【第一種衛生管理者過去問】2021年4月公表問題|問24|ストレスチェック制度と医師による面接指導の実施基準|関係法令(有害業務以外)を解説

出典:第一種衛生管理者2021年(令和3年度)4月公表問題|関係法令(有害業務に係るもの以外のもの)第24問

問題

労働安全衛生法に基づく心理的な負担の程度を把握するための検査(以下「ストレスチェック」という。)の結果に基づき実施する医師による面接指導に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1) 面接指導を行う医師として事業者が指名できる医師は、当該事業場の産業医に限られる。

(2) 面接指導の結果は、健康診断個人票に記載しなければならない。

(3) 事業者は、ストレスチェックの結果、心理的な負担の程度が高い労働者であって、面接指導を受ける必要があると当該ストレスチェックを行った医師等が認めたものが面接指導を受けることを希望する旨を申し出たときは、当該申出をした労働者に対し、面接指導を行わなければならない。

(4) 事業者は、面接指導の対象となる要件に該当する労働者から申出があったときは、申出の日から3か月以内に、面接指導を行わなければならない。

(5) 事業者は、面接指導の結果に基づき、当該労働者の健康を保持するため必要な措置について、面接指導が行われた日から3か月以内に、医師の意見を聴かなければならない。

第1種衛生管理者|ストレスチェック制度と医師による面接指導の実施基準を解説

ストレスチェック後の医師による面接指導は、心理的負担が高く、医師等が面接指導を必要と認めた労働者本人から申出があった場合に、事業者が実施する制度です。答えは(3)です。面接指導は本人の申出を起点として行われ、申出後おおむね1か月以内に実施し、面接指導後おおむね1か月以内に医師の意見を聴く流れを押さえることが重要です。

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(1) 面接指導を行う医師として事業者が指名できる医師は、当該事業場の産業医に限られる。

不適切です。面接指導を行う医師は、当該事業場の産業医に限定されていません。産業医が実施することは望ましい場合がありますが、法令上「産業医に限る」とまでは定められていません。試験では「限られる」「必ず」などの限定表現が入ると誤りになりやすいため注意が必要です。

(2) 面接指導の結果は、健康診断個人票に記載しなければならない。

不適切です。ストレスチェック後の面接指導の結果は、健康診断個人票ではなく、面接指導の結果に関する記録として作成し、保存する必要があります。健康診断とストレスチェック制度は、どちらも労働者の健康管理に関する制度ですが、記録の扱いは同じではありません。健康診断の結果を記録する健康診断個人票と、ストレスチェック後の面接指導記録を混同しないことが大切です。

(3) 事業者は、ストレスチェックの結果、心理的な負担の程度が高い労働者であって、面接指導を受ける必要があると当該ストレスチェックを行った医師等が認めたものが面接指導を受けることを希望する旨を申し出たときは、当該申出をした労働者に対し、面接指導を行わなければならない。

適切です。ストレスチェックの結果、心理的な負担の程度が高く、医師等が面接指導を受ける必要があると認めた労働者が、事業者に面接指導を希望する旨を申し出た場合、事業者は医師による面接指導を行わなければなりません。ここで重要なのは、対象者であることだけで自動的に面接指導が行われるのではなく、労働者本人の申出が必要になる点です。ストレスチェック制度では、労働者のメンタルヘルス情報が慎重に扱われるため、本人の意思が制度運用上の重要な条件になります。

(4) 事業者は、面接指導の対象となる要件に該当する労働者から申出があったときは、申出の日から3か月以内に、面接指導を行わなければならない。

不適切です。面接指導は、労働者から申出があった場合、遅滞なく行う必要があり、実務上はおおむね1か月以内に実施するものとされています。「3か月以内」では遅すぎます。ストレスチェック後の面接指導は、メンタルヘルス不調の予防や早期対応を目的とするため、迅速な対応が求められます。

(5) 事業者は、面接指導の結果に基づき、当該労働者の健康を保持するため必要な措置について、面接指導が行われた日から3か月以内に、医師の意見を聴かなければならない。

不適切です。事業者は、面接指導の結果に基づき、必要な就業上の措置について医師の意見を聴かなければなりませんが、その時期は面接指導後おおむね1か月以内とされています。「3か月以内」ではありません。面接指導は、労働時間の短縮、作業内容の変更、配置転換などの就業上の措置につなげるための制度なので、医師の意見聴取も速やかに行う必要があります。

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この問題で覚えるポイント

ストレスチェック制度では、常時使用する労働者数が50人以上の事業場において、労働者に対するストレスチェックの実施が義務付けられています。面接指導の対象となるのは、ストレスチェックの結果、心理的な負担の程度が高く、医師等が面接指導を受ける必要があると認めた労働者です。ただし、面接指導は事業者が一方的に実施するものではなく、労働者本人が面接指導を希望する旨を申し出た場合に実施されます。面接指導は申出後おおむね1か月以内に行い、事業者は面接指導後おおむね1か月以内に医師の意見を聴く必要があります。面接指導を行う医師は産業医に限定されず、面接指導の結果は健康診断個人票ではなく、面接指導結果の記録として保存します。ストレスチェック制度では、本人の同意や申出、情報管理が重視される点も重要です。

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ひっかけポイント

ストレスチェック制度では、健康診断制度と似た表現が出てくるため、健康診断個人票や産業医の職務と混同しやすいところが狙われます。特に「産業医に限られる」「健康診断個人票に記載する」という表現は、健康管理の制度としてはもっともらしく見えますが、法令上の扱いとは異なります。また、期限について「3か月以内」と書かれると余裕のある健康管理手続のように感じますが、ストレスチェック後の面接指導は早期対応が目的であるため、おおむね1か月以内というスピード感が重要です。さらに、心理的負担が高いだけで自動的に面接指導が行われるのではなく、労働者本人の申出が必要である点も頻出のひっかけです。

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