【第二種衛生管理者過去問】2021年10月公表問題|問15|腰痛予防対策指針|作業姿勢と重量物取扱いの基準|労働衛生を解説

出典:第二種衛生管理者2021年(令和3年度)10月公表問題|労働衛生第15問

問題

厚生労働省の「職場における腰痛予防対策指針」に基づく腰痛予防対策に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1) 腰部保護ベルトは、重量物取扱い作業に従事する労働者全員に使用させるようにする。

(2) 重量物取扱い作業の場合、満18歳以上の男性労働者が人力のみで取り扱う物の重量は、体重のおおむね50%以下となるようにする。

(3) 重量物取扱い作業に常時従事する労働者に対しては、当該作業に配置する際及びその後1年以内ごとに1回、定期に、医師による腰痛の健康診断を行う。

(4) 立ち作業の場合は、身体を安定に保持するため、床面は弾力性のない硬い素材とし、クッション性のない作業靴を使用する。

(5) 腰掛け作業の場合の作業姿勢は、椅子に深く腰を掛けて、背もたれで体幹を支え、履物の足裏全体が床に接する姿勢を基本とする。

第二種衛生管理者|第二種衛生管理者過去問|腰痛予防対策指針|作業姿勢と重量物取扱いの基準を解説を解説

腰痛予防対策では、重量物の重さ、健康診断の時期、作業姿勢、床や靴の条件などがよく問われます。正解は(5)です。腰掛け作業では、椅子に深く腰を掛け、背もたれで体幹を支え、足裏全体が床に接する姿勢が基本です。腰に負担をかけないためには、体を不安定にしないこと、前かがみや中腰を長時間続けないこと、重量物を無理に人力で扱わないことが重要です。

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腰部保護ベルト

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(1) 腰部保護ベルトは、重量物取扱い作業に従事する労働者全員に使用させるようにする。

不適切です。腰部保護ベルトは、重量物取扱い作業を行うすべての労働者に一律に使用させるものではありません。腰部保護ベルトは腰部の支持を補助する場合がありますが、使用すれば必ず腰痛を予防できるものではなく、体に合わない使い方や過信はかえって不適切です。腰痛予防の基本は、作業方法の改善、重量物の軽量化、補助具の使用、作業姿勢の改善などであり、ベルトは必要に応じて補助的に用いるものです。

(2) 重量物取扱い作業の場合、満18歳以上の男性労働者が人力のみで取り扱う物の重量は、体重のおおむね50%以下となるようにする。

不適切です。満18歳以上の男性労働者が人力のみで取り扱う重量は、体重のおおむね40%以下となるように努めるとされています。50%では重すぎます。試験では、男性は体重のおおむね40%以下、女性は男性が取り扱う重量の60%程度、つまり体重のおおむね24%程度という数値が問われやすいです。重量物は、できるだけ機械や台車などを使い、人力だけに頼らないことが腰痛予防の基本です。

(3) 重量物取扱い作業に常時従事する労働者に対しては、当該作業に配置する際及びその後1年以内ごとに1回、定期に、医師による腰痛の健康診断を行う。

不適切です。重量物取扱い作業など腰部に著しい負担がかかる作業に常時従事する労働者については、配置する際と、その後6か月以内ごとに1回、定期に腰痛の健康診断を行うこととされています。1年以内ごとでは間隔が長すぎます。腰痛は作業姿勢や負荷の積み重ねによって悪化することがあるため、早めに異常を把握し、作業内容や作業環境の見直しにつなげることが大切です。

(4) 立ち作業の場合は、身体を安定に保持するため、床面は弾力性のない硬い素材とし、クッション性のない作業靴を使用する。

不適切です。立ち作業では、床面が硬すぎたり、作業靴にクッション性がなかったりすると、足腰への衝撃や疲労が大きくなります。腰痛予防の観点では、適度な弾力性のある床材やマットを用いること、クッション性のある作業靴を使用することが望ましいです。安定性は大切ですが、硬ければよいというわけではありません。長時間立ち続ける作業では、疲労を減らす工夫が腰痛予防につながります。

(5) 腰掛け作業の場合の作業姿勢は、椅子に深く腰を掛けて、背もたれで体幹を支え、履物の足裏全体が床に接する姿勢を基本とする。

適切です。腰掛け作業では、椅子に浅く座ったり、背中を丸めたり、足が床から浮いたりすると、腰部に負担がかかりやすくなります。椅子に深く腰を掛け、背もたれで体幹を支え、足裏全体を床につけることで、体が安定し、腰への負担を軽減できます。作業台や椅子の高さを調整し、無理な前傾姿勢やひねり姿勢を避けることも重要です。

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この問題で覚えるポイント

腰痛予防対策指針では、腰に負担をかける作業について、作業姿勢、重量物の取扱い、健康診断、作業環境の改善が重要です。重量物を人力のみで取り扱う場合、満18歳以上の男性は体重のおおむね40%以下、女性は男性が取り扱う重量の60%程度を目安にします。腰部に著しい負担がかかる作業に常時従事する労働者には、配置時とその後6か月以内ごとに1回、定期に腰痛の健康診断を行います。腰部保護ベルトは全員に一律使用させるものではなく、必要に応じて補助的に使用するものです。立ち作業では、硬すぎる床やクッション性のない靴は腰痛予防に適さず、適度な弾力性や疲労軽減の工夫が求められます。腰掛け作業では、椅子に深く座り、背もたれで体幹を支え、足裏全体を床につける姿勢が基本です。

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ひっかけポイント

このテーマでは、日常感覚で正しそうに見える表現に注意が必要です。腰部保護ベルトは腰を守る道具なので全員に使わせるべきだと思いやすいですが、指針上は一律使用ではなく補助的な位置づけです。重量物の基準では、男性の体重50%という数値がもっともらしく見えますが、正しくはおおむね40%以下です。健康診断の頻度も、一般的な定期健康診断の1年以内ごとに引っ張られやすいですが、腰痛健康診断は6か月以内ごとに1回です。立ち作業では、安定性を重視して硬い床や硬い靴がよいと考えがちですが、腰痛予防では疲労や衝撃を減らすための弾力性やクッション性が重要です。数値、頻度、道具の位置づけ、作業姿勢の基本をセットで覚えると、同じテーマの問題にも対応しやすくなります。

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