【第二種衛生管理者過去問】2023年10月公表問題|問12|事務室の換気方法と必要換気量|換気回数・二酸化炭素濃度|労働衛生を解説

出典:第二種衛生管理者2023年(令和5年度)10月公表問題|労働衛生第12問

問題

一般の事務室における換気に関する次のAからDの記述について、誤っているものの組合せはどれか。

A 人間の呼気の成分の中で、酸素の濃度は約16%、二酸化炭素の濃度は約4%である。

B 新鮮な外気中の酸素濃度は約21%、二酸化炭素濃度は0.3~0.4%程度である。

C 室内の必要換気量(m3/h)は、次の式により算出される。

室内にいる人が1時間に呼出する二酸化炭素量(m3/h)÷(室内二酸化炭素基準濃度(%)-外気の二酸化炭素濃度(%))×100

D 必要換気量の算出に当たって、室内二酸化炭素基準濃度は、通常、1%とする。

(1) A,B

(2) A,C

(3) B,C

(4) B,D

(5) C,D

 

 

 

第二種衛生管理者|事務室の換気方法と必要換気量|換気回数・二酸化炭素濃度を解説

この問題では、呼気、外気、室内二酸化炭素基準濃度、必要換気量の計算式を正しく理解しているかが問われています。答えは(4)B,Dです。Bは外気中の二酸化炭素濃度を0.3~0.4%としている点が誤りで、正しくはおおむね0.03~0.04%程度です。Dは室内二酸化炭素基準濃度を1%としている点が誤りで、通常は0.1%、つまり1,000ppmを基準として考えます。

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(1) A,B

不適切です。Aは適切ですが、Bは不適切です。人間の呼気では、吸い込む空気に比べて酸素が減り、体内で発生した二酸化炭素が増えます。そのため、呼気中の酸素濃度は約16%、二酸化炭素濃度は約4%とされます。一方、Bの外気中の二酸化炭素濃度は0.3~0.4%ではなく、0.03~0.04%程度です。数字の見た目が似ていますが、0.3%は0.03%の10倍ですので、ここは重要なひっかけです。

(2) A,C

不適切です。AもCも適切です。Aは呼気中の酸素濃度と二酸化炭素濃度についての基本知識です。Cの必要換気量は、室内に発生する二酸化炭素量を、室内の基準濃度と外気濃度との差で割って求める考え方です。室内に人がいる限り二酸化炭素は増えるため、その増加分を外気との入れ替えによって薄める必要があります。必要換気量の計算では、室内濃度と外気濃度の差を使う点が大切です。

(3) B,C

不適切です。Bは不適切ですが、Cは適切です。Bは外気中の二酸化炭素濃度の桁が誤っています。新鮮な外気中の酸素濃度は約21%で正しいですが、二酸化炭素濃度は0.3~0.4%ではなく、0.03~0.04%程度です。Cは必要換気量の考え方として正しい内容です。必要換気量は、在室者が呼出する二酸化炭素量が多いほど大きくなり、室内基準濃度と外気濃度の差が小さいほど大きくなります。

(4) B,D

適切です。BとDはいずれも不適切な記述です。Bは外気中の二酸化炭素濃度を0.3~0.4%としている点が誤りです。正しくは0.03~0.04%程度です。Dは室内二酸化炭素基準濃度を通常1%としている点が誤りです。一般の事務室では、二酸化炭素濃度は通常0.1%、つまり1,000ppm以下に保つことを基準に考えます。1%は10,000ppmに相当し、事務室の換気基準としては高すぎます。

(5) C,D

不適切です。Cは適切ですが、Dは不適切です。Cは必要換気量の計算式に関する正しい記述です。必要換気量は、室内にいる人が1時間に呼出する二酸化炭素量を、室内二酸化炭素基準濃度と外気二酸化炭素濃度との差で割って求めます。Dは、室内二酸化炭素基準濃度を1%としている点が誤りです。通常は0.1%、つまり1,000ppmを用います。

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この問題で覚えるポイント

一般の事務室の換気では、二酸化炭素濃度を0.1%、つまり1,000ppm以下に保つことが重要です。外気中の酸素濃度は約21%、外気中の二酸化炭素濃度はおおむね0.03~0.04%程度です。人間の呼気では酸素濃度が約16%に下がり、二酸化炭素濃度は約4%に上がります。必要換気量は、室内で発生する二酸化炭素を外気で薄めるために必要な空気量です。計算では、在室者が呼出する二酸化炭素量を、室内二酸化炭素基準濃度と外気二酸化炭素濃度との差で割るという考え方を押さえます。%で計算する場合は100を掛ける処理が必要になるため、単位の扱いにも注意します。換気回数は、部屋の空気が1時間に何回入れ替わるかを示す指標ですが、必要換気量は二酸化炭素濃度を基準に必要な外気量を求める考え方です。この違いを整理しておくと、同じ換気分野の問題に対応しやすくなります。

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ひっかけポイント

この問題の最大のひっかけは、二酸化炭素濃度の小数点の位置です。0.03~0.04%と0.3~0.4%は見た目が似ていますが、意味は10倍違います。また、0.1%、1%、1,000ppm、10,000ppmの関係を混同しやすい点も狙われています。1,000ppmは0.1%であり、1%ではありません。日常感覚では1%が小さく感じられるため、うっかり正しいように見えてしまいますが、事務室の二酸化炭素基準としては0.1%を使います。さらに、必要換気量の式では、室内基準濃度だけでなく外気濃度を差し引く点も重要です。単に二酸化炭素量を基準濃度で割るのではなく、室内と外気の濃度差で考えるという発想を持つと、計算問題にも文章問題にも対応しやすくなります。

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