【第一種衛生管理者過去問】2021年10月公表問題|問2|局所排気装置と特定化学設備の定期自主検査基準|関係法令(有害業務)を解説

出典:第一種衛生管理者2021年(令和3年度)10月公表問題|関係法令(有害業務に係るもの)第2問

問題

次の装置のうち、法令上、定期自主検査の実施義務が規定されているものはどれか。

(1) 木工用丸のこ盤を使用する屋内の作業場所に設けた局所排気装置

(2) 塩酸を使用する屋内の作業場所に設けた局所排気装置

(3) アーク溶接を行う屋内の作業場所に設けた全体換気装置

(4) フェノールを取り扱う特定化学設備

(5) アンモニアを使用する屋内の作業場所に設けたプッシュプル型換気装置

第1種衛生管理者|局所排気装置と特定化学設備の定期自主検査基準を解説

有害業務に関する設備では、すべての換気装置やすべての化学設備に定期自主検査が義務付けられているわけではありません。法令上、定期自主検査の対象となるかどうかは、扱う有害物の種類、設備の種類、そして特定化学設備に該当するかで判断します。この問題の答えは(4)です。フェノールを取り扱う特定化学設備は、特定化学物質障害予防規則に基づき、定期自主検査の実施義務が規定されています。

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(1) 木工用丸のこ盤を使用する屋内の作業場所に設けた局所排気装置

不適切です。その理由は、木工用丸のこ盤に関係する粉じん対策として局所排気装置が設けられる場合はありますが、この選択肢の装置は、法令上この問題で問われている定期自主検査の実施義務が規定されている装置には該当しないためです。局所排気装置と聞くと、すべて定期自主検査が必要だと考えたくなりますが、定期自主検査の義務は、特定の有害物を取り扱う作業や特定の規則で対象とされる装置に限って定められます。木材粉じんへの対策設備であることだけを理由に、この問題の正解にはなりません。

(2) 塩酸を使用する屋内の作業場所に設けた局所排気装置

不適切です。その理由は、塩酸を使用する作業場所に局所排気装置が必要となる場面はありますが、塩酸はこの問題で問われている特定化学設備の定期自主検査の対象として正答になるものではないためです。塩酸は刺激性や腐食性のある物質であり、作業環境管理上は注意が必要です。しかし、定期自主検査の義務があるかどうかは、単に危険そう、有害そうという感覚ではなく、法令上その設備が対象として規定されているかで判断します。局所排気装置という言葉だけで選ばないことが大切です。

(3) アーク溶接を行う屋内の作業場所に設けた全体換気装置

不適切です。その理由は、アーク溶接では金属ヒュームなどが発生するため換気は重要ですが、全体換気装置について、この選択肢の内容だけでは法令上の定期自主検査義務が規定されている装置には該当しないためです。全体換気装置は、室内全体の空気を入れ替えて有害物濃度を下げるための設備です。局所排気装置のように発生源近くで有害物を捕集する装置とは性質が異なります。試験では、換気が必要であることと、定期自主検査が義務であることを分けて考える必要があります。

(4) フェノールを取り扱う特定化学設備

適切です。その理由は、フェノールは特定化学物質に該当し、フェノールを取り扱う特定化学設備については、法令上、定期自主検査の実施義務が規定されているためです。特定化学設備とは、特定化学物質を製造し、または取り扱う設備のうち、一定の危険性や有害性を持つものをいいます。このような設備は、腐食、漏えい、破損などが起こると労働者の健康障害につながるおそれがあるため、定期的に自主検査を行い、異常の有無を確認することが求められます。フェノールはこの問題で正答に直結する重要物質です。

(5) アンモニアを使用する屋内の作業場所に設けたプッシュプル型換気装置

不適切です。その理由は、アンモニアを使用する作業で換気が必要となる場合はありますが、この選択肢のプッシュプル型換気装置は、法令上この問題の定期自主検査義務の対象として規定されているものではないためです。プッシュプル型換気装置は、一方から空気を吹き出し、反対側で吸い込むことで有害物を一定方向に流して排出する装置です。ただし、装置の種類が高度に見えるからといって、必ず定期自主検査の対象になるわけではありません。対象物質と法令上の設備区分を確認して判断することが大切です。

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この問題で覚えるポイント

定期自主検査の問題では、危険そうな物質や換気装置という言葉だけで判断しないことが重要です。局所排気装置、全体換気装置、プッシュプル型換気装置は、いずれも有害物対策として登場しますが、すべてが同じように定期自主検査の対象になるわけではありません。特定化学物質障害予防規則では、特定化学設備について定期自主検査が求められる場合があります。フェノールを取り扱う特定化学設備は、定期自主検査の対象として押さえておくべき代表的な内容です。試験では、換気が必要かどうかと、定期自主検査が法令上義務付けられているかどうかを分けて判断することが得点につながります。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、局所排気装置やプッシュプル型換気装置という専門的な名称を見ると、すぐに定期自主検査が必要だと判断してしまう点にあります。実務感覚では、有害物を扱う場所の換気設備はどれも点検が必要に思えますが、試験では法令上の実施義務が規定されているかが問われます。また、塩酸やアンモニアのように有害性がイメージしやすい物質を混ぜることで、受験者が物質の危険性だけで選んでしまうように作られています。正誤判断では、有害であること、換気が必要であること、定期自主検査の対象であることを別々の知識として整理することが大切です。

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