【第二種衛生管理者過去問】2022年10月公表問題|問25|腎臓と尿の生成メカニズム|糸球体ろ過と再吸収の仕組み|労働生理を解説

出典:第二種衛生管理者2022年(令和4年度)10月公表問題|労働生理第25問

問題

腎臓又は尿に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1) 血中の老廃物は、尿細管からボウマン嚢(のう)に濾(こ)し出される。

(2) 血中の蛋白質は、糸球体からボウマン嚢(のう)に濾(こ)し出される。

(3) 血中のグルコースは、糸球体からボウマン嚢(のう)に濾(こ)し出される。

(4) 原尿中に濾(こ)し出された電解質の多くは、ボウマン嚢(のう)から血中に再吸収される。

(5) 原尿中に濾(こ)し出された水分の大部分は、そのまま尿として排出される。

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腎臓では、血液中の成分が糸球体からボウマン嚢に濾し出されて原尿が作られます。このとき、水分、電解質、グルコース、尿素などの小さな物質は濾過されますが、蛋白質や血球のような大きな成分は通常ほとんど濾過されません。答えは(3)です。血中のグルコースは糸球体からボウマン嚢に濾し出されますが、その後、尿細管でほぼ再吸収されるため、健康な状態では尿中にはほとんど排出されません。

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(1) 血中の老廃物は、尿細管からボウマン嚢(のう)に濾(こ)し出される。

不適切です。その理由は、血中の老廃物が最初に濾し出される場所は、尿細管ではなく糸球体からボウマン嚢だからです。腎臓の基本単位であるネフロンでは、糸球体という毛細血管のかたまりを血液が通り、そこから水分や尿素などの老廃物がボウマン嚢へ濾過されます。尿細管は、濾過された原尿から必要な水分、電解質、グルコースなどを血液中へ戻す再吸収や、不要な物質を尿中へ出す分泌に関わる部位です。尿細管からボウマン嚢へ濾し出されるわけではありません。

(2) 血中の蛋白質は、糸球体からボウマン嚢(のう)に濾(こ)し出される。

不適切です。その理由は、蛋白質は分子が大きく、通常は糸球体でほとんど濾過されないからです。糸球体では血液が濾過されますが、何でも通すわけではありません。水分、電解質、グルコース、尿素などの比較的小さな物質はボウマン嚢に入りますが、血球や血漿蛋白質のような大きな成分は血液中に残ります。尿に蛋白が多く出る場合は、腎臓の濾過機能に異常がある可能性を示すため、試験では「蛋白質は通常濾過されない」と押さえることが大切です。

(3) 血中のグルコースは、糸球体からボウマン嚢(のう)に濾(こ)し出される。

適切です。その理由は、グルコースは分子が比較的小さいため、糸球体からボウマン嚢へ濾過されるからです。ただし、濾過されたグルコースがそのまま尿として出るわけではありません。健康な状態では、原尿中のグルコースは尿細管でほぼ再吸収され、血液中に戻されます。そのため、通常の尿にはグルコースはほとんど含まれません。ここでは「濾し出されるかどうか」が問われており、「尿として排出されるかどうか」と混同しないことが重要です。

(4) 原尿中に濾(こ)し出された電解質の多くは、ボウマン嚢(のう)から血中に再吸収される。

不適切です。その理由は、電解質の多くが再吸収される場所はボウマン嚢ではなく尿細管だからです。ボウマン嚢は、糸球体から濾過された成分を受け取る場所です。その後、原尿は尿細管を通りながら、ナトリウムなどの電解質、水分、グルコースなど必要な成分を血液中へ戻します。再吸収という働きは尿細管の重要な機能です。選択肢では「電解質の多くは再吸収される」という部分はおおむね正しいですが、「ボウマン嚢から」という部分が誤りです。

(5) 原尿中に濾(こ)し出された水分の大部分は、そのまま尿として排出される。

不適切です。その理由は、原尿中の水分の大部分は尿細管などで再吸収され、尿として排出されるのは一部だけだからです。腎臓では大量の原尿が作られますが、そのまますべて排出されると体内の水分が急激に失われてしまいます。実際には、必要な水分の多くが血液中へ戻され、老廃物や余分な水分だけが尿として排出されます。試験では「原尿は大量に作られるが、多くは再吸収され、最終的な尿量は少なくなる」と理解しておくと判断しやすくなります。

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この問題で覚えるポイント

腎臓の尿生成は、糸球体での濾過、尿細管での再吸収、尿細管での分泌という流れで理解します。糸球体からボウマン嚢へ濾過されるものは、水分、電解質、グルコース、尿素などの小さな物質です。血球や蛋白質のような大きな成分は、通常は濾過されません。原尿に含まれるグルコースは、健康な状態では尿細管でほぼ再吸収されるため、尿中にはほとんど出ません。電解質や水分も必要量が尿細管で再吸収されます。ボウマン嚢は濾過された原尿を受け取る場所であり、再吸収の中心は尿細管です。正誤判断では、濾過される場所が「糸球体からボウマン嚢」なのか、再吸収される場所が「尿細管」なのかを区別することが重要です。

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ひっかけポイント

この問題では、「濾過」と「再吸収」の場所を入れ替えて誤答に誘導しています。血液中の成分が最初に濾し出されるのは尿細管ではなく、糸球体からボウマン嚢です。また、原尿中の必要成分が血液中へ戻されるのは、ボウマン嚢ではなく主に尿細管です。さらに、グルコースは濾過されるものの、通常は再吸収されるため尿中にはほとんど出ません。このように「濾過される」と「尿として排出される」は同じ意味ではありません。腎臓の問題では、成分そのものの知識だけでなく、どの場所で、どの方向に移動するのかを意識すると、ひっかけに強くなります。

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