【第一種衛生管理者過去問】2024年4月公表問題|問10|労働基準法の時間外労働制限・女性保護規定|関係法令(有害業務)を解説

出典:第一種衛生管理者2024年(令和6年度)4月公表問題|関係法令(有害業務に係るもの)第10問

問題

次のAからDの業務について、労働基準法に基づく時間外労働に関する協定を締結し、これを所轄労働基準監督署長に届け出た場合においても、労働時間の延長が1日2時間を超えてはならないものの組合せは( 1 )~( 5 )のうちどれか。
A  病原体によって汚染された物を取り扱う業務
B  鋼材やくず鉄を入れてある船倉の内部における業務
C  多量の低温物体を取り扱う業務
D  重量物の取扱い等重激なる業務

(1) A,B

(2) A,C

(3) B,C

(4) B,D

(5) C,D

第1種衛生管理者|労働基準法の時間外労働制限・女性保護規定を解説

この設問では、時間外労働に関する協定、いわゆる36協定を締結して届け出た場合でも、労働時間の延長が1日2時間以内に制限される有害業務を判別します。労働基準法では、妊産婦以外の女性についても、一定の有害業務では時間外労働の延長に上限が設けられています。答えは(5)C,Dです。多量の低温物体を取り扱う業務と、重量物の取扱い等重激なる業務は、36協定があっても1日2時間を超えて労働時間を延長できない業務に該当します。

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(1) A,B

不適切です。病原体によって汚染された物を取り扱う業務は、有害性のある業務として注意が必要なものですが、この設問で問われている「36協定があっても労働時間の延長が1日2時間を超えてはならない業務」の組合せには該当しません。また、鋼材やくず鉄を入れてある船倉の内部における業務も、酸素欠乏や閉鎖空間などの危険性を連想しやすい業務ですが、この時間外労働制限の対象として覚えるべき代表的な業務ではありません。危険な業務であることと、労働基準法上の時間外労働制限に該当することは、必ずしも同じではない点に注意が必要です。

(2) A,C

不適切です。多量の低温物体を取り扱う業務は、36協定を締結して届け出た場合でも、労働時間の延長が1日2時間を超えてはならない業務に該当します。低温環境や低温物体の取扱いは、身体への負担が大きく、長時間の作業により健康障害を生じるおそれがあるためです。しかし、病原体によって汚染された物を取り扱う業務は、この設問で問われている時間外労働の1日2時間制限の対象としては扱われません。片方だけが正しいため、組合せとしては誤りです。

(3) B,C

不適切です。多量の低温物体を取り扱う業務は、時間外労働の延長が1日2時間以内に制限される業務です。長時間行わせることで、冷えによる身体的負担や健康障害のリスクが高まるため、労働時間の延長に制限が設けられています。しかし、鋼材やくず鉄を入れてある船倉の内部における業務は、この設問の時間外労働制限の対象として正答に含める業務ではありません。船倉内部という言葉から危険な作業環境を想像しやすいですが、ここでは「時間外労働が1日2時間までに制限される業務かどうか」を基準に判断します。

(4) B,D

不適切です。重量物の取扱い等重激なる業務は、36協定がある場合でも、労働時間の延長が1日2時間を超えてはならない業務に該当します。重量物の取扱いは、筋骨格系への負担が大きく、長時間行うことで腰痛や疲労の蓄積などにつながりやすいため、保護の対象になります。しかし、鋼材やくず鉄を入れてある船倉の内部における業務は、この設問で問われる時間外労働制限の対象には含まれません。Dは正しいものの、Bが該当しないため、組合せとしては誤りです。

(5) C,D

適切です。多量の低温物体を取り扱う業務と、重量物の取扱い等重激なる業務は、36協定を締結し、所轄労働基準監督署長に届け出ている場合であっても、労働時間の延長が1日2時間を超えてはならない業務に該当します。これは、通常の時間外労働の手続を満たしていても、健康保護の観点から一定の有害業務については追加的に労働時間の延長を制限する趣旨です。試験では、「36協定があれば時間外労働はすべて可能」と考えると誤りになります。特に、低温物体の取扱いと重量物取扱い等の重激業務は、身体への負担が大きい業務としてセットで覚えておくと判断しやすくなります。

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この問題で覚えるポイント

36協定を締結して届け出ると、原則として法定労働時間を超える時間外労働をさせることができますが、すべての業務で無制限に延長できるわけではありません。労働基準法上、一定の有害業務については、36協定があっても労働時間の延長が1日2時間以内に制限されます。第一種衛生管理者試験では、特に「多量の高熱物体を取り扱う業務」「著しく暑熱な場所における業務」「多量の低温物体を取り扱う業務」「著しく寒冷な場所における業務」「重量物の取扱い等重激なる業務」など、身体への負担が大きい業務を押さえることが重要です。ここでのポイントは、危険性や有害性がある業務を広く選ぶのではなく、労働基準法で時間外労働の延長が1日2時間までに制限される業務として列挙されているかどうかで判断することです。特に、低温や高温に関する業務、重量物取扱いのように身体的負荷が直接大きい業務は正答につながりやすい知識です。衛生管理者試験では、女性保護規定や妊産婦保護、深夜業、危険有害業務の就業制限などが近いテーマとして出題されますが、この問題では「時間外労働の延長が1日2時間まで」という数値と対象業務の組合せを正確に覚えることが得点につながります。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、「危険そうな業務」や「有害そうな業務」をそのまま選ばせようとしている点です。病原体に汚染された物を取り扱う業務や、船倉内部における業務は、日常感覚では危険性が高いと感じやすいため、時間外労働制限の対象だと思ってしまいやすいです。しかし、試験では印象ではなく、労働基準法上の規定に該当するかどうかで判断します。また、「36協定を締結し届け出た場合においても」という表現も重要です。36協定があれば時間外労働が可能になるという基本知識だけで解くと、追加の制限を見落とします。このパターンでは、まず「36協定があっても制限される例外規定」を問われていると気づくことが大切です。さらに、選択肢の中に一つだけ正しい業務が含まれている組合せがあるため、片方が正しいだけで選ばないように注意が必要です。試験では、「一部だけ正しい組合せ」を混ぜて迷わせる出題がよくあります。低温物体の取扱い、重量物の取扱い等重激なる業務のように、身体的負担が大きく長時間労働と結びつく業務を優先して思い出すと、同じテーマの問題にも対応しやすくなります。

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