出典:第二種衛生管理者2022年(令和4年度)10月公表問題|関係法令第7問
問題
事務室の空気環境の測定、設備の点検等に関する次の記述のうち、法令上、誤っているものはどれか。
(1) 中央管理方式の空気調和設備を設けた建築物内の事務室については、空気中の一酸化炭素及び二酸化炭素の含有率を、6か月以内ごとに1回、定期に、測定しなければならない。
(2) 事務室の建築、大規模の修繕又は大規模の模様替を行ったときは、その事務室における空気中のホルムアルデヒドの濃度を、その事務室の使用を開始した日以後所定の時期に1回、測定しなければならない。
(3) 燃焼器具を使用するときは、発熱量が著しく少ないものを除き、毎日、異常の有無を点検しなければならない。
(4) 事務室において使用する機械による換気のための設備については、2か月以内ごとに1回、定期に、異常の有無を点検しなければならない。
(5) 空気調和設備内に設けられた排水受けについては、原則として、1か月以内ごとに1回、定期に、その汚れ及び閉塞の状況を点検しなければならない。
第二種衛生管理者|事務室の空気環境測定と設備点検基準を解説
事務室の空気環境については、測定項目ごとに測定頻度や点検頻度が決められています。答えは(1)です。中央管理方式の空気調和設備を設けた建築物内の事務室では、一酸化炭素及び二酸化炭素の含有率を「6か月以内ごとに1回」ではなく、「2か月以内ごとに1回」測定しなければならないため、この記述は誤りです。空気環境測定は、単に換気されているかを見るだけでなく、労働者が継続して働く事務室内の空気が衛生上問題ない状態に保たれているかを確認するための重要な管理です。

(1) 中央管理方式の空気調和設備を設けた建築物内の事務室については、空気中の一酸化炭素及び二酸化炭素の含有率を、6か月以内ごとに1回、定期に、測定しなければならない。
不適切です。中央管理方式の空気調和設備を設けた建築物内の事務室では、空気中の一酸化炭素及び二酸化炭素の含有率について、2か月以内ごとに1回、定期に測定する必要があります。選択肢では「6か月以内ごとに1回」とされているため、測定頻度が誤っています。一酸化炭素は燃焼不良などにより発生し、人体に有害な影響を及ぼすおそれがあります。二酸化炭素は、室内の換気状態を判断する代表的な指標です。事務室では多くの労働者が長時間滞在するため、これらの濃度を定期的に確認し、換気や空調の状態を管理することが求められます。
(2) 事務室の建築、大規模の修繕又は大規模の模様替を行ったときは、その事務室における空気中のホルムアルデヒドの濃度を、その事務室の使用を開始した日以後所定の時期に1回、測定しなければならない。
適切です。事務室を新築した場合や、大規模な修繕、大規模な模様替を行った場合には、建材や内装材などからホルムアルデヒドが発散するおそれがあります。そのため、使用開始後の所定の時期に、空気中のホルムアルデヒド濃度を1回測定する必要があります。ホルムアルデヒドは、目や喉への刺激、体調不良などの原因となることがあり、いわゆるシックハウス対策としても重要です。毎月や2か月ごとに繰り返し測定する項目ではなく、建築や大規模改修などの後に行う測定である点を押さえると判断しやすくなります。
(3) 燃焼器具を使用するときは、発熱量が著しく少ないものを除き、毎日、異常の有無を点検しなければならない。
適切です。燃焼器具を使用する場合は、発熱量が著しく少ないものを除き、毎日、異常の有無を点検しなければなりません。燃焼器具では、燃焼状態が悪いと一酸化炭素が発生する危険があります。一酸化炭素は無色無臭で気づきにくく、吸入すると中毒を起こすおそれがあるため、日常的な点検が重要です。試験では「毎日」という頻度が強い表現に見えるため迷いやすいですが、燃焼器具については危険性が高いため、毎日の点検が必要とされています。
(4) 事務室において使用する機械による換気のための設備については、2か月以内ごとに1回、定期に、異常の有無を点検しなければならない。
適切です。事務室で使用する機械換気設備については、2か月以内ごとに1回、定期に異常の有無を点検する必要があります。機械換気設備は、室内の二酸化炭素濃度や空気の汚れを抑えるために重要な設備です。設備が正常に動いていなければ、換気不足となり、室内環境の悪化につながります。空気環境測定と同じく「2か月以内ごとに1回」という頻度が出題されやすいため、セットで覚えておくとよいです。
(5) 空気調和設備内に設けられた排水受けについては、原則として、1か月以内ごとに1回、定期に、その汚れ及び閉塞の状況を点検しなければならない。
適切です。空気調和設備内の排水受けについては、原則として、1か月以内ごとに1回、定期に汚れや閉塞の状況を点検しなければなりません。排水受けに汚れがたまったり、詰まりが生じたりすると、カビや細菌の繁殖、悪臭、空調設備の不具合につながるおそれがあります。空気調和設備は温度や湿度を調整するだけでなく、室内空気の衛生状態にも関係します。排水受けは水分が残りやすい部分であるため、比較的短い間隔での点検が求められます。
この問題で覚えるポイント
事務室の空気環境測定では、中央管理方式の空気調和設備を設けた建築物内の事務室について、一酸化炭素及び二酸化炭素の含有率は2か月以内ごとに1回測定する点が重要です。ホルムアルデヒド濃度は、事務室の建築、大規模修繕、大規模模様替を行った後、使用開始後の所定の時期に1回測定するものです。燃焼器具は、一酸化炭素中毒の危険があるため、発熱量が著しく少ないものを除き、毎日異常の有無を点検します。機械換気設備は2か月以内ごとに1回、異常の有無を点検します。空気調和設備内の排水受けは、原則として1か月以内ごとに1回、汚れや閉塞の状況を点検します。試験では「2か月」「1か月」「毎日」「使用開始後に1回」など、頻度の違いが正誤判断に直結します。
ひっかけポイント
この問題のひっかけは、測定や点検の対象ごとに頻度が少しずつ違う点です。一酸化炭素及び二酸化炭素の測定は、半年に1回程度でよさそうに感じるかもしれませんが、法令上は2か月以内ごとに1回です。ホルムアルデヒドは有害物質なので何度も定期測定するように思えますが、建築や大規模改修後の使用開始後に1回測定するものです。燃焼器具は「毎日」という表現が厳しすぎるように見えますが、一酸化炭素中毒の危険を防ぐため正しい記述です。空気環境の問題では、対象物の名前だけで判断せず、「何を」「いつ」「どの頻度で」測定または点検するのかを分けて覚えることが大切です。
