出典:第二種衛生管理者2022年(令和4年度)10月公表問題|関係法令第6問
問題
労働安全衛生法に基づく心理的な負担の程度を把握するための検査について、医師及び保健師以外の検査の実施者として、次のAからDの者のうち正しいものの組合せはどれか。
ただし、実施者は、法定の研修を修了した者とする。
A 歯科医師
B 労働衛生コンサルタント
C 衛生管理者
D 公認心理師
(1) A,B
(2) A,D
(3) B,C
(4) B,D
(5) C,D
第二種衛生管理者|ストレスチェック実施者の要件|公認心理師・労働衛生コンサルタントを解説
ストレスチェックの実施者になれる者を問う問題です。答えは(2)A,Dです。ストレスチェックの実施者は、医師、保健師のほか、法定の研修を修了した歯科医師、看護師、精神保健福祉士、公認心理師などが該当します。労働衛生コンサルタントや衛生管理者は、職場の衛生管理に関わる重要な資格・職務ではありますが、ストレスチェックの実施者として法令上当然に認められる者ではありません。

(1) A,B
不適切です。Aの歯科医師は、法定の研修を修了していれば、医師及び保健師以外のストレスチェック実施者として認められます。その理由は、ストレスチェック制度では、一定の専門職について、心理的な負担の程度を把握する検査を適切に実施できるよう、研修修了を条件として実施者になることを認めているためです。しかし、Bの労働衛生コンサルタントは、事業場の労働衛生水準の向上を図るために診断や指導を行う専門家であり、ストレスチェックの実施者として列挙されている者ではありません。Aは正しいですが、Bが誤りなので、この組合せは不適切です。
(2) A,D
適切です。Aの歯科医師とDの公認心理師は、いずれも法定の研修を修了していれば、医師及び保健師以外のストレスチェック実施者として認められます。ストレスチェックは、労働者の心理的な負担の程度を把握する検査であり、医学的・心理的な専門性が求められます。そのため、単に職場の衛生管理に関係する資格を持っているだけではなく、法令で定められた専門職であることが重要です。公認心理師は心理に関する国家資格であり、ストレスチェックの実施者として出題されやすい重要な職種です。この組合せが正解です。
(3) B,C
不適切です。Bの労働衛生コンサルタントも、Cの衛生管理者も、医師及び保健師以外のストレスチェック実施者としては認められていません。労働衛生コンサルタントは、労働衛生に関する高度な専門家であるため、実施者になれそうに見えますが、ストレスチェック制度では、実施者になれる職種が法令で限定されています。衛生管理者も、事業場の衛生管理を担当する重要な職務ですが、ストレスチェックの結果を評価し、必要に応じて面接指導につなげる役割には、医学や心理に関する専門性が必要です。そのため、この組合せは不適切です。
(4) B,D
不適切です。Dの公認心理師は、法定の研修を修了していれば、ストレスチェック実施者として認められます。公認心理師は心理的支援や心理状態の評価に関する専門職であるため、ストレスチェック制度との関係でも重要です。しかし、Bの労働衛生コンサルタントは、ストレスチェックの実施者として認められる職種ではありません。労働衛生コンサルタントという名称から、労働衛生全般に関わるため実施者になれると判断しやすいですが、ここでは法令上列挙されている職種かどうかで判断する必要があります。Dは正しいですが、Bが誤りなので、この組合せは不適切です。
(5) C,D
不適切です。Dの公認心理師は、法定の研修を修了していれば、ストレスチェック実施者として認められます。しかし、Cの衛生管理者は、ストレスチェックの実施者として認められていません。衛生管理者は、作業環境管理、作業管理、健康管理など、事業場の衛生管理に関する実務を担当しますが、ストレスチェックの実施者とは別の役割です。試験では、衛生管理者という名称から、健康管理に関係するため実施者に含まれると誤解させる出題がされます。Dは正しいですが、Cが誤りなので、この組合せは不適切です。
この問題で覚えるポイント
ストレスチェックの実施者は、医師、保健師のほか、法定の研修を修了した歯科医師、看護師、精神保健福祉士、公認心理師などです。実施者は、労働者の心理的な負担の程度を把握する検査を行うため、医学的または心理的な専門性を持つ者に限定されています。衛生管理者は事業場の衛生管理を担当する重要な職務ですが、ストレスチェック実施者には含まれません。労働衛生コンサルタントも労働衛生に関する専門家ですが、ストレスチェック実施者として法令上列挙されているわけではありません。試験では、歯科医師、公認心理師、看護師、精神保健福祉士は実施者になり得る者として押さえ、衛生管理者、労働衛生コンサルタントは実施者ではないと整理しておくと正誤判断がしやすくなります。
ひっかけポイント
この問題のひっかけは、労働衛生コンサルタントや衛生管理者のように、名前だけ見るとストレスチェックに関係しそうな職種を混ぜている点です。労働衛生コンサルタントは労働衛生の専門家であり、衛生管理者は事業場の健康管理に関わるため、日常感覚では実施者になれそうに見えます。しかし、ストレスチェックの実施者は、職場の衛生管理に関係する人なら誰でもよいわけではなく、法令で定められた専門職に限定されています。特に「法定の研修を修了した者とする」という条件があるため、研修を受ければ労働衛生コンサルタントや衛生管理者も実施者になれると考えやすいですが、研修修了が意味を持つのは、もともと実施者になり得る職種に該当する場合です。このテーマでは、職務名の印象ではなく、法令上の対象職種に入っているかどうかで判断することが大切です。
