出典:第二種衛生管理者2023年(令和5年度)10月公表問題|労働生理第24問
問題
摂取した食物中の炭水化物(糖質)、脂質及び蛋白質を分解する消化酵素の組合せとして、正しいものは次のうちどれか。
(1) 炭水化物(糖質):マルターゼ 脂質:リパーゼ 蛋白質:トリプシン
(2) 炭水化物(糖質):トリプシン 脂質:アミラーゼ 蛋白質:ペプシン
(3) 炭水化物(糖質):ペプシン 脂質:マルターゼ 蛋白質:トリプシン
(4) 炭水化物(糖質):ペプシン 脂質:リパーゼ 蛋白質:マルターゼ
(5) 炭水化物(糖質):アミラーゼ 脂質:トリプシン 蛋白質:リパーゼ
第二種衛生管理者|三大栄養素の消化酵素一覧|アミラーゼ・リパーゼ・トリプシンを解説
摂取した食物は、消化酵素によって小さな物質に分解され、体内に吸収されやすい形になります。炭水化物(糖質)を分解する代表的な酵素にはアミラーゼやマルターゼ、脂質を分解する代表的な酵素にはリパーゼ、蛋白質を分解する代表的な酵素にはペプシンやトリプシンがあります。この問題では、炭水化物(糖質)にマルターゼ、脂質にリパーゼ、蛋白質にトリプシンを対応させている(1)が正しい組合せです。

(1) 炭水化物(糖質):マルターゼ 脂質:リパーゼ 蛋白質:トリプシン
適切です。マルターゼは、麦芽糖をブドウ糖に分解する消化酵素で、炭水化物(糖質)の消化に関係します。リパーゼは脂肪を脂肪酸とグリセリンなどに分解する酵素で、脂質の消化に関係します。トリプシンは膵液に含まれる蛋白質分解酵素で、蛋白質をより小さなペプチドなどに分解します。三大栄養素と消化酵素の対応が正しいため、この選択肢が正解です。
(2) 炭水化物(糖質):トリプシン 脂質:アミラーゼ 蛋白質:ペプシン
不適切です。ペプシンは蛋白質を分解する酵素なので、この部分は正しいです。しかし、トリプシンは蛋白質を分解する酵素であり、炭水化物(糖質)を分解する酵素ではありません。また、アミラーゼはでんぷんなどの炭水化物(糖質)を分解する酵素であり、脂質を分解する酵素ではありません。複数の対応が入れ替えられているため、誤りです。
(3) 炭水化物(糖質):ペプシン 脂質:マルターゼ 蛋白質:トリプシン
不適切です。トリプシンが蛋白質を分解するという点は正しいです。しかし、ペプシンは胃液に含まれる蛋白質分解酵素であり、炭水化物(糖質)を分解する酵素ではありません。また、マルターゼは糖質を分解する酵素であり、脂質を分解する酵素ではありません。一部だけ正しい組合せになっているため、注意が必要です。
(4) 炭水化物(糖質):ペプシン 脂質:リパーゼ 蛋白質:マルターゼ
不適切です。リパーゼが脂質を分解するという点は正しいです。しかし、ペプシンは蛋白質を分解する酵素であり、炭水化物(糖質)を分解する酵素ではありません。マルターゼは糖質を分解する酵素であり、蛋白質を分解する酵素ではありません。リパーゼだけに注目すると正しく見えますが、全体の組合せとしては誤りです。
(5) 炭水化物(糖質):アミラーゼ 脂質:トリプシン 蛋白質:リパーゼ
不適切です。アミラーゼが炭水化物(糖質)を分解するという点は正しいです。しかし、トリプシンは蛋白質を分解する酵素であり、脂質を分解する酵素ではありません。また、リパーゼは脂質を分解する酵素であり、蛋白質を分解する酵素ではありません。アミラーゼだけは正しいため迷いやすいですが、脂質と蛋白質の対応が逆になっています。
この問題で覚えるポイント
三大栄養素と消化酵素の対応は、炭水化物(糖質)はアミラーゼやマルターゼ、脂質はリパーゼ、蛋白質はペプシンやトリプシンと整理して覚えることが重要です。アミラーゼはでんぷんなどを分解し、マルターゼは麦芽糖をブドウ糖に分解します。リパーゼは脂肪を脂肪酸とグリセリンなどに分解します。ペプシンは胃液に含まれる蛋白質分解酵素で、トリプシンは膵液に含まれる蛋白質分解酵素です。衛生管理者試験では、酵素名そのものの暗記だけでなく、何を分解する酵素なのかを対応させて判断できることが大切です。
ひっかけポイント
この問題のひっかけは、よく知られている酵素名を別の栄養素にずらして配置している点です。たとえば、アミラーゼやリパーゼは聞き覚えがあるため、選択肢の一部が正しいだけで全体も正しいと判断してしまうことがあります。また、ペプシンとトリプシンはいずれも蛋白質分解酵素なので、炭水化物や脂質に対応させられると混乱しやすくなります。このテーマでは、選択肢の中に一つ正しい対応があっても安心せず、炭水化物、脂質、蛋白質の三つすべての対応を確認することが正答につながります。
