【第二種衛生管理者過去問】2022年10月公表問題|問29|肝臓の働きと代謝機能一覧|胆汁・尿素・血液凝固因子の役割|労働生理を解説

出典:第二種衛生管理者2022年(令和4年度)10月公表問題|労働生理第29問

問題

肝臓の機能として、誤っているものは次のうちどれか。

(1) コレステロールを合成する。

(2) 尿素を合成する。

(3) ビリルビンを分解する。

(4) 胆汁を生成する。

(5) 血液凝固物質や血液凝固阻止物質を合成する。

第二種衛生管理者|第二種衛生管理者過去問|肝臓の働きと代謝機能一覧|胆汁・尿素・血液凝固因子の役割を解説を解説

肝臓は、栄養素の代謝、胆汁の生成、解毒、尿素の合成、血液凝固に関わる物質の合成など、多くの重要な働きを担う臓器です。答えは(3)です。ビリルビンは肝臓で処理されて胆汁中に排出されますが、「分解する」と表現すると不適切です。ビリルビンはヘモグロビンの分解によって生じる色素であり、肝臓はそれを抱合して排泄しやすい形に変える役割を担います。

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(1) コレステロールを合成する。

適切です。肝臓は脂質代謝の中心となる臓器で、コレステロールを合成します。コレステロールは悪いものとして扱われがちですが、細胞膜の材料になったり、胆汁酸やステロイドホルモンの材料になったりする重要な物質です。肝臓では、体内で必要なコレステロールを合成し、必要に応じて血液中へ送り出します。そのため、肝臓の機能として「コレステロールを合成する」は正しい記述です。

(2) 尿素を合成する。

適切です。蛋白質が体内で分解されると、有害なアンモニアが発生します。アンモニアはそのまま体内に蓄積すると危険なため、肝臓で毒性の低い尿素に変えられます。尿素は血液によって腎臓へ運ばれ、尿として体外に排出されます。つまり、肝臓はアンモニアを処理して尿素を合成することで、体内の有害物質を安全に排出する準備をしています。

(3) ビリルビンを分解する。

不適切です。ビリルビンは、古くなった赤血球中のヘモグロビンが分解される過程で生じる黄色い色素です。肝臓はビリルビンを「分解する」のではなく、処理して胆汁中に排出しやすい形にします。具体的には、ビリルビンを抱合して水に溶けやすくし、胆汁の成分として腸管へ排出します。試験では「肝臓はビリルビンを処理する」「胆汁中に排出する」という理解が重要です。「分解する」と書かれている点が誤りです。

(4) 胆汁を生成する。

適切です。肝臓は胆汁を生成します。胆汁は胆のうに一時的に蓄えられ、食事により脂肪が小腸に入ると分泌されます。胆汁には脂肪を乳化して消化吸収を助ける働きがあります。ここで注意したいのは、胆汁を「生成する」のは肝臓であり、胆のうは胆汁を「貯蔵・濃縮する」器官だという点です。この区別は試験でよく問われます。

(5) 血液凝固物質や血液凝固阻止物質を合成する。

適切です。肝臓は、血液凝固に関係する多くの物質を合成します。血液を固めるために必要な凝固因子の多くは肝臓で作られます。また、血液が過剰に固まらないように調整する血液凝固阻止物質も肝臓で合成されます。つまり、肝臓は出血を止める働きと、血液が固まりすぎるのを防ぐ働きの両方に関わっています。肝機能が低下すると出血しやすくなることがあるのは、この働きが関係しています。

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この問題で覚えるポイント

肝臓の機能では、糖質、脂質、蛋白質の代謝、胆汁の生成、尿素の合成、解毒、血液凝固因子の合成が重要です。脂質代謝ではコレステロールを合成し、蛋白質代謝では有害なアンモニアを尿素に変えて腎臓から排出できるようにします。胆汁は肝臓で生成され、胆のうで貯蔵・濃縮され、小腸で脂肪の消化吸収を助けます。血液凝固に関わる多くの物質も肝臓で作られるため、肝機能の低下は出血傾向につながることがあります。ビリルビンについては、赤血球中のヘモグロビンの分解によって生じ、肝臓で抱合されて胆汁中に排出されると整理します。肝臓はビリルビンを分解するのではなく、排出しやすい形に処理する臓器だと覚えると正誤判断がしやすくなります。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、「ビリルビンを分解する」という表現です。ビリルビンはヘモグロビンが分解されてできる物質なので、「分解」という言葉を見ると肝臓の働きとして正しそうに感じてしまいます。しかし、肝臓の役割はビリルビンそのものを分解することではなく、抱合して胆汁中に排出しやすくすることです。また、胆汁についても、肝臓が生成し、胆のうが貯蔵するという役割分担を混同しやすいです。臓器名と働きがセットで問われる問題では、「作る」「貯める」「分解する」「排出する」といった動詞の違いが正誤を分けます。用語が一部だけ正しくても、働きの表現がずれていれば誤りになる点に注意してください。

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