の労働者に対して実施するものと、事業場全体の健康状態の改善や健康保持増進に係る取組の活性化等、生活習慣上の課題の有無に関わらず労働者を集団として捉えて実施するものがある。

適切です。健康保持増進措置には、個人に対する支援と集団に対する支援があります。個人への支援では、健康測定の結果などから見えた生活習慣上の課題に応じて、運動、栄養、保健指導などを行います。集団への支援では、職場全体の健康意識を高めたり、健康づくりに参加しやすい環境を整えたりします。個人だけでなく、職場全体を対象にする視点が大切です。

(4) 健康保持増進に関する課題の把握や目標の設定等においては、労働者の健康状態等を客観的に把握できる数値を活用することが望ましい。

適切です。健康保持増進対策では、感覚的に「健康に気をつけよう」とするだけではなく、健康診断結果、生活習慣に関する調査結果、ストレスチェックの集計結果など、客観的な数値を活用することが望ましいです。数値を使うことで、事業場の健康課題を把握しやすくなり、対策の目標設定や効果の確認もしやすくなります。

(5) 健康測定とは、健康指導を行うために実施される調査、測定等のことをいい、疾病の早期発見に重点をおいた健康診断の各項目の結果を健康測定に活用することはできない。

不適切です。健康測定とは、健康指導を行うために労働者の健康状態を把握する調査や測定のことです。ここまでは正しい内容です。しかし、健康診断の各項目の結果を健康測定に活用することはできます。健康診断は疾病の早期発見を主な目的としていますが、その結果は生活習慣の改善や健康指導にも役立ちます。「健康診断の結果は健康測定に使えない」と断定している点が誤りです。

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この問題で覚えるポイント

健康保持増進対策は、事業場における労働者の健康づくりを計画的、継続的に進める取組です。推進に当たっては、事業者が中心となり、労働者の意見を聴き、衛生委員会等を活用して、職場の実態に合った対策を行います。健康測定は、健康指導を行うために健康状態を把握する調査や測定であり、健康診断の結果も活用できます。健康指導には、運動指導、メンタルヘルスケア、栄養指導、口腔保健指導、保健指導などが含まれます。健康保持増進措置には、生活習慣上の課題を持つ労働者に個別に行うものと、職場全体を対象にして健康づくりを促進するものがあります。健康診断は疾病の早期発見、健康測定は健康指導のための状態把握という違いがありますが、両者は切り離されるものではなく、健康診断結果を健康測定に活用できる点が重要です。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、健康診断と健康測定を完全に別物として考えさせる点です。健康診断は疾病の早期発見を目的とするため、「健康保持増進のための健康測定には使えない」と思い込みやすくなっています。しかし、実際には健康診断結果は、生活習慣の改善や健康指導の材料として活用できます。「目的が違うから活用できない」という発想が誤答につながります。また、健康保持増進対策は個人だけを対象にするものではなく、職場全体を集団として捉えた取組も含みます。試験では、「できない」「含まれない」「個人だけ」などの限定表現が出たときに、指針の趣旨に照らして本当にそう言えるかを確認することが大切です。

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